【原作開始前・25年前】

ー時は、平成の世　霞ヶ関　警察庁・警察庁長官次長室ー

「……水蓮さん、頼まれて頂けますか？」
『………ﾊｧ～、分かりました。　但しっ！』

ﾋﾞｼｯ←人差し指を立てながら…。

「但し…？」
『但し、此方からの頼み事を幾つか…頼みたいのですが、宜しいですか？』
「此方が、頼んだ事です。その位は…融通させて頂きます。」
『ﾌﾌｯ、宜しく頼みましたよ？ 長官殿。』
「分かって居りますよ。成るべくサポート致しますが、呉々も無理は為さらぬよう…御気を付け下さい。貴女様にもしもの事が在らば…我々は、天皇陛下や宮内庁に…顔向けが出来ませんから。（苦笑）」
『分かってる…。潜入とは言え、〝あの〟黒ずくめの組織…通称・烏かぁ～。
（貰った資料を…ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ）
そう言えば、偽名を考えないと……じゃないの？』
「はい。一応、此方で候補は幾つか用意はしましたが…どれにしますか？」

ｶﾀｯ、ｽｯ

『う～ん、どれ…とは言ってもなぁ……。』

ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

『（ﾋﾟﾀｯ）ん？　うん、此れにして置くよ…偽名。』

ﾍﾟﾗｯ

「そうですか、分かりました。
では、その様に準備を進めさせて頂きます。」
『うん、お願いね。
それと…如月　雪の時の容姿は、〝コレ〟だから…宜しく。』

ｽｯ…。←姿を黒髪、漆黒の瞳へと一瞬の内に、変化させ…見せた

「はい、承知しました。（ｺｸｯ）」

ー警察庁での、この遣り取り後…“安倍　雪菜”に偽名が出来た。
その名は…如月　雪であった。又、容姿の承認も…早々に取ったのだった。ー

＊　＊　＊　＊