スタマイ夢短編

◇ある日の残業day【服部耀】◇

それは、とっくに定時の17時15分を過ぎて、本日二度目の10時になった時のことだった。

「ほれ。」
「あ、お疲れ様で……す!?」

頼んでもないのに上司の耀さんが、私のデスクにやけに膨張しているコンビニ袋を置いて、自分のデスクに戻ったので声が裏返る。
手持ちの部分を広げて中身を見てみると、おにぎりにポテチに最新スイーツに……某四次元ポケットのように色々と入っていた。コンビニ袋の中身と耀さんの顔で何回か視線を往復する。
その様子を見ても服部さんは特に何も言わないから、とりあえず声を震わせてお礼を言った。

「あっ、ありがとうございます!」

続けて、袋の中身代が何円だったのか聞こうとすると、耀さんが声を被せてきた。

「レシートはねえ、鳩が餌と間違えて食べちゃった。」

夜に鳩を見るのは珍しい。と言いそうになった声を飲み込んだ。
この人はいつもこうだ。ここまで言えば後は何も言わなくても分かるよね?という感じの言葉を投げかけるのが上手い。
ここは、上司の計らいを立てるとこだと汲み取り、私は両掌を合わせていただきますと言った。
すると、良くできました、働きバチちゃん。とあの人はいつもと変わらぬ、掴みどころのない笑みを浮かべるのだった。
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