和谷夢短編集
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◇おみくじ◇
ため息の音を耳で拾ってしまったもんだから、後ろから覗いてみる。ため息の原因はどうやらおみくじのようで、「待ち人」というところに指を置いているあたり、その結果に落胆していたようだ。
「来ず、か。」
「碁の勉強に励みなさいってことだよね。」
苦笑いされながらそう言われると、動かずにはいられない。俺はそいつの手からおみくじを取って言った。
「このおみくじ、外れてるから結んできてやるよ。」
「え、外れてるってどういうこと?」
彼女の問いに一切答えず、俺はおみくじ掛けヘと歩む。
お前の待ち人は今ここに居る。なんて、言う勇気がなかったから。
ため息の音を耳で拾ってしまったもんだから、後ろから覗いてみる。ため息の原因はどうやらおみくじのようで、「待ち人」というところに指を置いているあたり、その結果に落胆していたようだ。
「来ず、か。」
「碁の勉強に励みなさいってことだよね。」
苦笑いされながらそう言われると、動かずにはいられない。俺はそいつの手からおみくじを取って言った。
「このおみくじ、外れてるから結んできてやるよ。」
「え、外れてるってどういうこと?」
彼女の問いに一切答えず、俺はおみくじ掛けヘと歩む。
お前の待ち人は今ここに居る。なんて、言う勇気がなかったから。