和谷夢短編集
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◇時刻は23時、駅のホームで【社会人パロ】◇
「先輩、今までありがとうございましたーっ!」
今日は送別会。色紙とプレゼントを渡しながら言った俺に続き、やまびこのようにみんなが口を揃えてありがとうございましたと言う。
「それはこっちのセリフだよ、みんなありがとう」
少し涙ぐみながらも笑顔で言う女性の先輩。これにて飲み会はお開きになる。
たった3歳差なのに俺が入社した頃には既に副店長になっていて、ミスして落ち込んだ時は飲みに誘ってくれたり、資格試験にある営業ロープレも休みの日なのにわざわざ練習に付き合ってくれた。辞めたいと思っても先輩が居たから頑張れた。
その先輩が明日から職場に居ないのがまだ信じられない。
「どーしたの、そんなしんみりした顔しちゃって。和谷チーフ。」
駅の改札でそれぞれの路線に別れる。
俺と先輩が同じ路線なのと先輩に対する普段からの態度を知っててか同僚が俺のこと気遣ってくれたらしく、いつのまにか2人きりに。
「まだチーフじゃないってば!」
「あと1時間後にはチーフでしょ」
時刻は23時。
明日からまた月が変わると同時にチーフへ昇格。
「……本当に辞めちゃうんですね、先輩。」
「うん、自分でも実感湧かないや。」
先輩が辞めた理由は、やりたいことが見つかってその為には資格が必要で、また学生に戻ることになったから。
自分の夢のために安定した正社員と培ってきた役職を捨ててまで前に進んでいく先輩を素直に応援したいのに、今は自分の気持ちが抑えられない。
「寂しい?」
冗談まじりに悪戯に笑いながらそう聞かれてしまってはもう止まらない。
「寂しい、なんてもんじゃおさまらないです」
「あははっ。意地悪な質問してごめん。ほら笑顔が武器の和谷君がそんな顔してたら私も寂しくなっちゃ
うじゃない。」
そう言って俺の頭を撫でようとする手を掴み、真面目な顔。
「───ずっと一緒に居たいってくらい、先輩が好きです。」
先輩の邪魔をしないように言っちゃいないとは思ってたけど無理だった。
「……そんな風に思っててくれてたなん────」
「すぐに答え出さなくていいからっ!」
焦って、先輩の口元にギリギリ触れないぐらいに右手を添えた。
「これから忙しくなるってのに困らせるようなこと言ってごめん。」
「ううん、ストレートに気持ちを伝えてもらえるなんて嬉しい限りだよ、ありがとう。」
やんわりと受け止められ、ホッとする。
でも答えは急がない。
これで先輩の中で俺がただの後輩じゃなくなったのなら、それだけで今は満足だった。
「先輩、今までありがとうございましたーっ!」
今日は送別会。色紙とプレゼントを渡しながら言った俺に続き、やまびこのようにみんなが口を揃えてありがとうございましたと言う。
「それはこっちのセリフだよ、みんなありがとう」
少し涙ぐみながらも笑顔で言う女性の先輩。これにて飲み会はお開きになる。
たった3歳差なのに俺が入社した頃には既に副店長になっていて、ミスして落ち込んだ時は飲みに誘ってくれたり、資格試験にある営業ロープレも休みの日なのにわざわざ練習に付き合ってくれた。辞めたいと思っても先輩が居たから頑張れた。
その先輩が明日から職場に居ないのがまだ信じられない。
「どーしたの、そんなしんみりした顔しちゃって。和谷チーフ。」
駅の改札でそれぞれの路線に別れる。
俺と先輩が同じ路線なのと先輩に対する普段からの態度を知っててか同僚が俺のこと気遣ってくれたらしく、いつのまにか2人きりに。
「まだチーフじゃないってば!」
「あと1時間後にはチーフでしょ」
時刻は23時。
明日からまた月が変わると同時にチーフへ昇格。
「……本当に辞めちゃうんですね、先輩。」
「うん、自分でも実感湧かないや。」
先輩が辞めた理由は、やりたいことが見つかってその為には資格が必要で、また学生に戻ることになったから。
自分の夢のために安定した正社員と培ってきた役職を捨ててまで前に進んでいく先輩を素直に応援したいのに、今は自分の気持ちが抑えられない。
「寂しい?」
冗談まじりに悪戯に笑いながらそう聞かれてしまってはもう止まらない。
「寂しい、なんてもんじゃおさまらないです」
「あははっ。意地悪な質問してごめん。ほら笑顔が武器の和谷君がそんな顔してたら私も寂しくなっちゃ
うじゃない。」
そう言って俺の頭を撫でようとする手を掴み、真面目な顔。
「───ずっと一緒に居たいってくらい、先輩が好きです。」
先輩の邪魔をしないように言っちゃいないとは思ってたけど無理だった。
「……そんな風に思っててくれてたなん────」
「すぐに答え出さなくていいからっ!」
焦って、先輩の口元にギリギリ触れないぐらいに右手を添えた。
「これから忙しくなるってのに困らせるようなこと言ってごめん。」
「ううん、ストレートに気持ちを伝えてもらえるなんて嬉しい限りだよ、ありがとう。」
やんわりと受け止められ、ホッとする。
でも答えは急がない。
これで先輩の中で俺がただの後輩じゃなくなったのなら、それだけで今は満足だった。