ヒロアカ短編集

◇帰したくない爆豪くん◇

「じゃ、そろそろ帰るね」

久々に休みが被って爆豪くん家でおうちデート。
名残惜しいけど、明日も仕事だから帰らなきゃいけない。まだ、夕方だけど。なんだか小学生みたいだな。

「ん」

対して爆豪くんは、何やらスマホぽちぽちしながら短く返事をする。側から見たら素っ気ないように見えるかもだけど、付き合ってるからって変に甘々じゃないのがいいんだよね。

玄関に向かって、歩くとインターホンが鳴り響いた。
爆豪くんが顎で私を使うから、何の躊躇も無く爽やかな青年が映っているモニターのボタン押して出る。

「◯◯イーツです!」
「ありがとうございます」

元気な声にこちらも自然と声のトーンが上がる。
そういえば、夕飯時だもんな。爆豪くん何頼んだんだろう。私も夕飯どうしようかな。

なんて考えている間にも、また部屋の中に2回目のインターホンが鳴り響いたので、取りにいく。

「特上寿司2人前お持ちしました!」
「はい、ありがとうございます。」

お寿司か!しかも特上2人前。
さすが爆豪くん、食べ盛り、お金持ち。
マグロの綺麗な赤身、油の乗った色鮮やかなサーモン。一粒一粒がしっかりしているいくら、言わずもがな大トロ……。
チラッと見ただけでも、思わずゴクリと喉が鳴ってしまう。鎮まれ、私の食い意地。

お会計は既にネットで済ませていたようで、受け取りだけで済んだ。爆豪くんが待つリビングのテーブルに置く。すると爆豪くんが一言。

「お前これでも帰るんか?」

ニヤリな爆豪くん。
えっ、まさかこのタイミングでお寿司頼んだの爆豪くんの計画通り!?

「ゔっ……特上寿司で引き止めるなんてズルい。」
「ケッ。口では言いながら、一歩も動かねえ身体は素直みてーだな」
「……爆豪くんは素直じゃない。」
「うるせー。つべこべ言ってっと、全部食うぞ」
「いただきます!」

慌てて割り箸を手にとった結果、始発で帰ることになった。
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