出逢う迄の軌跡

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神名
最初の一文字(オリ主ver.)
最初の一文字(呼び名ver.)

ーとある日の昼下がりー

ある一柱の神が、父の下へと訪ねて来た…。

雪菜は訪ねて来たその男神が苦手であり、嫌いだった…。
いつ頃からか…何か企んで居る様な笑みを口元に宿して居り、何かと父と対立して居たからだ。
詩織…、僕の傍から離れないで?」
兄は…雪菜へそう言いつつも、父と対面して居る男神を睨んだ。
『は、はい…』
兄へとすがりながら、恐々と返事をする雪菜
「大丈夫…。私達が付いて居ますからね?」
母はそう言いながらしゃがみ込み、雪菜を自分の腕に抱き込んだ。
雪菜は母の肩越しに、父と男神の様子をジッと見つめていた。

暫くの間…話し合いをして居た父と男神だったが、次第に様子が険しくなっていった。
やがて、男神が父に向かって…
「もう、貴様ら等要らぬわ!!」
と言い放ち、腰に提げて居た刀を父に振り降ろした。
「フッ…」
『……っ!!』
その刹那、父が自分に向かって笑って居たのだった―――。
しかし、間一髪で避けた父だったが…右肩に傷を負い、床に片膝を突いて荒めの呼吸をして居る状態だった。
「あっ…貴方っ!!」
「よくも、父上をっ!!」
『……っ!』
母と兄が…同時に父に向かって叫ぶ中、雪菜はガタガタと震えながら、声に為らずに眼に涙を零れそうな程溜めていた。

どの位時間が経過したのか…分からない程経った頃―――。

次々と斬り付けられ殺されていく家族と父を慕い…従って居た神々達が皆、自分を庇って死んでいく……。
先程まで、自分を守ってくれて居た兄も母も既にもう…息はない。
最後に残されたのは、荒い呼吸を繰り返しながらも、自分を腕に抱いている父と自分……そして、嘲笑いつつ滴る血に染まった刀を持つ男神のみだった…。
「天帝…どけっ! 貴様には、用は無い…。用が有るとすれば、その…子供だけだっ!」
「絶対に、どく訳には…行かぬっ!」
それでも…父は、口から血を吐く程の傷を負いながらも、娘を庇って居た…。
その様子を…男神は、忌々しく見下ろして居た。
『お父…樣…』
小さな声で…雪菜が、父を呼んだ。
「だっ、大丈夫…だ…」
娘を安心させるように…微笑みながら、娘へと声を掛けた。
そして、男神に気付かれぬよう…しかし、聞かれぬように…雪菜にのみ聞こえるよう囁いた…。
詩織、私が…此れから言う事を、良く…聞きなさい…。
今から、お前を高淤の所へ飛ばす…。
高淤へは、以前からこうなる事を危惧して…密かに、お前の事を頼んで置いた…。だから、この先の事は…向こう(貴船)へ行ってから、高淤と相談して決めなさい…。良いね?」
『………っ! 分かり…ました…』
雪菜は、嫌な予感がした物の…頷きながら父へと、答えたのだった…。
「よし、良い子だ…。私の愛しい娘よ…」
そう言いながら、娘の頭を撫でる父の顔は笑っていた――。
「………?」
何をしているのか…様子が全く分からない男神は、訝る事しか出来なかった…。そして、気が付いた…。
「っ!!?」
先程までは…天帝の背中に隠れて、様子を伺う事が出来なかったが…。
突然…雪菜の体が、神々しい程の光に包まれたのを…目撃した為だった。
やがて…雪菜の体は、光に吸い込まれるかの様に消えて行った…。
それを見た男神は、天帝に対し…「天帝、貴様っ……!!」と、怒りを顕にしたのだった…。
そして…天帝は、ゆっくりと立ち上がり…男神と向かい合った。
「貴様に、娘を…渡す訳には、行かぬ…。此所で、私と共に…滅ぶが良いっ……!!」
「……っ! くっ、くそっ………!!」
「だから、言ったであろう……。天帝である、私を…見くびるなと……。
最初の一太刀で、私に…手傷を浴びせたのは、良いが……。致命傷を、与えられ無かったのは…惜しかったな……?」
「チッ……。やはり、この程度では…生温かったようだな…」
「お互い……、余力が無い…。
…と、為れば…次が最後……になる…。
私の…全身全霊の一撃だ…」
「俺も、この日の為に…自分の全力を注ぎ込んだ…。貴様とて、俺の計画の邪魔をさせるかっ!!」
「だが…此れで、娘は居ない…。思う存分、お前と……闘える訳だ…」
スッ……。
そう言うなり、天帝は…腰に帯びて居た刀を鞘から抜いた。
「フッ…。良いだろう…」
そして…男神も天帝同様に、持っていた刀を構え直した。
ダンッ!!
……と、二人同時に床を蹴り…………。
「「……っ!!」」
ガキィィ……ンッ!!
刀と刀のぶつかり合う音が、二人のみの空間に…鈍く響いた…。
「フッ…。やはり…お前は、愚かな奴だよ……。“闇の神・闇雲(ヤクモ)”よ……」
「そう…だな…。しかし、俺は……諦めぬぞっ! 必ずや、あの娘を頂く…。
我が悲願の為にも…な。フフ、心して置くが……良いさ…。天…帝…」
ドタッ……! ガクッ。
倒れた闇雲の体には、左胸(心臓)に…天帝の刀が突き刺さって居た…。
そして…天帝は闇雲に歩み寄り、彼が絶命している事を…自らの手で確認をした…。
更に……傷を推して、一斉攻撃に備え…待機していた闇雲の配下共を……生存者が無きよう、誰一人として……逃がさず完膚無きまでに、叩き潰したのだった……。
それは……一人遺してしまう、娘の未来の為に…。そして…後に、倒した者達が復活する事の無いよう……。
天帝は一人…旅立った娘へ、思いを馳せつつ…自身に残る最後の力で、天帝の居るべき神殿…及び、それに続く道を永久に閉ざしたのだった―――。
ドサッ!
「我が娘、詩織…。お前は、全ての神々に愛されし娘だ…。故に、狙われる事も…必然的に、多くなる…。この先、どのような困難が待ち受けて居るか…私にすら分からない……気を付けなさい。私は、何時までも…お前の事を家族と共に…見守って居るから……」

僅か一日で起きたこの悲劇は、講して幕を閉じたのだった―――。

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