和谷夢短編集
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◇帰んなよ。【社会人パロ】◇
「はぁ……」
飲み会兼同期のお別れ会で珍しく立てなくなるほど酔った、和谷義高を店の休憩室のパイプ椅子に座らせてひと段落。
休憩室までついて来てくれた同僚達が二次会に行くのを見送り、テーブルに頰をつけて座る和谷と2人きり。
次の日仕事もあるのに終電調べないという酷い状況の中、運良くお店(勤務先)の近くの飲食店で飲んでたことだけが救いだった。社員の中で唯一私だけが、徒歩圏内で家に帰れるから必然的に介抱するのはもう決まっていたようなもん。それから和谷が酔っ払って私に絡んできたのも原因の一つ。
「わりーな。伊角さん、明日仕事だろ?」
「ダメだこりゃ」
にしても人の判別もできなくなるほど酔っ払うとは、同期として5年もの付き合いで始めて。よほど楽しかったんだろう。
「へへっ、冗談らってば」
「はいはい。お冷やでも飲んで早く寝なよ」
「おー、サンキュー。」
紙コップに入れた水道水を目の前に置く。ただでさえ柔らかい表情に酔いでまた柔らかさが加わって可愛い。絶対口に出して言えないけど。
「じゃ、しじみの味噌汁置いとくから、明日の朝お湯沸かして飲んでね。」
二日酔いと切っては切れない、コンビニのインスタントのしじみの味噌汁。自分用に飲み会の後に買いに行くのが面倒だったから、朝出勤前に買っといたのが今ここで役に立ちそうで何より。そしてテーブルに置いていたバックに手をかける。
「そう、優しくされると好きって言っちゃいそー。」
「……」
「もう言ってんじゃん俺」
普段から軽はずみでそういうこと言ったりしないヤツだって知ってたから酒の力とはいえ、つい固まって私も動揺しているのがなんだか悔しい。
バックを肩にかけ、おやすみ、この酔っ払いめ。同期だからこそ出来るこの雑な言い方に加えて額を指で弾こうとすると、急に起き上がって、構えていたその手を彼の片手で覆われた。
「帰んなよ」
明日も休みだし特にこれといった予定があったわけじゃ無い。断る権利も十分あったはずなのに結局、目の前に座って和谷が寝るまで話し相手になっていた。帰ることも出来たのに、今更だけど彼を放っといて二次会に行くことだって出来たのに私はなんでここに残ったんだと考えつつ、目が覚めたのは先輩である伊角さんの声。
「2人とも起きろよ。変な噂が広まってもいいのか」
「え、伊角さん!?てことは…。」
「私、帰ります!」
やっと、出勤時間間近であることを把握。揃って昨日とおんなじ服がどんな噂が立つかを物語っていた。同僚に見つからないように、休憩室から出ようとすると和谷に名前を言われ呼び止められる。
「あのさ俺、お前になんか変なこと言ってなかった?」
また動揺させられるようなことを言われるけど、それを悟られないように答える。
「あんた寝てたから大丈夫。」
「そっか」
安心したような表情を見て意地悪したくなった。
「なーに、私に聞かれちゃマズイことでもあんの?」
「バッ……別にねーよ!」
酔っていたから本音なのか確信が持てないし、もし仮にだ、本音だったとしたら、和谷の男としてのプライドをへし折りたくはないから今はまだ黙っておくことにした。
「はぁ……」
飲み会兼同期のお別れ会で珍しく立てなくなるほど酔った、和谷義高を店の休憩室のパイプ椅子に座らせてひと段落。
休憩室までついて来てくれた同僚達が二次会に行くのを見送り、テーブルに頰をつけて座る和谷と2人きり。
次の日仕事もあるのに終電調べないという酷い状況の中、運良くお店(勤務先)の近くの飲食店で飲んでたことだけが救いだった。社員の中で唯一私だけが、徒歩圏内で家に帰れるから必然的に介抱するのはもう決まっていたようなもん。それから和谷が酔っ払って私に絡んできたのも原因の一つ。
「わりーな。伊角さん、明日仕事だろ?」
「ダメだこりゃ」
にしても人の判別もできなくなるほど酔っ払うとは、同期として5年もの付き合いで始めて。よほど楽しかったんだろう。
「へへっ、冗談らってば」
「はいはい。お冷やでも飲んで早く寝なよ」
「おー、サンキュー。」
紙コップに入れた水道水を目の前に置く。ただでさえ柔らかい表情に酔いでまた柔らかさが加わって可愛い。絶対口に出して言えないけど。
「じゃ、しじみの味噌汁置いとくから、明日の朝お湯沸かして飲んでね。」
二日酔いと切っては切れない、コンビニのインスタントのしじみの味噌汁。自分用に飲み会の後に買いに行くのが面倒だったから、朝出勤前に買っといたのが今ここで役に立ちそうで何より。そしてテーブルに置いていたバックに手をかける。
「そう、優しくされると好きって言っちゃいそー。」
「……」
「もう言ってんじゃん俺」
普段から軽はずみでそういうこと言ったりしないヤツだって知ってたから酒の力とはいえ、つい固まって私も動揺しているのがなんだか悔しい。
バックを肩にかけ、おやすみ、この酔っ払いめ。同期だからこそ出来るこの雑な言い方に加えて額を指で弾こうとすると、急に起き上がって、構えていたその手を彼の片手で覆われた。
「帰んなよ」
明日も休みだし特にこれといった予定があったわけじゃ無い。断る権利も十分あったはずなのに結局、目の前に座って和谷が寝るまで話し相手になっていた。帰ることも出来たのに、今更だけど彼を放っといて二次会に行くことだって出来たのに私はなんでここに残ったんだと考えつつ、目が覚めたのは先輩である伊角さんの声。
「2人とも起きろよ。変な噂が広まってもいいのか」
「え、伊角さん!?てことは…。」
「私、帰ります!」
やっと、出勤時間間近であることを把握。揃って昨日とおんなじ服がどんな噂が立つかを物語っていた。同僚に見つからないように、休憩室から出ようとすると和谷に名前を言われ呼び止められる。
「あのさ俺、お前になんか変なこと言ってなかった?」
また動揺させられるようなことを言われるけど、それを悟られないように答える。
「あんた寝てたから大丈夫。」
「そっか」
安心したような表情を見て意地悪したくなった。
「なーに、私に聞かれちゃマズイことでもあんの?」
「バッ……別にねーよ!」
酔っていたから本音なのか確信が持てないし、もし仮にだ、本音だったとしたら、和谷の男としてのプライドをへし折りたくはないから今はまだ黙っておくことにした。