ーアメリカでの手続きも無事終了し、日本へ戻って来た雪菜。
其処へ、二本の電話が……。ー

♪～、♪～。　ﾋﾟｯ！

『はい、安倍ですが……。』
《あぁ、水蓮か？　実は、────っと、言う訳なのだが……何とか為らんだろうか？》
『んーっ………。　其れなら、運転手を私が代行すれば……何とかなるかと。(苦笑)』
《悪いが……頼めるか？》
『ﾌﾌｯ……、分かりました。　其れと、アメリカに行かれた息子さんを、空港で拾った後……海へ向かえば、良いのですか？』
《あぁ、息子も一緒に回収を頼む。》
『なら、息子さんへの連絡は其方でお願いします。　其れと……何時頃、海へ行く予定で居ますか？』
《連絡の件は、了解した。　行く予定日だが、8月の○日で……夏休み中だから子供達も安心だろうし、ホテルに一泊する予定だ。》
『了解です。』
《一緒に行けるのを、楽しみにして居る。》
『そうですね！』

ﾋﾟｯ……！

＊　＊　＊　＊

雪菜の元に届いた二本の電話の内、もう一本の電話も……。

♪～、♪～。　ﾋﾟｯ！

『はい、如月ですが……。』
《はぁい、雪ちゃん！》
『有希子さん、御久し振りですね？　どうしたんですか？』
《海に一緒に行けたら……って思って、電話したの！》
『海……ですか。（ん？ あれっ……？　先程のメアリーさんとの電話でも、海に行く予定だと……言って無かったか……？）
所で……海へは何時頃、行く予定ですか？』
《えっと……確か、夏休み中の8月○日よ！　新ちゃんと蘭ちゃん……二人共、夏休み中だから丁度良いし……。》
『なら、運転手でしたら……御引き受けしますよ？ (うわぁ、もろに……被りだ。 ダブリだ。 場所迄、被りそうな予感しかない……。)
(汗ﾀﾗﾘ)』
《え、良いの？　助かるわぁ～♪
じゃあ、ホテルも一緒に二泊の御泊まりで、宜しくね♡》
『分かりました、楽しみにしてますね。(苦笑)
(いっそ、明美ちゃんと志保ちゃんの対応を……“式”で対応するか？　其れ共……ｳ－ﾝ。　だけど、メアリーさんと有希子さん……と、言うより優作さんか。 どちらか一方を”式“で対応しても、違和感を感じて……気付かれそうだな、ﾊｧ……。)』
《じゃあ、宜しくね～♪》

ﾋﾟｯ……！

ー講して、この出来事が二家族の邂逅に繋がるとは……この時の雪菜は、予想もして居なかったのだった──。
ダブる事は、知って居たとしても……。ー

＊　＊　＊　＊