〈第1章〉千載一遇のチャンス…そして、奇跡
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【原作開始前・19年前】
ー“黒の組織”・アジトー
『(フゥ…。 やっと、〝仕事〟が片付いたなぁ。)(首をコキコキ)
……ん? あれは………ベル?』
タタッ
“組織”の廊下を首と肩を回しながら歩いていると…見知った後ろ姿を見掛けた為、駆け寄った雪菜。
『ベル!』
「!!(クルッ) あぁ…、アニス。
貴女は、仕事帰り?」
『えぇ。 其れよりもベル…貴女、大丈夫…? 顔色があまり、良くないようだけど……体調でも崩したの?』
「あぁ、其れが……ボスからの命令で〝とある研究〟の成果を診る為に、被験者を頼まれたんだけど、その精製された「ある薬」を飲んだ後からちょっと……ね。」
『えぇっ?!……あれ? その「ある薬」って、確か……。』
「えぇ、数ヵ月前にウチ(組織)が所有してる〝とある〟研究施設に入った科学者の一家……彼らの研究による開発で精製された「薬」………〝アレ〟の事よ。」
『っ!! あぁ…今現在、研究中の〝アレ〟…ね。確か、宮野一家だったよね? その科学者の一家って……。』
「えぇ、マッドサイエンティストとヘルエンジェルのね……。
所で、アニス? 貴女、彼らと知り合いだったの? 他の幹部達が彼らに挨拶をした際、貴女のコードネームが出て来たから……。」
『まぁね……。 ベルも知っている通り……私、ある神社の巫女をやってるでしょ?
(まぁ、本来は主に陰陽師の仕事だけど……。)』
「えぇ。 確か、“櫻宮神社”だったわよね?」
『そう。 その神社に彼らが、お参りに来たからその時にね……色々、話もしたのだけど。』
「へぇ~。貴女って……知り合いの事を一切、口に出さないから…心配してたのだけど、良かったわ。」
『ん? どうして?』
「貴女にも、知り合いと呼べる人が居た事が………よ。」
『フフッ。 まぁ…私自身の交友関係は、其れほど多くないしね…。 組織が知ったとしても「役に立つかどうか…」なんて……定かではないからこそ、言ってないだけだよ。(苦笑)』
「フッ、そう言う事にしてあげる。
所で、アニス…。 貴女、この後時間ある? 私の部屋で一緒にお茶でもどう?」
『んーっ、〝仕事〟は片付いたから……時間なら大丈夫。
それに、組織では宮野一家の事…心配していた上に、殆んど会う事が出来てないから……彼らの話を聞きたいな、ダメ?』
「フフッ、良いわよ。 私が話を出来る範囲で……だけど。」
『えぇ、それで十分。』
「部屋までは距離があるから、肩……貸してくれる?」
『もちろん! 御安い御用よ、ほら。』
「有り難う。」
『フフッ…』
* * * *
ー“黒の組織”・とある研究施設ー
『(やっと……又、彼らに会う事が出来る…。 でも、嬉しい反面…こんな所(組織)での再会なんて、複雑かな…やっぱり。)(苦笑)』
コンコン、ガチャッ
「どうぞ」
『失礼しますよ。』
「「!!」」
「雪さん!?」
『シィ-、此処(組織)ではアニスでお願いします。(小声)』
「わ、分かりました。(小声)」
『御久し振りですね、宮野さん。』
「御久し振りです。 貴女が……此処に居て尚且つ、幹部とは…ビックリしましたが。」
『すいません、詳しく…教える事が出来なくて……。(苦笑)』
「いえ、気にしてはいませんから…。」
『所で、娘さんは? それに、お腹のお子さんはどうでしたか?』
「お腹の子は、無事…生まれました。
ですが……娘達とは、離れ離れになってしまったんです。(苦笑)」
『?! 何故、そのような事に…?』
「生まれて来た子供の潜在能力が高く、彼らは「使える」と判断したのでしょう…。
娘は、生まれて来た子の所謂…〝人質〟見たいな感じです。」
『そんな……。(数秒、目を瞑り…)
ならば、御二人に提案なのですが……私が、貴方方のお子さん達の親代わりを引き受けても……良いでしょうか?』
「「!!」」
「良いのですか…?(困惑)」
「私達の子供を……お願いします。(ペコリ)」
「エレーナ……。 私からもお願いします。(ペコリ)」
『…………御二人の気持ちは、痛い程……分かります。 自分達の手で、お子さんを育てられない悲しさや辛さは………。
私が上に掛け合って、お子さん達を育児出来るよう…手配します。
それと…貴方方に〝コレ〟を渡して置きます。』
“式“を二枚取り出す
「コレは……?」
『コレは、私が作成…及び術を封じ込めた“式”です。
この“式”に貴方方の髪の毛を封じ、御二人の〝身代わり〟として……此処に居てもらう為です。』
「私達の……〝身代わり〟?」
二人して、顔を見合せ…又、前を向く
『(コクリ)はい。 お忘れですか?
前に〝死相〟が出ていると…話した事。』
「「!!」」
「それじゃあ、コレは……その為の〝物〟なのですか?」
『(コクリ)』
「このままなら、娘達に一生会えなくなる…。 なら、貴女に託します。」
「私も、夫と同じ思いです。」
「「宜しくお願いします!!」」
バッ……! ←頭を下げる
『フゥ……、分かりました。 貴方方のお子さん達を私が、責任を持ってお預かりします。
それと2日後、また来ますので…その“式”に其々、髪の毛を載せて置いて下さい。
そうすれば、“式”の上に載せた髪の毛が自然と吸い込まれますので。』
「分かりました。」
『2日後は、私が貴方方を私の友人に紹介する形で…来ますので、承知して置いて下さいね。』
「はい。」
『じゃあ、また2日後に。(ペコッ)』
「有り難う御座います。(ペコッ)」
ガチャッ、パタン
「貴方…此れで、暫しのお別れね……あの子達とは…。」
「あぁ…。でも、未来に繋げる為の布石と思えば……悲しくはないかな。」
「えぇ、そうね。」
「此れも全て…雪さんのお陰だな。」
「えぇ、本当に……。
彼女がいなかったら……と、考えるだけで恐ろしいもの。 それに……貴方とあの神社に寄ったからこそ、こうして穏やかな気持ちで居られるんじゃないかしら。」
「ハハッ、確かに。 感謝しても感謝し切れない上に、恩まで……。
彼女に足を向けて寝られないな。」
「それ程に、彼女には頭が上がらなそう…。」
「うん、君の言う通りだな……。
さてと、2日後か…。色々、仕度をしないといけないから……もう寝ようか。」
「えぇ。」
* * * *
ー2日後ー
コンコン、ガチャッ
「どうぞ」
『失礼します。』
「やぁ、アニスさん。 いらっしゃい。」
『フフッ…。こんにちは、厚司さん。
私も、また会えて嬉しいですよ。』
「あっ! アニスさん、いらっしゃい!」
『こんにちは、エレーナさん。』
「それで? 今日は、何の御用件で此処に?」
『あぁ…。 私の友人達を紹介したくて、連れて来たんです。
宮野さん、此方…灰原さん御夫妻。 灰原さん、前に話をした…宮野さん御夫妻です。』
其々に、手を向けながら…紹介する
「初めまして、宮野 厚司です。
そして……。(チラッ)」
「(コクリ)妻のエレーナです。(ペコリ)」
「「どうも」」
灰原夫妻、揃って…ペコリ
「申し遅れました…灰原 司(ツカサ)と、言います。 そして……。」
「妻の紫苑(シオン)です。(ペコリ)」
「「宜しくお願いします。」」
「此方こそ、宜しくお願いします。」
「雪さん、彼らが私達の〝身代わり〟……ですか?(小声)」
『(コクリ)はい、そうです。 二人が名乗った名前は、そのまま貴方方の〝偽名〟に成ります。(小声)』
「(コクリ)分かりました。(小声)」
「御二人は…何故、此方に来る事を決めたんですか?」
「貴方方の研究を一目…見て観たくて、彼女に無理を言って連れて来て貰ったんですよ。(苦笑)」
「そうだったんですか…。
どうですか? 此処の研究施設は。」
「(周りをキョロキョロ)そうですね……。大学の研究施設よりも、設備が整ってますし……。 研究をする上では、申し分無いと思いますよ?」
「ハハッ、確かに…研究は捗りそうですよね。」
ー話し込んで居る内に…数時間が経過していた……。
その間に、雪菜は…宮野夫妻と“式”の灰原夫妻の入れ替えを実行に移し…尚且つ、怪しまれぬよう細工を施したのだった。ー
『(懐中時計をパカッ…チラッ、パチンッ)
そろそろ、お暇しましょうか…。 時間も良い頃合いですし。』
「もう、そんな時間ですか……。 楽しい一時は…直ぐに、過ぎ去ってしまいますね…。」
「そうですね…。」
「では、名残惜しいのですが……此れで帰らせて頂きますね?」
「はい。此処こそ、楽しい時間を有り難う御座いました。(ペコリ)」
『それじゃあ……厚司さん、エレーナさん。 私達は、此れで帰りますね。』
「はい、アニスさんもお元気で。」
『フフッ。それは、お互い様ですよ。
私は、このまま御二人を送って行きますので…此れで失礼しますね?』
「えぇ。講して…他の方と話が出来ましたし、貴女にはとても感謝してますよ。」
『フフッ。喜んで頂けたようで何よりです。
では。』
ガチャッ、パタン
『宮野さん……。このまま私の車に戻りますので、着いて来て下さい。(小声)』
「分かりました、貴女に託した以上は…私達は貴女に着いて行きます。(小声)」
「えぇ。(小声)」
『御二人供、有り難う御座います。
(小声)』
「「(コクリ)」」
ー“組織”の研究施設を出るまで…それ以降、誰も口を利かなかった。
そして、研究施設の外に停められた緑色のミニクーパーに乗り込み…研究施設を後にしたのだった。ー
* * * *
ー“黒の組織”・アジトー
『(フゥ…。 やっと、〝仕事〟が片付いたなぁ。)(首をコキコキ)
……ん? あれは………ベル?』
タタッ
“組織”の廊下を首と肩を回しながら歩いていると…見知った後ろ姿を見掛けた為、駆け寄った雪菜。
『ベル!』
「!!(クルッ) あぁ…、アニス。
貴女は、仕事帰り?」
『えぇ。 其れよりもベル…貴女、大丈夫…? 顔色があまり、良くないようだけど……体調でも崩したの?』
「あぁ、其れが……ボスからの命令で〝とある研究〟の成果を診る為に、被験者を頼まれたんだけど、その精製された「ある薬」を飲んだ後からちょっと……ね。」
『えぇっ?!……あれ? その「ある薬」って、確か……。』
「えぇ、数ヵ月前にウチ(組織)が所有してる〝とある〟研究施設に入った科学者の一家……彼らの研究による開発で精製された「薬」………〝アレ〟の事よ。」
『っ!! あぁ…今現在、研究中の〝アレ〟…ね。確か、宮野一家だったよね? その科学者の一家って……。』
「えぇ、マッドサイエンティストとヘルエンジェルのね……。
所で、アニス? 貴女、彼らと知り合いだったの? 他の幹部達が彼らに挨拶をした際、貴女のコードネームが出て来たから……。」
『まぁね……。 ベルも知っている通り……私、ある神社の巫女をやってるでしょ?
(まぁ、本来は主に陰陽師の仕事だけど……。)』
「えぇ。 確か、“櫻宮神社”だったわよね?」
『そう。 その神社に彼らが、お参りに来たからその時にね……色々、話もしたのだけど。』
「へぇ~。貴女って……知り合いの事を一切、口に出さないから…心配してたのだけど、良かったわ。」
『ん? どうして?』
「貴女にも、知り合いと呼べる人が居た事が………よ。」
『フフッ。 まぁ…私自身の交友関係は、其れほど多くないしね…。 組織が知ったとしても「役に立つかどうか…」なんて……定かではないからこそ、言ってないだけだよ。(苦笑)』
「フッ、そう言う事にしてあげる。
所で、アニス…。 貴女、この後時間ある? 私の部屋で一緒にお茶でもどう?」
『んーっ、〝仕事〟は片付いたから……時間なら大丈夫。
それに、組織では宮野一家の事…心配していた上に、殆んど会う事が出来てないから……彼らの話を聞きたいな、ダメ?』
「フフッ、良いわよ。 私が話を出来る範囲で……だけど。」
『えぇ、それで十分。』
「部屋までは距離があるから、肩……貸してくれる?」
『もちろん! 御安い御用よ、ほら。』
「有り難う。」
『フフッ…』
* * * *
ー“黒の組織”・とある研究施設ー
『(やっと……又、彼らに会う事が出来る…。 でも、嬉しい反面…こんな所(組織)での再会なんて、複雑かな…やっぱり。)(苦笑)』
コンコン、ガチャッ
「どうぞ」
『失礼しますよ。』
「「!!」」
「雪さん!?」
『シィ-、此処(組織)ではアニスでお願いします。(小声)』
「わ、分かりました。(小声)」
『御久し振りですね、宮野さん。』
「御久し振りです。 貴女が……此処に居て尚且つ、幹部とは…ビックリしましたが。」
『すいません、詳しく…教える事が出来なくて……。(苦笑)』
「いえ、気にしてはいませんから…。」
『所で、娘さんは? それに、お腹のお子さんはどうでしたか?』
「お腹の子は、無事…生まれました。
ですが……娘達とは、離れ離れになってしまったんです。(苦笑)」
『?! 何故、そのような事に…?』
「生まれて来た子供の潜在能力が高く、彼らは「使える」と判断したのでしょう…。
娘は、生まれて来た子の所謂…〝人質〟見たいな感じです。」
『そんな……。(数秒、目を瞑り…)
ならば、御二人に提案なのですが……私が、貴方方のお子さん達の親代わりを引き受けても……良いでしょうか?』
「「!!」」
「良いのですか…?(困惑)」
「私達の子供を……お願いします。(ペコリ)」
「エレーナ……。 私からもお願いします。(ペコリ)」
『…………御二人の気持ちは、痛い程……分かります。 自分達の手で、お子さんを育てられない悲しさや辛さは………。
私が上に掛け合って、お子さん達を育児出来るよう…手配します。
それと…貴方方に〝コレ〟を渡して置きます。』
“式“を二枚取り出す
「コレは……?」
『コレは、私が作成…及び術を封じ込めた“式”です。
この“式”に貴方方の髪の毛を封じ、御二人の〝身代わり〟として……此処に居てもらう為です。』
「私達の……〝身代わり〟?」
二人して、顔を見合せ…又、前を向く
『(コクリ)はい。 お忘れですか?
前に〝死相〟が出ていると…話した事。』
「「!!」」
「それじゃあ、コレは……その為の〝物〟なのですか?」
『(コクリ)』
「このままなら、娘達に一生会えなくなる…。 なら、貴女に託します。」
「私も、夫と同じ思いです。」
「「宜しくお願いします!!」」
バッ……! ←頭を下げる
『フゥ……、分かりました。 貴方方のお子さん達を私が、責任を持ってお預かりします。
それと2日後、また来ますので…その“式”に其々、髪の毛を載せて置いて下さい。
そうすれば、“式”の上に載せた髪の毛が自然と吸い込まれますので。』
「分かりました。」
『2日後は、私が貴方方を私の友人に紹介する形で…来ますので、承知して置いて下さいね。』
「はい。」
『じゃあ、また2日後に。(ペコッ)』
「有り難う御座います。(ペコッ)」
ガチャッ、パタン
「貴方…此れで、暫しのお別れね……あの子達とは…。」
「あぁ…。でも、未来に繋げる為の布石と思えば……悲しくはないかな。」
「えぇ、そうね。」
「此れも全て…雪さんのお陰だな。」
「えぇ、本当に……。
彼女がいなかったら……と、考えるだけで恐ろしいもの。 それに……貴方とあの神社に寄ったからこそ、こうして穏やかな気持ちで居られるんじゃないかしら。」
「ハハッ、確かに。 感謝しても感謝し切れない上に、恩まで……。
彼女に足を向けて寝られないな。」
「それ程に、彼女には頭が上がらなそう…。」
「うん、君の言う通りだな……。
さてと、2日後か…。色々、仕度をしないといけないから……もう寝ようか。」
「えぇ。」
* * * *
ー2日後ー
コンコン、ガチャッ
「どうぞ」
『失礼します。』
「やぁ、アニスさん。 いらっしゃい。」
『フフッ…。こんにちは、厚司さん。
私も、また会えて嬉しいですよ。』
「あっ! アニスさん、いらっしゃい!」
『こんにちは、エレーナさん。』
「それで? 今日は、何の御用件で此処に?」
『あぁ…。 私の友人達を紹介したくて、連れて来たんです。
宮野さん、此方…灰原さん御夫妻。 灰原さん、前に話をした…宮野さん御夫妻です。』
其々に、手を向けながら…紹介する
「初めまして、宮野 厚司です。
そして……。(チラッ)」
「(コクリ)妻のエレーナです。(ペコリ)」
「「どうも」」
灰原夫妻、揃って…ペコリ
「申し遅れました…灰原 司(ツカサ)と、言います。 そして……。」
「妻の紫苑(シオン)です。(ペコリ)」
「「宜しくお願いします。」」
「此方こそ、宜しくお願いします。」
「雪さん、彼らが私達の〝身代わり〟……ですか?(小声)」
『(コクリ)はい、そうです。 二人が名乗った名前は、そのまま貴方方の〝偽名〟に成ります。(小声)』
「(コクリ)分かりました。(小声)」
「御二人は…何故、此方に来る事を決めたんですか?」
「貴方方の研究を一目…見て観たくて、彼女に無理を言って連れて来て貰ったんですよ。(苦笑)」
「そうだったんですか…。
どうですか? 此処の研究施設は。」
「(周りをキョロキョロ)そうですね……。大学の研究施設よりも、設備が整ってますし……。 研究をする上では、申し分無いと思いますよ?」
「ハハッ、確かに…研究は捗りそうですよね。」
ー話し込んで居る内に…数時間が経過していた……。
その間に、雪菜は…宮野夫妻と“式”の灰原夫妻の入れ替えを実行に移し…尚且つ、怪しまれぬよう細工を施したのだった。ー
『(懐中時計をパカッ…チラッ、パチンッ)
そろそろ、お暇しましょうか…。 時間も良い頃合いですし。』
「もう、そんな時間ですか……。 楽しい一時は…直ぐに、過ぎ去ってしまいますね…。」
「そうですね…。」
「では、名残惜しいのですが……此れで帰らせて頂きますね?」
「はい。此処こそ、楽しい時間を有り難う御座いました。(ペコリ)」
『それじゃあ……厚司さん、エレーナさん。 私達は、此れで帰りますね。』
「はい、アニスさんもお元気で。」
『フフッ。それは、お互い様ですよ。
私は、このまま御二人を送って行きますので…此れで失礼しますね?』
「えぇ。講して…他の方と話が出来ましたし、貴女にはとても感謝してますよ。」
『フフッ。喜んで頂けたようで何よりです。
では。』
ガチャッ、パタン
『宮野さん……。このまま私の車に戻りますので、着いて来て下さい。(小声)』
「分かりました、貴女に託した以上は…私達は貴女に着いて行きます。(小声)」
「えぇ。(小声)」
『御二人供、有り難う御座います。
(小声)』
「「(コクリ)」」
ー“組織”の研究施設を出るまで…それ以降、誰も口を利かなかった。
そして、研究施設の外に停められた緑色のミニクーパーに乗り込み…研究施設を後にしたのだった。ー
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