〈第2章〉黒色の中でも、希望の光を…
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~街中から米花町二丁目・路地へ移動~
テクテク……。
「えっ? じゃあ……雪ちゃん、今はその家に住んで居ないの?」
『はい。 私自身は、別の住所に住んで居るんですが……家の方は、他の方にシェアハウスと言う形で……貸しているんです。』
「へぇ~。 家をシェアハウスとして、貸し出し? 素敵ね!!」
話に聞くだけで、目がキラキラ
『そうですね…。 ですが、〝今現在〟住んで居る方については………今は、紹介出来ませんが。 其れに……シェアハウスと言っても、家の維持費や光熱費、水道代…等は勿論、全て私持ちですし……。 仕事の斡旋や当面の生活費も、仕事が落ち着く迄の間は……援助しているんですよ?(苦笑)』
「〝今現在〟……? もう、その家に住んで居る人が居るの……? 其れに、お金の面倒迄……? 大変なんじゃない?」
『フフッ。 既に、住まわれて居ますし……金銭面での援助は、私が持ち掛けた事なので………了承は頂いてます。 家に住んで居るのは一組だけ……其れも、2~30代位の年齢の御夫婦の方です。(他に、住んで居る人達も居るのだけどね……?)』
「へぇ。 じゃあ……もしかしたら、買い物とかでばったり………なんて事も、有りそうね? フフッ……。」
『確かに、その可能性は無きに否ず……で、しょうね。
会ったのなら、その時は……有希子さん達にも紹介します。 私に電話なりメールなり…御連絡頂ければ、私の勤める“櫻宮神社”にて……改めて、紹介の場を設けさせて頂きます。』
「フフッ、その場が設けられるのを楽しみにしてるわ。
其れより、その御夫婦の名字は? なんて名前なの?」
『住んで居る方の名字……ですか?』
「えぇ、聞いて置かないと……会った時に挨拶が出来ないもの!」
『まぁ、名字位なら………大丈夫そうですね。 名前に関しては、アウト……ですが。(苦笑)』
「其れで、なんて名字なの?(ワクワク)」
『フフッ、その御夫婦の方の名字は……”灰原“さんです、灰原御夫妻。』
「“はいばら”……。 どんな漢字で書くのかしら?」
『ん~っ、そう……ですね………。
えっと、「灰色」の“灰”に…「野原」の“原”……ですね。 其れで……“灰原”と、言います。』
「へぇ、そうなの。 教えてくれて……有り難うね、雪ちゃん!」
『フフッ、その位は……大丈夫ですから。 まぁ、後で……御夫妻には話を通して置かないといけませんが。(苦笑)』
「フフッ。 でも、知っているのと知らないのとじゃ……大違いよ! 本当に……会った時が、とても楽しみだわぁ。」
『私も……貴女方と御夫妻が、会える機会を楽しみにしてますよ。』
「フフッ、そうね。」
ー話ながら歩いていたが、そうこうする内に……工藤邸に到着したのだった。ー
「此処が、私達の家……“工藤邸”よ。」
『やはり、私の家も此処から見えますね……。(隣をチラリ)』
「あらまぁ、本当だわ。 私達の家は〝洋館〟だけど……雪ちゃんの家は〝日本家屋〟なのね……?」
同様に、隣に目を向けつつ……
『フフッ。 でも、家の中は……古い家に多く見られる〝三間〟や〝居間〟等の和室は勿論、有りますが……〝洋室〟もちゃんと有りますよ?』
「へぇ~! 今度、雪ちゃんの家の中を見て見たいわね。」
『まぁ……機会が有れば、御案内します。』
「フフッ、楽しみにしてるわ。 さっ、中に入りましょ?」
『そうですね、お邪魔します。』
「どうぞ~。」
ガチャ、ギィ……バタン。
『はぁ~。 やはり、私の家も大きいですけど……有希子さんの家も大きいですね。』
家を見上げつつ……感嘆
「さっ、入って入って。 ただいま~!」
ガチャッ、バタン。
パタパタ…
「お帰り」
「ただいま、優作さん。」
「散歩に行っただけだったのに、遅かったな?」
「うん、街でちょっと……ね?
其れに、街で会った人が居て……家に招待しちゃった!(ニコニコ)」
「そうか。 其れで……其方の方は?
(横目めでチラリ)」
「あぁ! ご免なさい。 その会った人がね………此方の雪ちゃん!」
手を向けつつ……紹介する
『ど、どうも……こんにちは。(ペコリ)』
「こんにちは。 私は、優作。 工藤 優作だ。 君は……?」
『すみません、申し遅れました……如月 雪と、申します。
有希子さんと街で会いまして……その時に「是非、家に……」と、お誘いを受けまして……。
(苦笑)』
「で、私が話を持ち掛けて、招待しちゃったの!」
「そうだったのか。 君も済まなかったね、有希子が……。 無理矢理では、無かったかい?」
『いえ、招待して下さって……とても嬉しかったですよ?
其れに……私の家が、工藤さんの家の〝隣〟と知った時は……ビックリしましたが。』
「ん? 家が〝隣〟って……〝日本家屋〟の家が……そうかな?」
『はい、そうです。 正に“その”家がそうです。』
「へぇ~、そうか。 私達が、此処に家を建てた時から……既に建っていたから〝誰の家だろう?〟って、考えていたんだが……“謎”が解けて嬉しいよ。」
『フフッ、其れは良かったです。』
「んもう! 優作さんばっかり……雪ちゃんと話して、ズルい!! 家に上がって貰ってからでも、話は出来るでしょ?!」
プイッ……と、顔を背ける
「ハハッ、確かにそうだな。 折角、来てくれたんだから……上がって行きなさい。」
「そうよ、上がって上がって!」
『フフッ、そうします。 お邪魔します。』
「「どうぞ」」
ー工藤邸内・リビングー
『失礼します。』
「どうぞ~。 あ、雪ちゃん!」
『はい?』
「ねぇ……雪ちゃんって、いつもコーヒーと紅茶……どっち飲んでるの?」
『コーヒーか紅茶……ですか?』
「そうそう!」
『ん~っ、そう……ですね…………。
基本的に家では、紅茶を飲む事が多いんですけど……コーヒーの方が外で飲む事が多いので……コーヒーでお願いします。』
顎に人差し指をやりつつ、上目遣いに……考慮し、苦笑
「コーヒーね! じゃあ……砂糖とかは?」
『あ、砂糖無しのブラックでお願いします。 ミルクを付けて頂ければ、此方で調整しますので。』
「分かったわ。」
パタパタ……。←キッチンへ向かう
~リビングのソファーに掛けつつ……~
「それで、話は変わるが……君は、読書はするのかな?」
『はい。 読書は私も好きなので……結構、本を読みますよ?
ジャンルで言えば、オールマイティーで……家の書斎や地下室の一室が本棚で本がぎっしりですけどね…。(苦笑)』
「へぇ~、其れは見て見たいな。
私の書斎も見て見るかい?」
『えっ、良いんですか?』
「あぁ、構わないよ。 今度、雪君の書斎を見せて頂く事が可能なら……幾らでも。」
『其れが条件……ですか。』
「まぁ、そうなるかな?」
『………フゥ………。
有希子さんにも“何れ、家の中の案内をする”と、約束してますし………。 その際に一緒に……で有れば、構いませんよ?』
「そうか、其れなら……楽しみが増えてちょうど良いな。」
『フフッ、“楽しみ”……ですか。』
「あぁ、家の中を想像するだけでも楽しみになるからね。」
『なら……住んで居る方に、“案内をしても大丈夫かどうか……”の〝許可〟をお願いしないと……ですね。』
「そうだね。 許可が出次第、案内を頼もうか。」
『フフッ、分かりました。』
パタパタ……。
「あーっ!!
また、優作さんと雪ちゃんが一緒に話をしてる!」
「『有希子(さん)………。』」
「んもう! 私だけ除け者なのぉ?」
「済まない、有希子。」
『ご免なさい、有希子さん……。
優作さんと読書の話をして居たんですけど、書斎の話から有希子さんに“家の中を案内する”って、話が出てしまって……案内のついでに一緒にどうですか……?って、話に進んだんですよ。(苦笑)』
「あら、そうだったの。」
カチャ、カチャカチャ。 スッ……。
コーヒーや紅茶を其々に、配り……有希子も話に参加
『すいません、頂きます。』
「どうぞ~。」
~和やかなティータイム~
カチャッ…。
『フゥ………。 あ、そう言えば……有希子さん。』
「ん? 何?」
『此方に来る時に、話にあった通り……妊娠されてますよね?』
「えぇ……。 今、ちょうど3ヶ月位よ?」
『(コクリ)その事で、御二人に提案が有るんですが……。』
(二人、顔を見合せ……また、前を向く)
「何かな?」
『はい……。 有希子さんの出産数ヵ月後、赤ちゃんの〈お宮参り〉が有りますよね?』
「え、えぇ……。」
『その〈お宮参り〉を……私が〝巫女兼陰陽師〟として勤めて居る“櫻宮神社”で行いませんか?』
「えっ、良いの……?
雪ちゃんにそんな事頼んで………?」
やや困惑気味に、二人して顔を見合せ…また、前を向く
『私としては、構いませんよ?
講して、縁が出来た訳ですし。
其れに……貴方方が仕事等で忙しい場合、神社でですけど……預かる事も出来ますよ? フフッ……。』
「じゃあ……頼んでも良いのかい?」
『えぇ、勿論!』
「なら、私もその神社で待たせて貰ったりしても……良いの?」
『はい。 神社が建つ場所は、警視庁が有る霞ヶ関付近ですから。』
「確かに、警視庁の近くなら……何かあった時に助かるな。(ウンウン)」
「えぇ、そうね。」
『なら……〈お宮参り〉の件と〈赤ちゃんのお守り〉の件は、決まりって事で……良いですか?』
「あぁ、宜しく頼むよ。」
「私からもお願いするわ。(ペコリ)」
『フフッ、分かりました。
それと、有希子さんには話をして有りますが……私の家に住んで居る方への紹介は、御二人が彼らに会ってから……で良いですか?』
「えぇ、それで構わないわ。 優作さんはどう?」
「私も、有希子と同じで構わないよ。 有希子から…彼らの名字は、聞いて置くしね。」
『(コクリ)分かりました。 では、そのように彼らにも伝えて置きます。
後、御二人に私の携帯の電番とメアドを教えて置きますね。』
「そうね! そうすれば、連絡が取り合えるし……何かあった時の為になるわね!」
「じゃあ、連絡先の交換をして置こうか。」
ー講して、連絡先の交換をした工藤夫妻と雪菜だった。ー
「雪君、折角だ。
私の書斎を見て行くと良い。 案内するから、着いて来てくれ。」
『分かりました。』
~工藤邸・書斎~
ガチャリ。
「此処が、私の書斎だよ。」
『わぁ……。 図書館顔負けの蔵書数ですね……。』
部屋内を見渡しながら、感嘆
「ハハッ。 いやぁ、思いの外本が増えてしまってね……。(苦笑)」
『其れでも、この光景は圧倒されますよ……。』
「そうやって、喜んで貰えると……此方としても嬉しいよ。 君に、この書斎を見せた甲斐があったと言うものさ。」
『講して見ると……やはり、推理小説が多いんですね。』
「私も小説家だしね。 小説を書く際の参考資料として、置いて有るんだ。」
『へぇ~、努力を惜しまない姿勢……ですか。 此れでも、 私も巫女兼陰陽師として……自分自身の力に溺れる事無く、努力を惜しまず……日々、鍛練を行って居るんですよ?(ニコッ)』
「フフッ、そう言えば……神社で巫女と陰陽師をして居る……と、言っていたね? 今度、私達の事を占って貰えるかい?」
『勿論、誠心誠意占わせて頂きます。巫女関係と陰陽師関係の仕事……何方かと云えば、比率的には巫女関係の仕事が多いんですが、“櫻宮神社”へ参られた際は……是非!!』
「私も楽しみに待っているよ。」
* * * *
ー工藤邸・玄関(外)ー
『今日は、お招き頂き…有り難う御座いました。(ペコリ)』
「此方としても、有意義な時間を過ごせたから……私達も楽しかったよ。」
「そうよ、雪ちゃん!
また、遊びに来て? 待ってるから!!」
『はい、私も楽しかったです。
有希子さん、また遊びに来ますね。
では、失礼しました。(ペコリ)』
ガチャ、ギィ……バタン。
* * * *
ー工藤邸の隣、雪菜所有の“如月”の家ー
カラカラ、ピシャン。
『ただいま、帰りました。』
「お帰り、雪姉ちゃん!」
『フフッ。 お出迎え有り難う、明美ちゃん。』
「えへへ、良いの!
あっ、そうだ! 早く早く! お母さん達が、ご飯作って待ってるから……早く中に行こう?」
腕をグイグイ引っ張る
『分かった、分かった。
早く行って一緒にご飯食べようね。』
「うん!」
満面の笑顔
~リビングにて~
『ただいま、戻りました。 厚司さん、エレーナさん。』
「お帰りなさい、雪さん。」
「晩ご飯……出来てますから、一緒にどうぞ。」
『えぇ、明美ちゃんからもお願いされましたから……頂きます。』
~和やかに夕食タイム~
『「「「頂きました。」」」』
『厚司さん、エレーナさん。 少し、話をしても……構いませんか?』
「え、えぇ……。 私達は、構いませんが…………なぁ?」
「えぇ。(コクリ)」
『(ホッ…)では……後程、話をさせて頂きますね。』
「分かりました。」
「(コクリ)」
* * * *
テクテク……。
「えっ? じゃあ……雪ちゃん、今はその家に住んで居ないの?」
『はい。 私自身は、別の住所に住んで居るんですが……家の方は、他の方にシェアハウスと言う形で……貸しているんです。』
「へぇ~。 家をシェアハウスとして、貸し出し? 素敵ね!!」
話に聞くだけで、目がキラキラ
『そうですね…。 ですが、〝今現在〟住んで居る方については………今は、紹介出来ませんが。 其れに……シェアハウスと言っても、家の維持費や光熱費、水道代…等は勿論、全て私持ちですし……。 仕事の斡旋や当面の生活費も、仕事が落ち着く迄の間は……援助しているんですよ?(苦笑)』
「〝今現在〟……? もう、その家に住んで居る人が居るの……? 其れに、お金の面倒迄……? 大変なんじゃない?」
『フフッ。 既に、住まわれて居ますし……金銭面での援助は、私が持ち掛けた事なので………了承は頂いてます。 家に住んで居るのは一組だけ……其れも、2~30代位の年齢の御夫婦の方です。(他に、住んで居る人達も居るのだけどね……?)』
「へぇ。 じゃあ……もしかしたら、買い物とかでばったり………なんて事も、有りそうね? フフッ……。」
『確かに、その可能性は無きに否ず……で、しょうね。
会ったのなら、その時は……有希子さん達にも紹介します。 私に電話なりメールなり…御連絡頂ければ、私の勤める“櫻宮神社”にて……改めて、紹介の場を設けさせて頂きます。』
「フフッ、その場が設けられるのを楽しみにしてるわ。
其れより、その御夫婦の名字は? なんて名前なの?」
『住んで居る方の名字……ですか?』
「えぇ、聞いて置かないと……会った時に挨拶が出来ないもの!」
『まぁ、名字位なら………大丈夫そうですね。 名前に関しては、アウト……ですが。(苦笑)』
「其れで、なんて名字なの?(ワクワク)」
『フフッ、その御夫婦の方の名字は……”灰原“さんです、灰原御夫妻。』
「“はいばら”……。 どんな漢字で書くのかしら?」
『ん~っ、そう……ですね………。
えっと、「灰色」の“灰”に…「野原」の“原”……ですね。 其れで……“灰原”と、言います。』
「へぇ、そうなの。 教えてくれて……有り難うね、雪ちゃん!」
『フフッ、その位は……大丈夫ですから。 まぁ、後で……御夫妻には話を通して置かないといけませんが。(苦笑)』
「フフッ。 でも、知っているのと知らないのとじゃ……大違いよ! 本当に……会った時が、とても楽しみだわぁ。」
『私も……貴女方と御夫妻が、会える機会を楽しみにしてますよ。』
「フフッ、そうね。」
ー話ながら歩いていたが、そうこうする内に……工藤邸に到着したのだった。ー
「此処が、私達の家……“工藤邸”よ。」
『やはり、私の家も此処から見えますね……。(隣をチラリ)』
「あらまぁ、本当だわ。 私達の家は〝洋館〟だけど……雪ちゃんの家は〝日本家屋〟なのね……?」
同様に、隣に目を向けつつ……
『フフッ。 でも、家の中は……古い家に多く見られる〝三間〟や〝居間〟等の和室は勿論、有りますが……〝洋室〟もちゃんと有りますよ?』
「へぇ~! 今度、雪ちゃんの家の中を見て見たいわね。」
『まぁ……機会が有れば、御案内します。』
「フフッ、楽しみにしてるわ。 さっ、中に入りましょ?」
『そうですね、お邪魔します。』
「どうぞ~。」
ガチャ、ギィ……バタン。
『はぁ~。 やはり、私の家も大きいですけど……有希子さんの家も大きいですね。』
家を見上げつつ……感嘆
「さっ、入って入って。 ただいま~!」
ガチャッ、バタン。
パタパタ…
「お帰り」
「ただいま、優作さん。」
「散歩に行っただけだったのに、遅かったな?」
「うん、街でちょっと……ね?
其れに、街で会った人が居て……家に招待しちゃった!(ニコニコ)」
「そうか。 其れで……其方の方は?
(横目めでチラリ)」
「あぁ! ご免なさい。 その会った人がね………此方の雪ちゃん!」
手を向けつつ……紹介する
『ど、どうも……こんにちは。(ペコリ)』
「こんにちは。 私は、優作。 工藤 優作だ。 君は……?」
『すみません、申し遅れました……如月 雪と、申します。
有希子さんと街で会いまして……その時に「是非、家に……」と、お誘いを受けまして……。
(苦笑)』
「で、私が話を持ち掛けて、招待しちゃったの!」
「そうだったのか。 君も済まなかったね、有希子が……。 無理矢理では、無かったかい?」
『いえ、招待して下さって……とても嬉しかったですよ?
其れに……私の家が、工藤さんの家の〝隣〟と知った時は……ビックリしましたが。』
「ん? 家が〝隣〟って……〝日本家屋〟の家が……そうかな?」
『はい、そうです。 正に“その”家がそうです。』
「へぇ~、そうか。 私達が、此処に家を建てた時から……既に建っていたから〝誰の家だろう?〟って、考えていたんだが……“謎”が解けて嬉しいよ。」
『フフッ、其れは良かったです。』
「んもう! 優作さんばっかり……雪ちゃんと話して、ズルい!! 家に上がって貰ってからでも、話は出来るでしょ?!」
プイッ……と、顔を背ける
「ハハッ、確かにそうだな。 折角、来てくれたんだから……上がって行きなさい。」
「そうよ、上がって上がって!」
『フフッ、そうします。 お邪魔します。』
「「どうぞ」」
ー工藤邸内・リビングー
『失礼します。』
「どうぞ~。 あ、雪ちゃん!」
『はい?』
「ねぇ……雪ちゃんって、いつもコーヒーと紅茶……どっち飲んでるの?」
『コーヒーか紅茶……ですか?』
「そうそう!」
『ん~っ、そう……ですね…………。
基本的に家では、紅茶を飲む事が多いんですけど……コーヒーの方が外で飲む事が多いので……コーヒーでお願いします。』
顎に人差し指をやりつつ、上目遣いに……考慮し、苦笑
「コーヒーね! じゃあ……砂糖とかは?」
『あ、砂糖無しのブラックでお願いします。 ミルクを付けて頂ければ、此方で調整しますので。』
「分かったわ。」
パタパタ……。←キッチンへ向かう
~リビングのソファーに掛けつつ……~
「それで、話は変わるが……君は、読書はするのかな?」
『はい。 読書は私も好きなので……結構、本を読みますよ?
ジャンルで言えば、オールマイティーで……家の書斎や地下室の一室が本棚で本がぎっしりですけどね…。(苦笑)』
「へぇ~、其れは見て見たいな。
私の書斎も見て見るかい?」
『えっ、良いんですか?』
「あぁ、構わないよ。 今度、雪君の書斎を見せて頂く事が可能なら……幾らでも。」
『其れが条件……ですか。』
「まぁ、そうなるかな?」
『………フゥ………。
有希子さんにも“何れ、家の中の案内をする”と、約束してますし………。 その際に一緒に……で有れば、構いませんよ?』
「そうか、其れなら……楽しみが増えてちょうど良いな。」
『フフッ、“楽しみ”……ですか。』
「あぁ、家の中を想像するだけでも楽しみになるからね。」
『なら……住んで居る方に、“案内をしても大丈夫かどうか……”の〝許可〟をお願いしないと……ですね。』
「そうだね。 許可が出次第、案内を頼もうか。」
『フフッ、分かりました。』
パタパタ……。
「あーっ!!
また、優作さんと雪ちゃんが一緒に話をしてる!」
「『有希子(さん)………。』」
「んもう! 私だけ除け者なのぉ?」
「済まない、有希子。」
『ご免なさい、有希子さん……。
優作さんと読書の話をして居たんですけど、書斎の話から有希子さんに“家の中を案内する”って、話が出てしまって……案内のついでに一緒にどうですか……?って、話に進んだんですよ。(苦笑)』
「あら、そうだったの。」
カチャ、カチャカチャ。 スッ……。
コーヒーや紅茶を其々に、配り……有希子も話に参加
『すいません、頂きます。』
「どうぞ~。」
~和やかなティータイム~
カチャッ…。
『フゥ………。 あ、そう言えば……有希子さん。』
「ん? 何?」
『此方に来る時に、話にあった通り……妊娠されてますよね?』
「えぇ……。 今、ちょうど3ヶ月位よ?」
『(コクリ)その事で、御二人に提案が有るんですが……。』
(二人、顔を見合せ……また、前を向く)
「何かな?」
『はい……。 有希子さんの出産数ヵ月後、赤ちゃんの〈お宮参り〉が有りますよね?』
「え、えぇ……。」
『その〈お宮参り〉を……私が〝巫女兼陰陽師〟として勤めて居る“櫻宮神社”で行いませんか?』
「えっ、良いの……?
雪ちゃんにそんな事頼んで………?」
やや困惑気味に、二人して顔を見合せ…また、前を向く
『私としては、構いませんよ?
講して、縁が出来た訳ですし。
其れに……貴方方が仕事等で忙しい場合、神社でですけど……預かる事も出来ますよ? フフッ……。』
「じゃあ……頼んでも良いのかい?」
『えぇ、勿論!』
「なら、私もその神社で待たせて貰ったりしても……良いの?」
『はい。 神社が建つ場所は、警視庁が有る霞ヶ関付近ですから。』
「確かに、警視庁の近くなら……何かあった時に助かるな。(ウンウン)」
「えぇ、そうね。」
『なら……〈お宮参り〉の件と〈赤ちゃんのお守り〉の件は、決まりって事で……良いですか?』
「あぁ、宜しく頼むよ。」
「私からもお願いするわ。(ペコリ)」
『フフッ、分かりました。
それと、有希子さんには話をして有りますが……私の家に住んで居る方への紹介は、御二人が彼らに会ってから……で良いですか?』
「えぇ、それで構わないわ。 優作さんはどう?」
「私も、有希子と同じで構わないよ。 有希子から…彼らの名字は、聞いて置くしね。」
『(コクリ)分かりました。 では、そのように彼らにも伝えて置きます。
後、御二人に私の携帯の電番とメアドを教えて置きますね。』
「そうね! そうすれば、連絡が取り合えるし……何かあった時の為になるわね!」
「じゃあ、連絡先の交換をして置こうか。」
ー講して、連絡先の交換をした工藤夫妻と雪菜だった。ー
「雪君、折角だ。
私の書斎を見て行くと良い。 案内するから、着いて来てくれ。」
『分かりました。』
~工藤邸・書斎~
ガチャリ。
「此処が、私の書斎だよ。」
『わぁ……。 図書館顔負けの蔵書数ですね……。』
部屋内を見渡しながら、感嘆
「ハハッ。 いやぁ、思いの外本が増えてしまってね……。(苦笑)」
『其れでも、この光景は圧倒されますよ……。』
「そうやって、喜んで貰えると……此方としても嬉しいよ。 君に、この書斎を見せた甲斐があったと言うものさ。」
『講して見ると……やはり、推理小説が多いんですね。』
「私も小説家だしね。 小説を書く際の参考資料として、置いて有るんだ。」
『へぇ~、努力を惜しまない姿勢……ですか。 此れでも、 私も巫女兼陰陽師として……自分自身の力に溺れる事無く、努力を惜しまず……日々、鍛練を行って居るんですよ?(ニコッ)』
「フフッ、そう言えば……神社で巫女と陰陽師をして居る……と、言っていたね? 今度、私達の事を占って貰えるかい?」
『勿論、誠心誠意占わせて頂きます。巫女関係と陰陽師関係の仕事……何方かと云えば、比率的には巫女関係の仕事が多いんですが、“櫻宮神社”へ参られた際は……是非!!』
「私も楽しみに待っているよ。」
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ー工藤邸・玄関(外)ー
『今日は、お招き頂き…有り難う御座いました。(ペコリ)』
「此方としても、有意義な時間を過ごせたから……私達も楽しかったよ。」
「そうよ、雪ちゃん!
また、遊びに来て? 待ってるから!!」
『はい、私も楽しかったです。
有希子さん、また遊びに来ますね。
では、失礼しました。(ペコリ)』
ガチャ、ギィ……バタン。
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ー工藤邸の隣、雪菜所有の“如月”の家ー
カラカラ、ピシャン。
『ただいま、帰りました。』
「お帰り、雪姉ちゃん!」
『フフッ。 お出迎え有り難う、明美ちゃん。』
「えへへ、良いの!
あっ、そうだ! 早く早く! お母さん達が、ご飯作って待ってるから……早く中に行こう?」
腕をグイグイ引っ張る
『分かった、分かった。
早く行って一緒にご飯食べようね。』
「うん!」
満面の笑顔
~リビングにて~
『ただいま、戻りました。 厚司さん、エレーナさん。』
「お帰りなさい、雪さん。」
「晩ご飯……出来てますから、一緒にどうぞ。」
『えぇ、明美ちゃんからもお願いされましたから……頂きます。』
~和やかに夕食タイム~
『「「「頂きました。」」」』
『厚司さん、エレーナさん。 少し、話をしても……構いませんか?』
「え、えぇ……。 私達は、構いませんが…………なぁ?」
「えぇ。(コクリ)」
『(ホッ…)では……後程、話をさせて頂きますね。』
「分かりました。」
「(コクリ)」
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