ヒロアカ短編集

◇ TODOチェックリスト◇

ある晴れの日。爆豪くんと仕事現場が被った日のお昼休み、ビルの屋上にて。

「TODOリストアプリ〜」

未来の世界の猫型ロボットが、秘密道具を出すような口調で言ってみた。
爆豪くんの赤い眼が、絶対零度の視線を向けてこようとも気にしない。

「これでだいぶ仕事の抜け漏れ無くなった!」
「……今更すぎんだろ。」
「いやホント文明開花よ。なんでもっと早く使わなかったんだろう」
「テメェは昔っからテメェの記憶に頼りすぎなんだよボケ」

至極真っ当なご意見と、【ボケ】である。
だらしない私のことを知ってる爆豪くんだからこそ、こういうちょっとした進歩を認めて欲しいところだ。けど、爆豪くんが自分にも他人にも甘く無いのは高校の同級生としてよく理解している。

「爆豪くん、後輩育成の練習だと思って私のことを褒めてみない?だらしない私を知ってる爆豪くんならできるはず。」
「あ゛?舐めてんのか」
「ぶふっ、冗談。」

自分で言ったくせに、爆豪くんが優しく褒めるのを想像したら吹き出してしまった。そうだね、そんなの爆豪くんじゃなくなってしまう。
それでも、褒められた時はきっとものすごく嬉しくなってしまうんだろうな。爆豪くんは気休めで言う人じゃないから。

「……貸せ。やる事抜けすぎだわ」

なんて思っていたら、有無も言わせてもらえず爆豪くんにスマホを奪われてしまった。
スラスラと指を動かして、神妙な顔つきで何やら打ち込んでいる。TODOリストに一体、何を書き込んでいるの?

「ほらよ」
「え、怖い」

返されたスマホを恐る恐る見てみる。

・◯月◯日 飯
・◯月◯日 1日空けとけ。
・◯月◯日 俺がピンポン鳴らすまで家いろ

「これ仕事!?」

声をあげてしまった。周りに誰もいなかったから遠慮なく。

「さぁな。」

当の本人はニヒルな笑みを浮かべていた。しかもそんな意味深な一言残して私を置いていくし。
……まったく、どっちが甘いんだか。
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