ヒロアカ短編集
◇タオルを洗ってくれる爆豪くん◇
いくら自分がプロヒーローだからって、日常生活のちょっとしたハプニングには困る。
私は、爆豪くん家の脱衣所で身体中の体温が奪われるほどのトラブルに直面していた。
爆豪くんと付き合って、初めてのお泊まり。
お風呂を借りたのは良いものの、純白のふわふわタオルに月のモノの出血がついてしまった。
終わりかけだったからこんなこと無いと思ってたのに。
「……最悪」
張りのない声で呟く。
綺麗好きな爆豪くんのことだ。いくら彼女とはいえ、こんなん出禁レベルだよね。
黙って、洗面所で洗い流してしまえば汚れは落とせる。でも、それは隠し事してるみたいでなんか嫌。
いやでも、わざわざ言うのも気持ち悪いよね……。
下着のまま自問自答を繰り返していると、ドア越しに、爆豪くんの声がした。
「おい、いつまで入ってやがんだ。湯冷めすんだろ」
声音は強いのに、言うことは優しいんだもんなぁ。うん、好きだ。
……って、うっとりしてる場合じゃない。
大変、引き戸が動いてる。
これは爆豪くん、私がまだ湯船に浸かってると思って一直線に風呂場へ来るつもりだ!
なんか、声を発しなきゃ。いや間に合わなさそう。
せめてこの血のついたタオルを一旦後ろへ……。
「……んだよ、上がってんじゃねーか。」
爆豪くんが、開ける方が僅かに早かった。
「あ、う……。お先にお風呂いただきました。」
プロヒーローとしてあるまじき失態。
現場ではピンチの時こそ、一瞬の判断が命取りだというのに、何一つ出来なかった。
血のついたタオルは隠せなかった上に、爆豪くんに下着姿見られたの、初である。
ダブルの恥ずかしさが、体温を戻すどころか、湯気出そうなくらい上昇させた。
このヒートショックで、失神して起きたら実は夢オチ。なんて、そんな都合のいい展開を想像している場合じゃない。
私が固まっていると爆豪くんは、例のタオルを奪った。なんにも言わずに、汚れを洗面所で洗い流す。
サーッと流れる水音だけがやけにハッキリと聞こえた。
え?……え?
脳内処理が追いつかない。
「……はよ服着ろや。」
爆豪くんが手際よくタオルを綺麗にしながら言った。
時間差で申し訳なさと恥ずかしさが込み上げて、阻止しようと動く。
「いや、私やるよ!ごめん、こんなの気持ち悪いでしょ」
「いーから、服着ろ」
「……はい。」
当然、爆豪くんに力で勝てるわけが無く、大人しく服を着ているとポツリと声がした。
「てめえも俺の血、よく拭いてんだろ」
「うん。」
爆豪くん任務で怪我してくることもよくあるから軽く拭いたりしてる。
けど、今なんでそんなことを急に?
「それと同じ事してるだけだわ」
あぁ、なんて破壊力のある一言なんだろう。
一瞬にしてこの申し訳なさも、恥ずかしさも爆風のように吹き飛ばしてしまうんだから。
「……ありがとう。」
「さっさと髪乾かして寝ろ。」
「うん」
クシャクシャに私の髪を撫でながら、爆豪くんの口角は三日月のように緩やかに上がっていた。
いくら自分がプロヒーローだからって、日常生活のちょっとしたハプニングには困る。
私は、爆豪くん家の脱衣所で身体中の体温が奪われるほどのトラブルに直面していた。
爆豪くんと付き合って、初めてのお泊まり。
お風呂を借りたのは良いものの、純白のふわふわタオルに月のモノの出血がついてしまった。
終わりかけだったからこんなこと無いと思ってたのに。
「……最悪」
張りのない声で呟く。
綺麗好きな爆豪くんのことだ。いくら彼女とはいえ、こんなん出禁レベルだよね。
黙って、洗面所で洗い流してしまえば汚れは落とせる。でも、それは隠し事してるみたいでなんか嫌。
いやでも、わざわざ言うのも気持ち悪いよね……。
下着のまま自問自答を繰り返していると、ドア越しに、爆豪くんの声がした。
「おい、いつまで入ってやがんだ。湯冷めすんだろ」
声音は強いのに、言うことは優しいんだもんなぁ。うん、好きだ。
……って、うっとりしてる場合じゃない。
大変、引き戸が動いてる。
これは爆豪くん、私がまだ湯船に浸かってると思って一直線に風呂場へ来るつもりだ!
なんか、声を発しなきゃ。いや間に合わなさそう。
せめてこの血のついたタオルを一旦後ろへ……。
「……んだよ、上がってんじゃねーか。」
爆豪くんが、開ける方が僅かに早かった。
「あ、う……。お先にお風呂いただきました。」
プロヒーローとしてあるまじき失態。
現場ではピンチの時こそ、一瞬の判断が命取りだというのに、何一つ出来なかった。
血のついたタオルは隠せなかった上に、爆豪くんに下着姿見られたの、初である。
ダブルの恥ずかしさが、体温を戻すどころか、湯気出そうなくらい上昇させた。
このヒートショックで、失神して起きたら実は夢オチ。なんて、そんな都合のいい展開を想像している場合じゃない。
私が固まっていると爆豪くんは、例のタオルを奪った。なんにも言わずに、汚れを洗面所で洗い流す。
サーッと流れる水音だけがやけにハッキリと聞こえた。
え?……え?
脳内処理が追いつかない。
「……はよ服着ろや。」
爆豪くんが手際よくタオルを綺麗にしながら言った。
時間差で申し訳なさと恥ずかしさが込み上げて、阻止しようと動く。
「いや、私やるよ!ごめん、こんなの気持ち悪いでしょ」
「いーから、服着ろ」
「……はい。」
当然、爆豪くんに力で勝てるわけが無く、大人しく服を着ているとポツリと声がした。
「てめえも俺の血、よく拭いてんだろ」
「うん。」
爆豪くん任務で怪我してくることもよくあるから軽く拭いたりしてる。
けど、今なんでそんなことを急に?
「それと同じ事してるだけだわ」
あぁ、なんて破壊力のある一言なんだろう。
一瞬にしてこの申し訳なさも、恥ずかしさも爆風のように吹き飛ばしてしまうんだから。
「……ありがとう。」
「さっさと髪乾かして寝ろ。」
「うん」
クシャクシャに私の髪を撫でながら、爆豪くんの口角は三日月のように緩やかに上がっていた。
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