〈第3章〉櫻宮神社での…出会い? そして……。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【原作開始前・15~6年前】
雪菜が、宮野姉妹と暮らすようになり……早、2~3年経ち──。
宮野姉妹は…明美:11~2歳、志保:2~3歳頃……。
二人共、“組織”の監視下に有りながらも雪菜と一緒に過ごして居た……。
しかし、妹の志保がIQテストの結果により……コードネーム持ちとなり、姉妹それぞれの教育プログラムが組まれた為……、
姉:明美が、普通の学校への通学による教育 妹:志保が、“組織”独自の教育プログラム……となり、朝晩は一緒に過ごせるものの……日中は、離れ離れの状態なのだった──。
だが、宮野姉妹の生活環境については全て……雪菜に一任されては居るが、監視体制については組織による決定が主なのだった……。
一方──、
工藤夫妻の息子君は…新一:1~2歳頃……。
予てより、約束して居た〈お宮参り〉が“櫻宮神社”にて、ようやく行われる事となった。
約束……と言えば、もう1つの“約束”である〝宮野夫妻との面会や如月家への案内〟……と言う約束は、まだ……果たされては居ない……。
今回行われる〈お宮参り〉に於いて、主役がもう1人……。
その、もう1人とは──?
ー櫻宮神社・境内ー
『うん、掃き掃除は此れ位にして……。
後は…………。(ウ~ン…)』
〈〈スッ〉〉
『ん……? どうしたの? 結斗、優月。』
「主、もう直ぐ此方に工藤夫妻が、新一君を連れて着くようですけど……。」
『えっ、ホント?』
「あぁ。 今頃、駐車場で車を停めてる所だろうな。」
『えぇっ?! あっ! もう、時間がそんなに無いじゃない!! 大変!! 急がないと………!』
ダッ…!
「あっ! 主?!」
「あーあ、もう行っちまいやがった。(呆)」
「そう言えば、まだ……だったんですね?
工藤夫妻の息子君の〈お宮参り〉………。」
「あぁ……。 両親の仕事の関係で、中々時間が取れず……その上、雪菜とも連絡は取り合えては居たものの……会う時間が限られてたりと、調整がやり難かったらしい。」
「主も、それは……寝不足になりますよね……。(苦笑) あれっ? 確か……今日は〈お宮参り〉が、“2件”の予定の筈……………では、有りませんでしたっけ?」
「あぁ~……。 ………工藤家の坊主のトコと、確か……もう1件だったな。 ハァ……、雪菜の奴に知らせて来るわ。」
「お願いします。 私は、もう少し境内の様子を見てますから……。」
「分かった。」
〈スッ〉
* * * *
〈スッ〉
「おい、雪菜!」
『わっ?!(ビクッ……! クルッ)』
『はぁ~、びっくりした……。 あれ、結斗? 何か用事?』
「あぁ、つい先程気付いた事だが……〈お宮参り〉の件がどうやら、“2件”重なってる見たいだぞ?」
『え? 待って。 今、確認するから……。』
スケジュ―ル帳をパラパラ……。
『あちゃー……、本当だ………。
結斗、気付かせてくれて有り難う……。
助かったよ。(ホッ…)』
「優月にも、お礼を言っとけよ? 気付いたの………アイツだし。」
『うん、分かった。』
「で? どうするんだ? 何か、考えでも有るのか?」
『う~ん、うん。 有希子さん達に、事情を説明した上で……一緒にさせて貰えないかなぁ~?………とは、ちょっと思ってる。(テヘッ)』
「ハァ、あんま無理はするなよ?」
『フフッ、大丈夫。 有り難うね?』
「まぁ……俺達は、お前の“式”であると同時に……お前の“使役”なんだから、主として居てくれるだけで良い……。
俺も優月もお前の事を(昔から)唯一無二の“主”と認めてるんだから。(フイッ…)(照)」
『フフッ、分かっているからこそ……だよ。』
「ふん、もう行く。」
〈スッ〉
『フフッ。(少しだけ、結斗の照れが見れた事は嬉しいけど……素直じゃないんだから。
まぁ、そう言う部分も含めて私の“式”…………だものね?)
さて…と、“2件”重なってしまった〈お宮参り〉の準備を進めましょ……っと!』
* * * *
そして……。
『こんにちは。 櫻宮神社へよう、参れました。(ペコリ)』
「やぁ、雪君。」
「こんにちは! 雪ちゃん、今日は宜しくお願いします。(ペコッ)」
『優作さん、有希子さん。 ちょっと、御相談があるんですけど……。(苦笑)』
「何だい?」
「え、なぁに?」
『実は……此方のミスで〈お宮参り〉が、有希子さん達ともう1件重なってしまったんですが、 一緒でも………構いませんか?』
「あら、もう1件?」
「フム……。 重なってしまったのなら、仕方ないが……名字とか、どんな家の方何だい?」
『ちょっと、待って下さいね……。』
スケジュ―ル帳を捲りつつ……、説明をした。
『えっ……と、有希子さん達の他に……名字は“くろば”さんと言う方で、確か………“マジシャン”だと、言ってましたね……。』
「えっ? それ、本当?」
『え~っと、有希子さん……?
知り合いの方……とかですか?』
「え、えぇ……。 まだ、女優として駆け出しの頃──。
ある映画の撮影で、“スパイ”役のオファーが回って来てね? その時、当時有名だった……ある“マジシャン”に弟子入りしたの。 その際、一緒に弟子入りしたもう1人の人と……親友になったんだけどね?
その“マジシャン”の方の名字がさっき、雪ちゃんが言った“黒羽”なの……。
だから、〝もしかして……〟って思っただけだったの……。(苦笑)」
『へぇ、そうだったんですか……。』
「成る程、名字が“くろば”と聞いて……驚いたのか。」
「えぇ……。ご免なさい、優作さん。
黙ってて……。」
「構わないさ。 さて、有希子を通じて知り合えそうな“くろば”さんと一緒に〈お宮参り〉を行うのも……又、楽しそうだな?」
『じゃあ、一緒でも構わない……と?』
「あぁ。 此方こそ、一緒にお願いするよ。」
『分かりました。 なら……少し、待って居て下さい。
その“くろば”さんと言う方へも、決まった事を電話で連絡して来ますので……。』
「あぁ、私達は境内を散歩しながら……でも待って居るよ。」
『なら……散歩が終了次第、社務所で落ち合うと、言うのはどうですか?』
「あぁ、その方が探す手間も省けて良いかも知れないね…。 なら、そうしようか。」
『(コクリ)分かりました。』
「雪ちゃん、宜しくね?」
『フフッ、有希子さん……分かってますよ。
では……、後程。(ペコッ)』
タッ……!
ー数分後……ー
タタッ……。
『優作さん、有希子さん……お待たせしました。 彼方へ連絡が付きまして……後、10分程で此方に着けるそうです。』
「「(ホッ/フッ)」」
「そう、……分かったわ。」
「フム、有希子の伝手でだが……知り合えるのだから、楽しみだな。」
『私も、この〈お宮参り〉が楽しみになりましたよ?
私のミスでは有りましたが……講して、貴方方の友人として関われるんですから。』
「確かに、このような機会が無い限り……お互いに知らないままだったかも知れないものね。」
『フフ、そうですよ。 人々との繋がり……縁と、言うのは貴方方にも私にとっても……深く関わって来るモノですから、大切になさった方が良いんですよ?』
「フフッ。 有り難う、雪ちゃん。」
『良いんですよ、お礼なんて……。
私は、陰陽師だけで無く……巫女としても……人の縁については、人一倍……気を配って居るんです。 何故だか……分かりますか?』
「うーん。…………ううん、分からないわ。」
『優作さんは、どうですか?』
「うーむ。…………私も有希子同様、お手上げだよ……。 何故だい?」
雪菜は、真剣な表情で……説明をした。
『御二人は…………〝人を呪わば 穴二つ〟と、言う言葉を聞いた事は有りますか?』
その言葉を聞いた二人は顔を見合せ、顔を横に降った。
「ううん、聞いた事無いわ。」
「私も、話に聞いた事位なら有るが……詳しくは知らないな。」
『確かに、普通に生活して居る程度では……聞く機会はあまり無い言葉です。
ですが、陰陽師兼巫女としての私からすれば……人との縁に関わる言葉でも有ります。』
「「………?」」
『分からないのも無理有りませんよ。
人の縁と、言うのは一言で言えば……〝絆〟と言われる事も有りますからね……。(苦笑)』
「〝絆〟……かい?」
『えぇ……。 人と人の繋がりを現すならば……〝絆〟と、言う言葉が良く使われる事が多いですし……〝絆〟によって、恨みや妬み……負の感情も生まれ易いですから。
先程の〝人を呪わば 穴二つ〟と、言う言葉もそんな……人との繋がりを現す言葉の1つ。
そして、言葉の意味は〝相手を地獄へ堕とすのならば、自分自身も地獄へ堕ちる事を心(覚悟)せよ〟……。
要は、相手も自分自身も結局……地獄へ堕ちるのなら、堕ちる覚悟が必要って事ですよ。』
「へぇー……。」
「成る程、巫女兼陰陽師としての君からすれば……人と言うのは、相手を想う感情によって“善”にも“悪”にも成り得る存在……だからこそ、厄介な相手だと……そう言う事かい?」
『優作さんには、簡単過ぎでしたかね……?』
「いや? 良い例えなんじゃ無いかな。」
「…………? 優作さん、どう言う事なの?」
「雪君は、私達に人との付き合い方について……言葉の例えで、注意喚起をしたかったんだよ。
人との付き合いには、その人物と会って話す事の他に……周囲との折り合いも有る。
だから、巫女兼陰陽師として多くの人を見て来たからこそ……“あの”言葉を言った。
雪君、何処か違っている所は?」
『(首を横に振りつつ…)いえ、違っている所なんて有りませんよ。 お見事ですね。 フフッ……。』
「へぇ……。 言葉にも色々有るのねぇ。」
『昔の人は、言葉に宿る力を知ってましたからね……。 所謂、〝言霊〟です。 他にも……色に宿る力を〝色霊〟と、言うように様々な“モノ”が有りますからね。』
「確かに、小説家も言葉を使うから……文面には気を付けてるからなぁ。」
「そうねぇ……。 私も女優として、言葉遣いには……気を付けてたもの。」
『フフッ、言葉や行動1つで……運命が変わる事も多いですから。』
「そうね、何気無い事が切っ掛けで……ガラリと変わってしまう事も有るものね……。」
「私達は、常に心掛けて居ないと……だな。」
「そうね、誰かの切っ掛けになる事を肝に銘じないと……ね。
それに、新ちゃんにも…ちゃんと伝えて行かなきゃいけないわね。」
「あぁ、そうだね。」
手をパンッと叩き……
『さて、辛気臭くなって仕舞いましたが……話は此れ位にして、気持ちを切り換えましょうか!
大切な〈お宮参り〉ですし。
そろそろ、本殿へ向かいつつ……彼らを待ちましょうか。』
「えぇ、そうね。」
「あぁ、そうだね。」
『フフッ。』
* * * *
其れから、約10分後………。
彼らが漸く…到着し、お互いに驚きはしたものの……二家族同時の〈お宮参り〉は無事、滞りなく終了した。
その後、工藤夫妻と黒羽夫妻……そして、雪菜はお互いの自己紹介及び連絡先を交換し合い、工藤夫妻と黒羽夫妻に櫻宮神社についての詳しい説明をしたのだった。
その際、工藤夫妻へも提案した……子守りの件を黒羽夫妻に提案し、了承を得た雪菜だった。
* * * *
雪菜が、宮野姉妹と暮らすようになり……早、2~3年経ち──。
宮野姉妹は…明美:11~2歳、志保:2~3歳頃……。
二人共、“組織”の監視下に有りながらも雪菜と一緒に過ごして居た……。
しかし、妹の志保がIQテストの結果により……コードネーム持ちとなり、姉妹それぞれの教育プログラムが組まれた為……、
姉:明美が、普通の学校への通学による教育 妹:志保が、“組織”独自の教育プログラム……となり、朝晩は一緒に過ごせるものの……日中は、離れ離れの状態なのだった──。
だが、宮野姉妹の生活環境については全て……雪菜に一任されては居るが、監視体制については組織による決定が主なのだった……。
一方──、
工藤夫妻の息子君は…新一:1~2歳頃……。
予てより、約束して居た〈お宮参り〉が“櫻宮神社”にて、ようやく行われる事となった。
約束……と言えば、もう1つの“約束”である〝宮野夫妻との面会や如月家への案内〟……と言う約束は、まだ……果たされては居ない……。
今回行われる〈お宮参り〉に於いて、主役がもう1人……。
その、もう1人とは──?
ー櫻宮神社・境内ー
『うん、掃き掃除は此れ位にして……。
後は…………。(ウ~ン…)』
〈〈スッ〉〉
『ん……? どうしたの? 結斗、優月。』
「主、もう直ぐ此方に工藤夫妻が、新一君を連れて着くようですけど……。」
『えっ、ホント?』
「あぁ。 今頃、駐車場で車を停めてる所だろうな。」
『えぇっ?! あっ! もう、時間がそんなに無いじゃない!! 大変!! 急がないと………!』
ダッ…!
「あっ! 主?!」
「あーあ、もう行っちまいやがった。(呆)」
「そう言えば、まだ……だったんですね?
工藤夫妻の息子君の〈お宮参り〉………。」
「あぁ……。 両親の仕事の関係で、中々時間が取れず……その上、雪菜とも連絡は取り合えては居たものの……会う時間が限られてたりと、調整がやり難かったらしい。」
「主も、それは……寝不足になりますよね……。(苦笑) あれっ? 確か……今日は〈お宮参り〉が、“2件”の予定の筈……………では、有りませんでしたっけ?」
「あぁ~……。 ………工藤家の坊主のトコと、確か……もう1件だったな。 ハァ……、雪菜の奴に知らせて来るわ。」
「お願いします。 私は、もう少し境内の様子を見てますから……。」
「分かった。」
〈スッ〉
* * * *
〈スッ〉
「おい、雪菜!」
『わっ?!(ビクッ……! クルッ)』
『はぁ~、びっくりした……。 あれ、結斗? 何か用事?』
「あぁ、つい先程気付いた事だが……〈お宮参り〉の件がどうやら、“2件”重なってる見たいだぞ?」
『え? 待って。 今、確認するから……。』
スケジュ―ル帳をパラパラ……。
『あちゃー……、本当だ………。
結斗、気付かせてくれて有り難う……。
助かったよ。(ホッ…)』
「優月にも、お礼を言っとけよ? 気付いたの………アイツだし。」
『うん、分かった。』
「で? どうするんだ? 何か、考えでも有るのか?」
『う~ん、うん。 有希子さん達に、事情を説明した上で……一緒にさせて貰えないかなぁ~?………とは、ちょっと思ってる。(テヘッ)』
「ハァ、あんま無理はするなよ?」
『フフッ、大丈夫。 有り難うね?』
「まぁ……俺達は、お前の“式”であると同時に……お前の“使役”なんだから、主として居てくれるだけで良い……。
俺も優月もお前の事を(昔から)唯一無二の“主”と認めてるんだから。(フイッ…)(照)」
『フフッ、分かっているからこそ……だよ。』
「ふん、もう行く。」
〈スッ〉
『フフッ。(少しだけ、結斗の照れが見れた事は嬉しいけど……素直じゃないんだから。
まぁ、そう言う部分も含めて私の“式”…………だものね?)
さて…と、“2件”重なってしまった〈お宮参り〉の準備を進めましょ……っと!』
* * * *
そして……。
『こんにちは。 櫻宮神社へよう、参れました。(ペコリ)』
「やぁ、雪君。」
「こんにちは! 雪ちゃん、今日は宜しくお願いします。(ペコッ)」
『優作さん、有希子さん。 ちょっと、御相談があるんですけど……。(苦笑)』
「何だい?」
「え、なぁに?」
『実は……此方のミスで〈お宮参り〉が、有希子さん達ともう1件重なってしまったんですが、 一緒でも………構いませんか?』
「あら、もう1件?」
「フム……。 重なってしまったのなら、仕方ないが……名字とか、どんな家の方何だい?」
『ちょっと、待って下さいね……。』
スケジュ―ル帳を捲りつつ……、説明をした。
『えっ……と、有希子さん達の他に……名字は“くろば”さんと言う方で、確か………“マジシャン”だと、言ってましたね……。』
「えっ? それ、本当?」
『え~っと、有希子さん……?
知り合いの方……とかですか?』
「え、えぇ……。 まだ、女優として駆け出しの頃──。
ある映画の撮影で、“スパイ”役のオファーが回って来てね? その時、当時有名だった……ある“マジシャン”に弟子入りしたの。 その際、一緒に弟子入りしたもう1人の人と……親友になったんだけどね?
その“マジシャン”の方の名字がさっき、雪ちゃんが言った“黒羽”なの……。
だから、〝もしかして……〟って思っただけだったの……。(苦笑)」
『へぇ、そうだったんですか……。』
「成る程、名字が“くろば”と聞いて……驚いたのか。」
「えぇ……。ご免なさい、優作さん。
黙ってて……。」
「構わないさ。 さて、有希子を通じて知り合えそうな“くろば”さんと一緒に〈お宮参り〉を行うのも……又、楽しそうだな?」
『じゃあ、一緒でも構わない……と?』
「あぁ。 此方こそ、一緒にお願いするよ。」
『分かりました。 なら……少し、待って居て下さい。
その“くろば”さんと言う方へも、決まった事を電話で連絡して来ますので……。』
「あぁ、私達は境内を散歩しながら……でも待って居るよ。」
『なら……散歩が終了次第、社務所で落ち合うと、言うのはどうですか?』
「あぁ、その方が探す手間も省けて良いかも知れないね…。 なら、そうしようか。」
『(コクリ)分かりました。』
「雪ちゃん、宜しくね?」
『フフッ、有希子さん……分かってますよ。
では……、後程。(ペコッ)』
タッ……!
ー数分後……ー
タタッ……。
『優作さん、有希子さん……お待たせしました。 彼方へ連絡が付きまして……後、10分程で此方に着けるそうです。』
「「(ホッ/フッ)」」
「そう、……分かったわ。」
「フム、有希子の伝手でだが……知り合えるのだから、楽しみだな。」
『私も、この〈お宮参り〉が楽しみになりましたよ?
私のミスでは有りましたが……講して、貴方方の友人として関われるんですから。』
「確かに、このような機会が無い限り……お互いに知らないままだったかも知れないものね。」
『フフ、そうですよ。 人々との繋がり……縁と、言うのは貴方方にも私にとっても……深く関わって来るモノですから、大切になさった方が良いんですよ?』
「フフッ。 有り難う、雪ちゃん。」
『良いんですよ、お礼なんて……。
私は、陰陽師だけで無く……巫女としても……人の縁については、人一倍……気を配って居るんです。 何故だか……分かりますか?』
「うーん。…………ううん、分からないわ。」
『優作さんは、どうですか?』
「うーむ。…………私も有希子同様、お手上げだよ……。 何故だい?」
雪菜は、真剣な表情で……説明をした。
『御二人は…………〝人を呪わば 穴二つ〟と、言う言葉を聞いた事は有りますか?』
その言葉を聞いた二人は顔を見合せ、顔を横に降った。
「ううん、聞いた事無いわ。」
「私も、話に聞いた事位なら有るが……詳しくは知らないな。」
『確かに、普通に生活して居る程度では……聞く機会はあまり無い言葉です。
ですが、陰陽師兼巫女としての私からすれば……人との縁に関わる言葉でも有ります。』
「「………?」」
『分からないのも無理有りませんよ。
人の縁と、言うのは一言で言えば……〝絆〟と言われる事も有りますからね……。(苦笑)』
「〝絆〟……かい?」
『えぇ……。 人と人の繋がりを現すならば……〝絆〟と、言う言葉が良く使われる事が多いですし……〝絆〟によって、恨みや妬み……負の感情も生まれ易いですから。
先程の〝人を呪わば 穴二つ〟と、言う言葉もそんな……人との繋がりを現す言葉の1つ。
そして、言葉の意味は〝相手を地獄へ堕とすのならば、自分自身も地獄へ堕ちる事を心(覚悟)せよ〟……。
要は、相手も自分自身も結局……地獄へ堕ちるのなら、堕ちる覚悟が必要って事ですよ。』
「へぇー……。」
「成る程、巫女兼陰陽師としての君からすれば……人と言うのは、相手を想う感情によって“善”にも“悪”にも成り得る存在……だからこそ、厄介な相手だと……そう言う事かい?」
『優作さんには、簡単過ぎでしたかね……?』
「いや? 良い例えなんじゃ無いかな。」
「…………? 優作さん、どう言う事なの?」
「雪君は、私達に人との付き合い方について……言葉の例えで、注意喚起をしたかったんだよ。
人との付き合いには、その人物と会って話す事の他に……周囲との折り合いも有る。
だから、巫女兼陰陽師として多くの人を見て来たからこそ……“あの”言葉を言った。
雪君、何処か違っている所は?」
『(首を横に振りつつ…)いえ、違っている所なんて有りませんよ。 お見事ですね。 フフッ……。』
「へぇ……。 言葉にも色々有るのねぇ。」
『昔の人は、言葉に宿る力を知ってましたからね……。 所謂、〝言霊〟です。 他にも……色に宿る力を〝色霊〟と、言うように様々な“モノ”が有りますからね。』
「確かに、小説家も言葉を使うから……文面には気を付けてるからなぁ。」
「そうねぇ……。 私も女優として、言葉遣いには……気を付けてたもの。」
『フフッ、言葉や行動1つで……運命が変わる事も多いですから。』
「そうね、何気無い事が切っ掛けで……ガラリと変わってしまう事も有るものね……。」
「私達は、常に心掛けて居ないと……だな。」
「そうね、誰かの切っ掛けになる事を肝に銘じないと……ね。
それに、新ちゃんにも…ちゃんと伝えて行かなきゃいけないわね。」
「あぁ、そうだね。」
手をパンッと叩き……
『さて、辛気臭くなって仕舞いましたが……話は此れ位にして、気持ちを切り換えましょうか!
大切な〈お宮参り〉ですし。
そろそろ、本殿へ向かいつつ……彼らを待ちましょうか。』
「えぇ、そうね。」
「あぁ、そうだね。」
『フフッ。』
* * * *
其れから、約10分後………。
彼らが漸く…到着し、お互いに驚きはしたものの……二家族同時の〈お宮参り〉は無事、滞りなく終了した。
その後、工藤夫妻と黒羽夫妻……そして、雪菜はお互いの自己紹介及び連絡先を交換し合い、工藤夫妻と黒羽夫妻に櫻宮神社についての詳しい説明をしたのだった。
その際、工藤夫妻へも提案した……子守りの件を黒羽夫妻に提案し、了承を得た雪菜だった。
* * * *