和谷夢短編集
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◇空白を埋めるキミ◇
火曜日の5時間目。給食で空腹が満たされた後の国語はやけに睡眠を誘う。いつしか寝ないようにと始めた教科書のわずかな空白は落書きで埋まっていた。
今日もいつものように落書きをしていたら、窓際の隣の席からすらりとした人差し指が伸びて私の机を叩いたのは和谷君。
俯いていた顔を上げると肩を寄せて、「悪い、一瞬借りる」待った無しで教科書は彼の手元に。
その空白を埋めている本人に渡ってしまうとは。
最悪だ。大して仲良くも無いのに、密かに自分の顔が書かれてたなんて気味悪がられるだろう。
和谷君が先生にあてられて、指定の部分を読み終わっても教科書は返って来なかった。どんな反応してるのか怖くて顔が見れない。
緊張のおかげで睡魔は吹き飛び、板書に集中しているとページ開かれたまま教科書が返ってきた。
一文字一文字がバランス良く書かれた綺麗な字のメッセージ付きで。
『上手いじゃん。俺でよけりゃいつでもどーぞ。ただし、書けたら今度は隠さず見せろよな!』
予想外の反応に浮かれた顔を見られたくなくて、そっぽ向いた。
火曜日の5時間目。給食で空腹が満たされた後の国語はやけに睡眠を誘う。いつしか寝ないようにと始めた教科書のわずかな空白は落書きで埋まっていた。
今日もいつものように落書きをしていたら、窓際の隣の席からすらりとした人差し指が伸びて私の机を叩いたのは和谷君。
俯いていた顔を上げると肩を寄せて、「悪い、一瞬借りる」待った無しで教科書は彼の手元に。
その空白を埋めている本人に渡ってしまうとは。
最悪だ。大して仲良くも無いのに、密かに自分の顔が書かれてたなんて気味悪がられるだろう。
和谷君が先生にあてられて、指定の部分を読み終わっても教科書は返って来なかった。どんな反応してるのか怖くて顔が見れない。
緊張のおかげで睡魔は吹き飛び、板書に集中しているとページ開かれたまま教科書が返ってきた。
一文字一文字がバランス良く書かれた綺麗な字のメッセージ付きで。
『上手いじゃん。俺でよけりゃいつでもどーぞ。ただし、書けたら今度は隠さず見せろよな!』
予想外の反応に浮かれた顔を見られたくなくて、そっぽ向いた。