和谷夢短編集
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◇本当の幸せとは◇
「───はぁ。」
今日はタイトルの挑戦者決定戦の予選準々決勝だった。
さすがにそこまで進むとなると一筋縄ではいかなくて、敗北。
対局後に検討を森下師匠にしてもらってすっかり夜に。
しかも、雨も結構降っているみたいだ。
家にいる彼女に何時になるか分かんないと言ったから、帰る前に腹ごしらえをしようと思って何か食べて帰ろうと考えながら改札を出ると
「義高ー!お疲れ様!」
「ありがと…ってお前、ずっと待ってたのか?」
傘をさしてもう一本は手に持ち
俺を発見するなり駆け寄って来た。
「うん、夜から雨降るよって言ったのに義高出ていっちゃったから傘持ってきた。」
そう言って、口角を上げていつもの笑顔を見せてくれた。
「────ははっ。なんか、今ので吹っ飛んだ。」
「何が?」
「なんでも。ほら、傘2つ持つから貸してくれよ。」
「義高の分も持って来たのにささないの?」
「1本で十分」
今日負けたのは悔しいけど、
コイツのお気楽な笑顔のおかげでそんなのも吹き飛んでしまった。
「お腹空いたでしょ?夜遅いけど今日だけはラーメンとかコッテリ系食べても目を瞑ってあげようではないか、義高君。」
「いつも夜中に甘いもん食ってるお前が偉そーに言うな。」
彼女とこうして同じ傘の中に入って冷え切った手を暖めるように握って
夜道を歩いて一緒に帰ったり、
一緒に毎日の朝や夜を迎えられるのも確かに幸せだと思うけど
俺は自分に降りかかってくる雨にこうして傘を指してくれるヤツが居ることの方がより幸せだと感じた。
「───はぁ。」
今日はタイトルの挑戦者決定戦の予選準々決勝だった。
さすがにそこまで進むとなると一筋縄ではいかなくて、敗北。
対局後に検討を森下師匠にしてもらってすっかり夜に。
しかも、雨も結構降っているみたいだ。
家にいる彼女に何時になるか分かんないと言ったから、帰る前に腹ごしらえをしようと思って何か食べて帰ろうと考えながら改札を出ると
「義高ー!お疲れ様!」
「ありがと…ってお前、ずっと待ってたのか?」
傘をさしてもう一本は手に持ち
俺を発見するなり駆け寄って来た。
「うん、夜から雨降るよって言ったのに義高出ていっちゃったから傘持ってきた。」
そう言って、口角を上げていつもの笑顔を見せてくれた。
「────ははっ。なんか、今ので吹っ飛んだ。」
「何が?」
「なんでも。ほら、傘2つ持つから貸してくれよ。」
「義高の分も持って来たのにささないの?」
「1本で十分」
今日負けたのは悔しいけど、
コイツのお気楽な笑顔のおかげでそんなのも吹き飛んでしまった。
「お腹空いたでしょ?夜遅いけど今日だけはラーメンとかコッテリ系食べても目を瞑ってあげようではないか、義高君。」
「いつも夜中に甘いもん食ってるお前が偉そーに言うな。」
彼女とこうして同じ傘の中に入って冷え切った手を暖めるように握って
夜道を歩いて一緒に帰ったり、
一緒に毎日の朝や夜を迎えられるのも確かに幸せだと思うけど
俺は自分に降りかかってくる雨にこうして傘を指してくれるヤツが居ることの方がより幸せだと感じた。