ー木ノ葉隠れの里内ー

ｻﾞﾜｻﾞﾜ…　ｶﾞﾔｶﾞﾔ…。

『へぇ…。里内は小規模ながらも、賑やかなんですね…』(ｷｮﾛｷｮﾛ)
〈ほぅ…。里が出来て間もない様だが…？〉
雪菜も九尾も、初めて見る物…聞く物全てに驚きを隠せず、周囲を見渡したりして居た。
九尾としては、死の森で何百年と…土地神の役割を担って来たが…人間界の事に対して、余り関心が無く…時折、チラッとだけ様子を見て居たのみだった。
「あぁ…。この里はまだ、発展途中でな？　里が出来てから半年程しか経って居ないんだ…」(苦笑)
『そうなのですか…。なら、今後の里の発展が楽しみですね！』(ﾆｺｯ)
「あぁ、そうだな！」
そんな話をしながら、里内を歩いて居た所へ……。

「柱間っ！死の森から戻って居たのか？！」
「おぉ、マダラ！　今、戻って来た所ぞ」
『あの…柱間殿？　この方が、先程言って居た〝友〟ですか…？』
「あぁ、そうだ。私の一番の友だ！」
「…？　おい、この娘は誰だ……？」(雪菜を指差ししつつ…)
「あぁ、すまん。紹介が遅れたな…。この娘は………」
〈『？？』〉
「……この娘は？」
「私の……〝妹〟だ！」(ﾄﾞﾔｯ)
『……えっ？』(唖然)
〈ﾊｧ、何となく感じては居たが…〉(呆れ)
「…………はぁあああっ？！　妹ぉ？！
貴様、前に兄弟は一人だとか言って無かったかっ？！」
「あー……、それがなぁ……？　つい先程、死の森で会ったのだが…親も居ない様で、一人だと言うんで……連れて来た！」(ﾄﾞﾔｯ)
「………連れて来たって、大丈夫なのか…？」
「あぁ！　私と弟で面倒を見るしな。問題ないぞ？」
「はぁ、分かった。　俺も気にする位はしてやる」
「あぁ、助かる」
「……で？　この娘の名前は？」
「あぁ、すまん。ほら、挨拶を…」
『あっ、挨拶が遅れましてご免なさい…！　私の名前は、雪菜と申します。今日(?)から柱間殿の〝妹〟と言う事になりますので、以後お見知り置きを…』(ﾍﾟｺﾘ)
「あ、あぁ。宜しくな？」
『ふふっ。そう言えば、マダラ殿には兄弟の方は？　居るのですか？』
「あぁ、兄弟…か」
『マダラ殿？』
「あぁ、悪い…。俺にも、兄弟は居たんだが…前の戦いで亡くなって居てな…」
『……っ！！　それは…すみません。私が、余計な事を聞いてしまったばかりに…辛い出来事を思い出させてしまって……』(ｼｭﾝ)
「ﾌｯ………、いや？　気遣わせて、すまんな。 弟の事は、余り人には話をしないんだが…今度、話が出来ればその時にな？」
『はい、楽しみにしてますね。私も、兄が一人居たので気持ちは分かりますから』(ﾆｺｯ)
「あぁ、そうだな」
「さて、そろそろ千手の邸に行くか？」
『…っ！　そうですね。
では、マダラ殿。今後共、宜しくお願いしますね！』
「あぁ、此方こそな」
『はい、では失礼しますね』(ﾍﾟｺﾘ)
「ならば、早速千手の邸へ向かうぞ」

ﾀｯ！

「……雪菜か。弟が居たら、仲良く話をしているのを見れたのかもな……」(ﾌｯ)
雪菜達が、千手の邸へ向かって行った後……マダラが一人そう、呟いて居た。

＊　＊　＊　＊