和谷夢短編集
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
泊まりがけの仕事の日の夜。
白シャツの胸ポケットに入れていた携帯が振えた。
「――もしもし?」
携帯の画面には『非通知』と表示されていて、一瞬いたずら電話の類かと思いつつも電話に出た。
「あ、繋がってよかった。義高くん、仕事お疲れ様。調子はいかが?」
「別にどうもしないけど。……ってお前、今なにで電話かけてんの?」
すると聞き慣れた声が返ってきて、拍子抜けする。
「公衆電話。」
「え、なんかあったのか?」
しかしそれも束の間のことで、携帯を持っているというのにわざわざ公衆電話でかけてくるから、何事かと心配になった。
「ううん。ただ、お釣りが20円だったから。」
「……は?」
予想外の返答に、間の抜けた声が出る。
電話の越しの彼女は、だから。と、前置いて話を続けた。
「買い物のお釣りが20円で、帰りに公衆電話があったわけですよ。そこでふと、義高くんを思い出し――」
「バカ、夜なら尚更寄り道してないで早く帰れっての!」
「……はーい。」
向こうの言葉を遮ってつい、語気強めに言ってしまった。
そして彼女の沈んだ声に少し罪悪感を覚えた俺は言った。
「家に着いたらちゃんと連絡、寄越せよ。」
するとすぐに、うん!と、彼女の元気な相槌が返ってきた。電話を切って、真っ正直で分かりやすいヤツだな。なんて思っていたら、いつの間にか俺の側に居た冴木さんに表情緩んでるぞ。と、指摘されてしまった。
白シャツの胸ポケットに入れていた携帯が振えた。
「――もしもし?」
携帯の画面には『非通知』と表示されていて、一瞬いたずら電話の類かと思いつつも電話に出た。
「あ、繋がってよかった。義高くん、仕事お疲れ様。調子はいかが?」
「別にどうもしないけど。……ってお前、今なにで電話かけてんの?」
すると聞き慣れた声が返ってきて、拍子抜けする。
「公衆電話。」
「え、なんかあったのか?」
しかしそれも束の間のことで、携帯を持っているというのにわざわざ公衆電話でかけてくるから、何事かと心配になった。
「ううん。ただ、お釣りが20円だったから。」
「……は?」
予想外の返答に、間の抜けた声が出る。
電話の越しの彼女は、だから。と、前置いて話を続けた。
「買い物のお釣りが20円で、帰りに公衆電話があったわけですよ。そこでふと、義高くんを思い出し――」
「バカ、夜なら尚更寄り道してないで早く帰れっての!」
「……はーい。」
向こうの言葉を遮ってつい、語気強めに言ってしまった。
そして彼女の沈んだ声に少し罪悪感を覚えた俺は言った。
「家に着いたらちゃんと連絡、寄越せよ。」
するとすぐに、うん!と、彼女の元気な相槌が返ってきた。電話を切って、真っ正直で分かりやすいヤツだな。なんて思っていたら、いつの間にか俺の側に居た冴木さんに表情緩んでるぞ。と、指摘されてしまった。