和谷夢短編集
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◇どら焼き仲直り◇
喧嘩をして、仲直りするのに物でご機嫌取りなんて、と義高君には思われるかもしれない。けれども、仕事の帰り道に彼が好きな和菓子屋の、鈴の焼印がついたどら焼きを見てしまったら足を止めずにはいられなかった。
「あっ。」
帰ってきたら、テーブルに私が買ってきたのと同じどら焼きが2つお皿に乗っていた。茶飲みから、湯気が立つ緑茶と併せて。
「おかえり。って、それ。」
「ただいま。同じの買って来ちゃったね。」
あ、ご機嫌取りで買ってきたんじゃないよ!と付け加えて言うと義高君が、短い笑いを溢した。
「そんなこと思ってねーよ。そんなら俺にも言えることじゃんか。」
「確かに。」
今朝、喧嘩をしてから始めてお互い笑顔で会話ができた。
「お前、餡子苦手なのに、ここの店のどら焼きは美味そうに食ってたからさ。気づいたら買ってた。」
「私も、このどら焼き見てたら義高君が美味しそうに頬張ってる姿が浮かんできて、つい…。」
私が言い淀んで、間が出来てしまった。
些細な事がきっかけだったとは言え、そろそろ今朝の喧嘩に終止符を打とう。
口を開けば、ごめん。と言う声が重なった。
喧嘩をして、仲直りするのに物でご機嫌取りなんて、と義高君には思われるかもしれない。けれども、仕事の帰り道に彼が好きな和菓子屋の、鈴の焼印がついたどら焼きを見てしまったら足を止めずにはいられなかった。
「あっ。」
帰ってきたら、テーブルに私が買ってきたのと同じどら焼きが2つお皿に乗っていた。茶飲みから、湯気が立つ緑茶と併せて。
「おかえり。って、それ。」
「ただいま。同じの買って来ちゃったね。」
あ、ご機嫌取りで買ってきたんじゃないよ!と付け加えて言うと義高君が、短い笑いを溢した。
「そんなこと思ってねーよ。そんなら俺にも言えることじゃんか。」
「確かに。」
今朝、喧嘩をしてから始めてお互い笑顔で会話ができた。
「お前、餡子苦手なのに、ここの店のどら焼きは美味そうに食ってたからさ。気づいたら買ってた。」
「私も、このどら焼き見てたら義高君が美味しそうに頬張ってる姿が浮かんできて、つい…。」
私が言い淀んで、間が出来てしまった。
些細な事がきっかけだったとは言え、そろそろ今朝の喧嘩に終止符を打とう。
口を開けば、ごめん。と言う声が重なった。