【原作開始前・20年前】

ー霞ヶ関付近・櫻宮神社にてー

“櫻宮神社”
この神社で雪菜は、如月　雪と言う偽名…ではあるが、「巫女兼陰陽師」として日々、奉仕していた…。　主に、巫女の仕事でだが。
警察庁長官及び…主祭神たる高龗神へは、既に報告&連絡済み…。
又、“黒ずくめの組織…通称・烏”への潜入捜査も…着々と行って居り、今現在…組織内である程度の信用及び信頼を得た為、コードネーム持ち…として組織のとある研究への協力（と、言う名の時間拘束（？）だが…）をしながら、NOCとしての活動を継続中である………、
組織内での立場は……〝NOC狩り〟と〝新人の教育係〟
………〝NOC狩り〟は、警察庁でのNOCリストの把握の件もあり…雪菜自身は、“組織”の一員としてのスタンスを維持しつつ……、
「至極当然の事であり、妥当な配役……。
正に、〝適材適所〟の役割分担……と、言える配役だな…。」
と考え、予め…予想はしていた。
そして、〝裏切り者には、死の制裁を…〟と言う「単純明快な思考にこそ、この“組織”の本質が見えて来るのでは…？　組織…と言う枠組み故に。」とも………。
組織によるNOCの監視方法としては、２つのパターンがあり……
１つ目が…「お互いが、〝NOC〟かどうか…の瀬戸際をお互いに疑い合う」と言うプレッシャーの中で……、双方がお互いを監視し合う事…。
２つ目が…組織の幹部：アニスとして…雪菜と言う名の〝監視役〟に監視させる事…。
と、言うある意味で合理的な２つの方法を用いて………だった。
しかし、組織的には…専ら使用頻度が高い方法が主に２つ目の方法で………、
１つ目の方法は…〝お互いを監視し合う〟事を目的としていた為に、堂々巡りになる事が多々…見受けられた為、組織全体…としては不評が相次いだ為に、雪菜がコードネーム持ちになる１週間程前に…「廃止」となった為、１つ目の方法は…今現在、使用頻度がほぼ皆無な方法である事が要因…。　←雪菜的には、組織に潜入中の「NOCでは…？」と、疑われた捜査官達を成るべく…死なせる事無く、助ける事が可能な為……好都合だったが。
しかし…〝新人の教育係〟と、言うのは………全く持って、雪菜自身…不本意であった。
主に、組織の幹部の一人である…〝ラム〟（後に〝ジン〟も）のせいで、ほぼ確実に雪菜へ押し付けられる為…である。

閑憩休話………。

そんなある日───。

雪菜が、如月　雪として奉仕する“櫻宮神社”に、とある一組の参拝客が訪れた…。
『こんにちは、この神社へよう…詣られました。（ﾍﾟｺﾘ）』
「こんにちは。本殿に参拝しても良いでしょうか？」
『えぇ、大丈夫ですよ。 何か相談がお有りであれば、私にお声をお掛け下さいませ……。
（ﾍﾟｺﾘ）』
「有り難う御座います…。 さっ、行こうか。」
「えぇ、貴方。」

二人してﾍﾟｺﾘ

『（あの二人……私の中で〝何か〟を感じる上に、縁が少々…複雑のようだなぁ。 相談があるようなら……声が掛かるまでは、様子を見てるか…。）
優月…。悪いのだけど……あの二人の事を至急、結斗と協力して調べて欲しいのと…様子を見守ってて貰えない？（ﾎﾞｿｯ）』

〈〈ｽｯ〉〉

「承知…致しました。結斗、行きますよ。」
「おぅ、任せとけ。」
『お願いね…。』
「主の頼みですから…。」
「あぁ。」
『（ﾌﾌｯ。）』

〈ｽｯ〉
〈ﾄｺﾄｺ…〉

ー二人組の参拝客が、本殿に向かい…数分経った頃……ー

〈ﾄｺﾄｺ…ﾁｮｺﾝ〉

「主…。あの二人が、参拝を終え…此方へ向かって来て居りますが……？」
『そう…、有り難う。』
「いえ。それと、あの二人ですが…主の危惧通りやはり、少々…縁が複雑でした。
それと、結斗からですが…あの二人の素性に問題は今の所…無いそうです。」
『そう…、分かった。』
「はい。」

〈ｽｯ〉

「あの…、すみません。」
『はい？』
「先程、相談があるなら、声を掛けて下さい…って、仰って下さいましたよね…？」
『えぇ、何か相談事でも……？』

ｺｸｯ……。 二人、お互いに頷き合い…

「はい。相談しても、構いませんでしょうか…？」
『ﾌﾌｯ。　えぇ、大丈夫ですよ。
申し遅れました………私は、如月　雪と、申します…。
この神社にて、巫女をして居ります。以後、お見知り置きを。（ﾍﾟｺｯ）』
「あっ、すみません！　名も名乗らず…。
私達は…宮野と、言います……。
自分は、宮野　厚司。　それと…（ﾁﾗｯ）」
「妻のエレーナです…。」
『宮野　厚司さんとエレーナさん…ですね？』
「「はい。」」
『此処ではなんですから、少し…移動しましょうか…。　此方へどうぞ。』
手を神社の境内へ向け、社務所内にある…雪菜の（陰陽師としての）仕事部屋へ案内した………。

＊　＊　＊　＊