〈第2章〉黒色の中でも、希望の光を…
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ー高層マンション・リビングー
『明美ちゃん、来週の土日に少しだけ……………一緒にお出掛けしない?』
カレンダ-を指差しながら…
「雪姉ちゃんと…?」
『私〝と〟と、言うよりも…志保ちゃんも一緒にだけど………どうかな?』
「うん、良いよ! 何処にお出掛けするの?!(ワクワク)」
『フフッ。 何処に行くかは……今は、秘密。(ニコッ)』
「(パァ…) わぁ~、お出かけが楽しみ!」
『フフッ、どうしても……明美ちゃん達に会わせたい人達が居るの。
このお出掛けで…その人達に会えるかも知れないから、楽しみにしてて?』
「うん、分かった!」
* * * *
ー高層マンション一室内・雪′s部屋ー
『“拝啓、宮野夫妻様。
貴方方の姉妹は、すくすくと元気に育って居ります。 貴方方も彼女達に会いたいと思い…此度、宮野夫妻との面会を兼ねた御泊まり会を計画致しました。 付きましては、来週の土日に…私達3人で、其方へ赴く事と致しましたので、御了承下さいますよう御願い致します。 かしこ
水蓮より”
………良し、こんな感じかな。』
カラカラ、パタン←ベランダへ……。
書いた手紙を刀印の間に挟み……
『勤請し奉る 我が名の下に 手に接し手紙を彼の者の下へ 届け給え 急々如律令!』
パァ……。←鳥形の式に姿が変わり……
(所謂、式文)
『さっ、彼らの下にお行き。』
バサッ←手から離れ、飛び立つ
『フゥ…。 此れで、彼方に此方の事が、ある程度は…伝われば良いのだけど。』
カラカラ、パタン←部屋へ戻る
* * * *
ー 一方、米花町のとある屋敷ー
「あれ? ねぇ、貴方。
部屋の窓の外に…白い鳥が一羽、居るのだけど……。」
「ん? 本当だ……。」
カラカラ←窓、開。
スッ… トトトッ、トン←手を差し出し、鳥が手に止まる
カラカラ、パタン←窓、閉。
「何処の鳥かしら?」
「さぁ? 分からないけど…自分達にとっては、害は無さそうだよ。
ほら、大人しく僕の手に止まってるし。」
バサッ←いきなり、飛び立つ
「「あっ/えっ?!」」
クルクル←二人の頭上を飛び回る
1~2分程、飛び回り……
ポンッ! ヒラヒラ カサッ←手紙に姿を変え、手に落ちて来た
「手紙……?」
「誰からかしら…?」
「まぁ…先ずは、この手紙を読んで見よう。 話は、手紙を読んでから…考えようか。
えーっと、何々…?」
~手紙に記された内容に……~
「この手紙……雪さんからだよ。」
「えっ? 雪さんって、私達を助けてくれた恩人の……あの人よね?」
「うん。 離れ離れになったあの子達に会わせたいって……書いてあるよ。」
「!! あの子達に…会えるの………?」
「手紙によれば、来週の土日に此方に来る見たいだよ。 勿論、二人を連れて…。」
「あぁ…。 離れ離れになってから、一度も会って無かったもの。
こんなに嬉しい事……今迄、無かったわね。(泣笑)」
「あぁ、そうだね。(目に涙が、浮かぶ)」
「さぁ、あの子達に会えるように…準備しないとな。」
「えぇ、そうね。 フフッ……。」
* * * *
ー待ちに待った土日ー
『さっ、準備は良い?』
「うん、お泊まりの準備出来たよ!」
『さぁ、今迄…秘密だった場所へ出発だよ。』
「わぁい、楽しみに待ってた甲斐があった!」
『フフッ。 その場所に行けば、もっと嬉しい事が有るかもね?』
「本当?! やったー!」
『クスクス。 じゃあ、出発するね?』
「うん。」
ブロロロ~
* * * *
キッ
『さっ、着いたよ。 降りよっか? 明美ちゃん。』
「うん!」
ガチャッ、パタン
「うわぁ~、大きいお家……。 ココなの? 雪姉ちゃん。」
『そうだよ。 あっ、でも……玄関に入る迄は、明美ちゃんには目を瞑ってて欲しいな。』
「目を? どうしても?」
『うん、どうしても。 明美ちゃんに驚いて貰いたいから。』
「私に驚いて欲しい……? うん、分かった!」
ギュッ!←目を瞑むる
『そのまま、瞑っててね~? 私が、玄関迄手を引いてくから……』
「分かった……。」
~手を引かれ、家の玄関迄ゆっくり歩き……~
カラカラ……、ピシャン
『さっ、到着!』
「もう、家の中?」
『うん、家に入ったよ。 もうちょっとだけ、目を瞑っててね?』
「うん。」
『こんにちは~。』
「はぁい!」
「??」
パタパタ
「いらっしゃい、待ってましたよ。」
『ご免なさい、此方の都合で急な事を御願いして……。』
「いいえ、それは構いません。 それで、其処に居る………子が………」
『えぇ。 明美ちゃん、目を開けて?』
~恐る恐る目を開けた先には……~
「(パチッ)っ!! お…母……さ…ん…?」
「明美……。今迄、ご免なさい。
死んだ事にして……身を隠さなければいけなかったの……。」
「ううん。こうやって、会えたから良いよ。 お父さんは?」
「奥で、明美が来るのを待ってるわ。」
「お父さんも、ココに一緒に居るの?」
「えぇ、貴女の後ろに居る……雪さんに助けて貰って……ね?」
バッ!←勢い良く、後ろを向き……
「雪姉ちゃんが、お母さん達を助けてくれたの?」
『うん……。でもね? 助けたには助けたけど……タイミング的には、ギリギリの所だったんだ……。
あのままだったら、助けて上げられ無かったもの。』
目線を合わせ、しゃがみ……苦笑
「でも、雪姉ちゃんが動いてくれたから……お父さんにもお母さんにもこうして…会えたんだよ?」
『喜んで貰えたなら……私は、嬉しいな。(ニコッ)』
「(パァ……)うん! とっても、嬉しい!!」
「さっ! 此処ではなんだから、上がって?」
「わぁい!」
ダッ!
『フフッ、良かった……。』
「雪さん、有り難う御座います。 あの子があんなに笑って居るのを……久し振りに見れました。」
『いいえ。 志保ちゃんも車から、連れて来ますので……一旦、車に戻ります。』
「御願いします。」
『分かってます。 直ぐに戻るので、明美ちゃんを御願いします。』
「分かりました。」
『フフッ。』
* * * *
~屋敷内・居間~
「明美、寂しい思いをさせて……済まなかった…。」
「ううん。 お父さんもお母さんも無事で、良かった……。
〝死んだ〟って、聞かされてたから……もう、会えないって………諦めてたの…。」
「ごめんな……? こうやって、会う機会に恵まれたから…会えたけど……私達夫妻は、死んだ事になってる。 講して、会えた事自体が……奇跡のような物だ。」
「うん……。(グスッ)」
「明美も志保も……元気に育って居て、私達はとても嬉しいよ。」
「お父さん、また会える……?」
「あぁ、何れまた会えるよ。 それ迄、雪さんの言う事をしっかり聞いてお利口にしてるんだ。 良いね?」
「うん、分かった!」
「良し。(ニコッ)」
「フフッ。(志保ちゃんを抱きながら……)」
『じゃあ……私は、少し散歩をして来ます。 親子水入らずで、積もる話も有るでしょうから……。』
「何から何まで、有り難う御座います。 雪さん……。
(苦笑)」
『フフッ、良いのですよ。 また、離れ離れになってしまうのだから……思う存分、彼女達と一緒に居て上げて下さい。 志保ちゃんにも……両親の温もりを教えて上げられる、又と無い機会ですから…。』
「そうですね、明美にも志保にも……離れ離れになってから、何もして上げられませんでしたから……。」
『今回は、この土日を泊まりで過ごせるよう……手配済みですので、ゆっくり一緒に居て上げて下さい。』
「雪姉ちゃんも、夜は一緒?」
『うん、夕食に間に合うよう……戻って来るつもりだよ。』
「わぁっ! 一緒にご飯食べれる?」
『うん、一緒にご飯食べようね?』
「うん! 待ってるね。」
『フフッ、じゃあ……行ってきます。』
「行ってらっしゃ~い!!」
手をブンブン
* * * *
~つい今し方、出て来た家を振り返りつつ……ポツリ~
『フフッ。 あの子達が、嬉しそうで……本当に良かった。』
ー数分後、街中を散歩中に……ー
ドンッ!
「きゃっ!」
タタッ!
『っ!! 大丈夫ですかっ!?』
「え、えぇ……。 助かったわ、有り難う。
(ニコッ)」
『いえ……。 あの……もし、間違っていたらご免なさい……。
もしかして、妊婦さん……では…ありませんか?』
「えっ? えぇ、そうよ? でも、良く分かったわね? 私が……妊婦だって。 お腹なんて、あまり……出ていないのに………。」
『え? あぁ…。 ずっと、見て居た訳では無いんですが……先程、人とぶつかった際に……真っ先にお腹を抑える仕草を見て〝もしかして……〟っと思っただけなんです。(苦笑)』
「へぇ~。 貴女って、とても頭が良いのね?」
『いえ、そんな事ありませんよ!
ただ……頭が良いからどう…とか、賢いからどう…とかよりも……人に対して、どれだけ…気配りする事が出来るかどうかが、大切な事だと……思いますよ? 私は……。(ニコッ)』
「フフッ。 確かに、貴女の言う通りね。
そう言えば、自己紹介がまだ……だったわね? 私は、有希子。 工藤有希子よ。 貴女は?」
『私も……すいません、名も名乗らず……。 申し遅れました……如月と、言います。
如月 雪。(頭をペコリ)』
「(パァ…)じゃあ、雪ちゃんね! この後、時間ある?」
『えぇ…まぁ、時間なら……夕方位までなら…大丈夫ですが……?』
「そうなの! なら、家にいらっしゃいな!!」
『えっ?! 有希子さんの……御自宅に………ですか?(やや困惑)』
「そうよ? 私を助けてくれたお礼も兼ねて……私の旦那様にも、貴女の事……紹介したいし! ダメかしら?」
『あっ…! いえ……。 ダメでは、無いんですが……御自宅の住所を……伺っても……?』
「ウ~ン、貴女って…用心深いのね?
まぁ、調べれば判る事だから良いけど……〝米花町二丁目21番地〟よ?」
『………………っ?!!(困惑&驚愕)』
「あら……? どうしたの?
そんな困ったような………ビックリしたような顔をして……?」
『えっ………と、……あの……有希子さん……。』
「何?(首をコテン)」
『………えっと、……言い難いんですけど……。』
「うん。」
『………私名義の家の住所の場所が、……有希子さんの御自宅の……右隣なんですけど……。(困惑&苦笑)』
「あらまぁ! じゃあ、お隣さんだった訳?!」
ビックリしつつも、目キラキラ
『そう……見たいです…………。(苦笑)』
「あら~! なら……尚更、私の家に招待したいわ!! 善は急げって言うし!
早速、行きましょ!!」
ガシッ!!
ダッ!
『えっ? ちょっ………有希子さんっ?!』
* * * *
『明美ちゃん、来週の土日に少しだけ……………一緒にお出掛けしない?』
カレンダ-を指差しながら…
「雪姉ちゃんと…?」
『私〝と〟と、言うよりも…志保ちゃんも一緒にだけど………どうかな?』
「うん、良いよ! 何処にお出掛けするの?!(ワクワク)」
『フフッ。 何処に行くかは……今は、秘密。(ニコッ)』
「(パァ…) わぁ~、お出かけが楽しみ!」
『フフッ、どうしても……明美ちゃん達に会わせたい人達が居るの。
このお出掛けで…その人達に会えるかも知れないから、楽しみにしてて?』
「うん、分かった!」
* * * *
ー高層マンション一室内・雪′s部屋ー
『“拝啓、宮野夫妻様。
貴方方の姉妹は、すくすくと元気に育って居ります。 貴方方も彼女達に会いたいと思い…此度、宮野夫妻との面会を兼ねた御泊まり会を計画致しました。 付きましては、来週の土日に…私達3人で、其方へ赴く事と致しましたので、御了承下さいますよう御願い致します。 かしこ
水蓮より”
………良し、こんな感じかな。』
カラカラ、パタン←ベランダへ……。
書いた手紙を刀印の間に挟み……
『勤請し奉る 我が名の下に 手に接し手紙を彼の者の下へ 届け給え 急々如律令!』
パァ……。←鳥形の式に姿が変わり……
(所謂、式文)
『さっ、彼らの下にお行き。』
バサッ←手から離れ、飛び立つ
『フゥ…。 此れで、彼方に此方の事が、ある程度は…伝われば良いのだけど。』
カラカラ、パタン←部屋へ戻る
* * * *
ー 一方、米花町のとある屋敷ー
「あれ? ねぇ、貴方。
部屋の窓の外に…白い鳥が一羽、居るのだけど……。」
「ん? 本当だ……。」
カラカラ←窓、開。
スッ… トトトッ、トン←手を差し出し、鳥が手に止まる
カラカラ、パタン←窓、閉。
「何処の鳥かしら?」
「さぁ? 分からないけど…自分達にとっては、害は無さそうだよ。
ほら、大人しく僕の手に止まってるし。」
バサッ←いきなり、飛び立つ
「「あっ/えっ?!」」
クルクル←二人の頭上を飛び回る
1~2分程、飛び回り……
ポンッ! ヒラヒラ カサッ←手紙に姿を変え、手に落ちて来た
「手紙……?」
「誰からかしら…?」
「まぁ…先ずは、この手紙を読んで見よう。 話は、手紙を読んでから…考えようか。
えーっと、何々…?」
~手紙に記された内容に……~
「この手紙……雪さんからだよ。」
「えっ? 雪さんって、私達を助けてくれた恩人の……あの人よね?」
「うん。 離れ離れになったあの子達に会わせたいって……書いてあるよ。」
「!! あの子達に…会えるの………?」
「手紙によれば、来週の土日に此方に来る見たいだよ。 勿論、二人を連れて…。」
「あぁ…。 離れ離れになってから、一度も会って無かったもの。
こんなに嬉しい事……今迄、無かったわね。(泣笑)」
「あぁ、そうだね。(目に涙が、浮かぶ)」
「さぁ、あの子達に会えるように…準備しないとな。」
「えぇ、そうね。 フフッ……。」
* * * *
ー待ちに待った土日ー
『さっ、準備は良い?』
「うん、お泊まりの準備出来たよ!」
『さぁ、今迄…秘密だった場所へ出発だよ。』
「わぁい、楽しみに待ってた甲斐があった!」
『フフッ。 その場所に行けば、もっと嬉しい事が有るかもね?』
「本当?! やったー!」
『クスクス。 じゃあ、出発するね?』
「うん。」
ブロロロ~
* * * *
キッ
『さっ、着いたよ。 降りよっか? 明美ちゃん。』
「うん!」
ガチャッ、パタン
「うわぁ~、大きいお家……。 ココなの? 雪姉ちゃん。」
『そうだよ。 あっ、でも……玄関に入る迄は、明美ちゃんには目を瞑ってて欲しいな。』
「目を? どうしても?」
『うん、どうしても。 明美ちゃんに驚いて貰いたいから。』
「私に驚いて欲しい……? うん、分かった!」
ギュッ!←目を瞑むる
『そのまま、瞑っててね~? 私が、玄関迄手を引いてくから……』
「分かった……。」
~手を引かれ、家の玄関迄ゆっくり歩き……~
カラカラ……、ピシャン
『さっ、到着!』
「もう、家の中?」
『うん、家に入ったよ。 もうちょっとだけ、目を瞑っててね?』
「うん。」
『こんにちは~。』
「はぁい!」
「??」
パタパタ
「いらっしゃい、待ってましたよ。」
『ご免なさい、此方の都合で急な事を御願いして……。』
「いいえ、それは構いません。 それで、其処に居る………子が………」
『えぇ。 明美ちゃん、目を開けて?』
~恐る恐る目を開けた先には……~
「(パチッ)っ!! お…母……さ…ん…?」
「明美……。今迄、ご免なさい。
死んだ事にして……身を隠さなければいけなかったの……。」
「ううん。こうやって、会えたから良いよ。 お父さんは?」
「奥で、明美が来るのを待ってるわ。」
「お父さんも、ココに一緒に居るの?」
「えぇ、貴女の後ろに居る……雪さんに助けて貰って……ね?」
バッ!←勢い良く、後ろを向き……
「雪姉ちゃんが、お母さん達を助けてくれたの?」
『うん……。でもね? 助けたには助けたけど……タイミング的には、ギリギリの所だったんだ……。
あのままだったら、助けて上げられ無かったもの。』
目線を合わせ、しゃがみ……苦笑
「でも、雪姉ちゃんが動いてくれたから……お父さんにもお母さんにもこうして…会えたんだよ?」
『喜んで貰えたなら……私は、嬉しいな。(ニコッ)』
「(パァ……)うん! とっても、嬉しい!!」
「さっ! 此処ではなんだから、上がって?」
「わぁい!」
ダッ!
『フフッ、良かった……。』
「雪さん、有り難う御座います。 あの子があんなに笑って居るのを……久し振りに見れました。」
『いいえ。 志保ちゃんも車から、連れて来ますので……一旦、車に戻ります。』
「御願いします。」
『分かってます。 直ぐに戻るので、明美ちゃんを御願いします。』
「分かりました。」
『フフッ。』
* * * *
~屋敷内・居間~
「明美、寂しい思いをさせて……済まなかった…。」
「ううん。 お父さんもお母さんも無事で、良かった……。
〝死んだ〟って、聞かされてたから……もう、会えないって………諦めてたの…。」
「ごめんな……? こうやって、会う機会に恵まれたから…会えたけど……私達夫妻は、死んだ事になってる。 講して、会えた事自体が……奇跡のような物だ。」
「うん……。(グスッ)」
「明美も志保も……元気に育って居て、私達はとても嬉しいよ。」
「お父さん、また会える……?」
「あぁ、何れまた会えるよ。 それ迄、雪さんの言う事をしっかり聞いてお利口にしてるんだ。 良いね?」
「うん、分かった!」
「良し。(ニコッ)」
「フフッ。(志保ちゃんを抱きながら……)」
『じゃあ……私は、少し散歩をして来ます。 親子水入らずで、積もる話も有るでしょうから……。』
「何から何まで、有り難う御座います。 雪さん……。
(苦笑)」
『フフッ、良いのですよ。 また、離れ離れになってしまうのだから……思う存分、彼女達と一緒に居て上げて下さい。 志保ちゃんにも……両親の温もりを教えて上げられる、又と無い機会ですから…。』
「そうですね、明美にも志保にも……離れ離れになってから、何もして上げられませんでしたから……。」
『今回は、この土日を泊まりで過ごせるよう……手配済みですので、ゆっくり一緒に居て上げて下さい。』
「雪姉ちゃんも、夜は一緒?」
『うん、夕食に間に合うよう……戻って来るつもりだよ。』
「わぁっ! 一緒にご飯食べれる?」
『うん、一緒にご飯食べようね?』
「うん! 待ってるね。」
『フフッ、じゃあ……行ってきます。』
「行ってらっしゃ~い!!」
手をブンブン
* * * *
~つい今し方、出て来た家を振り返りつつ……ポツリ~
『フフッ。 あの子達が、嬉しそうで……本当に良かった。』
ー数分後、街中を散歩中に……ー
ドンッ!
「きゃっ!」
タタッ!
『っ!! 大丈夫ですかっ!?』
「え、えぇ……。 助かったわ、有り難う。
(ニコッ)」
『いえ……。 あの……もし、間違っていたらご免なさい……。
もしかして、妊婦さん……では…ありませんか?』
「えっ? えぇ、そうよ? でも、良く分かったわね? 私が……妊婦だって。 お腹なんて、あまり……出ていないのに………。」
『え? あぁ…。 ずっと、見て居た訳では無いんですが……先程、人とぶつかった際に……真っ先にお腹を抑える仕草を見て〝もしかして……〟っと思っただけなんです。(苦笑)』
「へぇ~。 貴女って、とても頭が良いのね?」
『いえ、そんな事ありませんよ!
ただ……頭が良いからどう…とか、賢いからどう…とかよりも……人に対して、どれだけ…気配りする事が出来るかどうかが、大切な事だと……思いますよ? 私は……。(ニコッ)』
「フフッ。 確かに、貴女の言う通りね。
そう言えば、自己紹介がまだ……だったわね? 私は、有希子。 工藤有希子よ。 貴女は?」
『私も……すいません、名も名乗らず……。 申し遅れました……如月と、言います。
如月 雪。(頭をペコリ)』
「(パァ…)じゃあ、雪ちゃんね! この後、時間ある?」
『えぇ…まぁ、時間なら……夕方位までなら…大丈夫ですが……?』
「そうなの! なら、家にいらっしゃいな!!」
『えっ?! 有希子さんの……御自宅に………ですか?(やや困惑)』
「そうよ? 私を助けてくれたお礼も兼ねて……私の旦那様にも、貴女の事……紹介したいし! ダメかしら?」
『あっ…! いえ……。 ダメでは、無いんですが……御自宅の住所を……伺っても……?』
「ウ~ン、貴女って…用心深いのね?
まぁ、調べれば判る事だから良いけど……〝米花町二丁目21番地〟よ?」
『………………っ?!!(困惑&驚愕)』
「あら……? どうしたの?
そんな困ったような………ビックリしたような顔をして……?」
『えっ………と、……あの……有希子さん……。』
「何?(首をコテン)」
『………えっと、……言い難いんですけど……。』
「うん。」
『………私名義の家の住所の場所が、……有希子さんの御自宅の……右隣なんですけど……。(困惑&苦笑)』
「あらまぁ! じゃあ、お隣さんだった訳?!」
ビックリしつつも、目キラキラ
『そう……見たいです…………。(苦笑)』
「あら~! なら……尚更、私の家に招待したいわ!! 善は急げって言うし!
早速、行きましょ!!」
ガシッ!!
ダッ!
『えっ? ちょっ………有希子さんっ?!』
* * * *