〈序章 壱〉プロローグ~平安~

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雪菜と鬼狩りの面々との初対面から、数日後──。

ー産屋敷邱・中庭ー

カンッ! カンカンッ! ドウッ!

『ほらっ! もっとしっかり、鍛錬に集中するっ!! さもなくば ……今、此の瞬間にも命を落とす事態ことに繋がり兼ねるが、其れでも良いのですかっ?!』

「ぐっ……! 精進致しますっ!」

『次っ!!』

「はいっ! 宜しくお願い致しますっ!」

カンッ! カンカンッ! ドカッ……!!

『ほらっ、すぐに脇が甘くなるっ!』

「ぐぅっ!! がはっ……!」

ドサッ……。

『鬼から人々を守ろうとする者が、そんな為体でどうするのですかっ! この程度の事で音を上げて居ては、守りたい者も守れぬ上、鬼舞辻無惨を倒すと云う悲願も果たせぬまま終わるが、其れでも良いのですかっ?!』

「もっ……もう一度、お願いしますっ!」

* * * *
 
何故、稽古やら鍛錬やらを鬼狩りの面々に雪菜が付けて居るのかと云うと……其れは遡る事、彼等との初対面の直後──。
雪菜が鬼舞辻無惨と闘った上、尚且つ生き延びて居る事を鬼狩りの組織が知るや否や……〝稽古を付けて欲しい〟やら〝鍛錬の相手をして欲しい〟等の要望が相次いだのだった。
その為、鬼狩りから出された要望はお互いに切磋琢磨する事により、双方の為にも成る一石二鳥な要望だった。
しかし、雪菜の方も陰陽寮との兼合いが有る為、出来得る限り協力はしたいとは考えては居た。
其れを見兼ねた産屋敷の当主が「ならば、水蓮様に可能な範囲内で稽古や鍛錬を付けて頂いてはどうか?」と、鬼狩りの面々へ提案をした。すると、すんなり彼等が快諾した為、雪菜も「此れ幸い」と承諾。
故に、雪菜による稽古や鍛錬の指導と相成ったのである。

* * * *

ー数刻後……ー

『ふぅ……』

水蓮様、少しばかり休まれては如何ですか?」

鬼狩りに所属する者達への稽古が、一段落した所で雪菜へ休憩を取る様、声を掛けて来たのは産屋敷家現当主の耀李だった。

『そうですね……皆さんの動きも大分、良くなって来ましたし。少しだけ、縁側で休ませて頂きます。其れに……』

「其れに?」

『其れに、鬼舞辻無惨含む鬼について新たに判明した事も有りますし。』

「鬼舞辻無惨を含む鬼についての新しい情報ならば早急に、鬼狩りの皆……特に力が強い者達へは、確実に知らせる必要が御座いますが……水蓮様、如何致しましょう?」

『耀李殿、今回の件については皆に会議の要請として招集を掛けた上で、柱合会議を開催して頂いても宜しいでしょうか? 鬼に関する情報については、私の方で説明致しますので。』

「柱合会議の件、承知致しました。ですが、その情報を一体どのようにして得られて居るのですか?」

『耀李殿、済みませぬが……其れは例え、貴方様で在ろうと話す事は難しいかと思います。』

「そうですか……今は話せぬと云う事ならば、致し方有りません。聞かぬ様に致します。」

『その様にして頂けると、此方も助かります。何れ、話せる時が来れば良いのですが……。』(苦笑)

そんな会話をしながら、雪菜から齎せられた情報……其れは、“鬼の始祖・鬼舞辻無惨”等の鬼に関する新たな情報についてだった。
雪菜の云う「新たに判明した事」とは、一体───?!

* * * *

ー稽古日より、数日後ー

雪菜が耀李へ依頼した通り、数日後に柱合会議が開催された。

「やぁ、皆。任務に警邏にと忙しい所をこうして、柱合会議に参加してくれて嬉しいよ。」
「御館様も御変わり無く、我等一同心より御喜び申し上げます。」(m(_ _)mペコリ×9)
「して、何故この様に柱合会議を開いたのですか? 何か……理由が有るのですか?」
「其れは……」

『柱合会議を開催して頂く様、産屋敷殿に要請したのは私ですよ。』

鬼狩りの皆から、柱合会議開催の理由を聞かれて居た耀李に替わり、声を発したのは雪菜だった。

「!!?」(バッ!×9)

驚いて此の場に集まった鬼狩りの者達は、一斉に雪菜へ顔を向けたのだった。

っ、水蓮様が……ですか?」

『えぇ。“鬼の始祖・鬼舞辻無惨”を含む鬼について、新たに判明した事を貴方方にも伝えて置こうと思いまして。』

「なっ?! 〝鬼舞辻無惨〟や他の鬼の新たな情報だとっ!?」
「そっ、その様な情報を一体何処で……?」
水蓮様っ! その新たな情報とは、我等にとって如何程の有益さが見込めましょうか?」

『鬼舞辻無惨を含む鬼への対処法としては、此れ迄通りの“太陽光に晒し、鬼を滅殺する”事よりは幾分か、効率が上がる可能性が有ります。また、組織の生存率も向上するかと。』

「何とっ……!!」
「おぉっ……!」(×8)

水蓮様……貴女の仰る、従来の滅殺方法とは違う鬼の滅殺方法とは、どの様な方法なのですか?」

『其れは……〝此の刀〟です。』

ガチャリ……

そう云いつつ……雪菜が自身の前に置いたのは、とある一振りの刀だった。

「その刀は……?」

『〝此の刀〟は以前、帝を通してとある方より賜わった物です。
〝此の刀〟を鬼の討伐任務の際、幾度か試しに使用して見た所……鬼の頸を切れた為、鬼の弱点が“太陽光”の他に“鬼の頸”なのでは無いかと考え、刀に依る討伐を検討して居た所なのです。』

「何と……っ!」
「刀で有れば、確かに我等でも取り扱う事が可能となるな。」
「刀と云う事は、刀鍛治が必要で在ろう? 其処の所は、どうするのだ?」
「刀鍛治については、私と水蓮様で何とかしよう。
水蓮様、其れで宜しいでしょうか?」

『えぇ、私は其れで構いません。』

水蓮様と御館様に頼る事になるのは、我等としては心苦しく思いますが……宜しくお願い致します。」(m(_ _)mペコリ×9)

『ですが……今後の任務に於いて、刀で討伐する方法を取り入れるにしても、私の所持する刀は特殊な刀ですので……刀鍛冶の方には別の素材で、刀を打って頂く事になるかと思います。』

「では、刀の素材探しも同時進行する必要が有る……と、云う事ですね?」

『えぇ。其れ故、刀の素材は太陽の光を取り込んだ素材で無ければ、鬼の討伐には不向きです。
逆に、此方側の被害が拡大するだけの結果と成るでしょう。』

「刀を打つ為の素材探しと刀鍛冶の手配……水蓮様からの情報から、鬼の討伐方法が変化しようとするとは……何が起こるか本当に、判りませぬ。」(苦笑)

雪菜から齎された情報は、鬼狩りの組織にとって有益過ぎるモノだった。
今後の鬼を討伐する為の方法が増えた事で、どうの様な変化が起きるのか……今はまだ判らぬ事だらけ──。

* * * *
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