和谷夢短編集
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◇11月11日◇
ピロンピロンと自動ドアが開く音して、入り口に目をやる。
あ、また来た。
「今、また来たって顔したろお前」
「大正解」
「笑顔で開き直んなよ」
中学卒業したこの春から一人暮らしを始めたはずの彼は洗濯とかは実家でしてもらうために、地元にアパートを借りているとのこと。
家からの近さとあんまり混まない平和な労働環境を理由に今の規模がちっさいコンビニをバイト先に選んだ私も私だけど、まさか和谷の借りてるアパートの近くだとは。
その暇な環境のせいか、やること一通り終わったら店長は裏に篭って私は1人店の番人。
こうして店に私と和谷しか居ない時間があるのもしょっちゅうのこと。
「よろしく」
「了解」
和谷がいつもと同じカゴいっぱいに詰め込んだカップ麺をレジテーブルに乗せる。
私もいつもの様に流れ作業で、商品のバーコードを読み取っていると
「あ、それだけ別にして」
「おっけー」
商品別けて、とは珍しい。
カップ麺の山に埋もれて発掘されたその商品はチョコポッキーだった。
なんとなく和谷はせんべいとかどら焼きのほうが似合ってそうな感じでなんだか新鮮。
一通りバーコードを通し終わって
「全部でせ、んっ」
合計1320円の『せ』の字を言おうと口を開いたところだった、ついさっきのチョコポッキーのチョコの部分が私の口の中に放り込まれてさらにパキッと器用に和谷が半分に割った音がしたのは。
思わず口を閉じてしまい、与えられた分はサク、サクと軽やかに音を鳴らし勤務時間中でありながらも食べてしまった。
「んじゃ、あと1時間だっけ。頑張れよ」
「……」
ニッと笑いながらそう言って、残りの半分のポッキーを口に含みながら1320円をマネートレーに置いて、出て行ってしまった。
自分の今の状況に気づけたのは
「なんか顔、赤くない?」
数分後、裏から出てきた店長にそう言われたこの一言だった。
ピロンピロンと自動ドアが開く音して、入り口に目をやる。
あ、また来た。
「今、また来たって顔したろお前」
「大正解」
「笑顔で開き直んなよ」
中学卒業したこの春から一人暮らしを始めたはずの彼は洗濯とかは実家でしてもらうために、地元にアパートを借りているとのこと。
家からの近さとあんまり混まない平和な労働環境を理由に今の規模がちっさいコンビニをバイト先に選んだ私も私だけど、まさか和谷の借りてるアパートの近くだとは。
その暇な環境のせいか、やること一通り終わったら店長は裏に篭って私は1人店の番人。
こうして店に私と和谷しか居ない時間があるのもしょっちゅうのこと。
「よろしく」
「了解」
和谷がいつもと同じカゴいっぱいに詰め込んだカップ麺をレジテーブルに乗せる。
私もいつもの様に流れ作業で、商品のバーコードを読み取っていると
「あ、それだけ別にして」
「おっけー」
商品別けて、とは珍しい。
カップ麺の山に埋もれて発掘されたその商品はチョコポッキーだった。
なんとなく和谷はせんべいとかどら焼きのほうが似合ってそうな感じでなんだか新鮮。
一通りバーコードを通し終わって
「全部でせ、んっ」
合計1320円の『せ』の字を言おうと口を開いたところだった、ついさっきのチョコポッキーのチョコの部分が私の口の中に放り込まれてさらにパキッと器用に和谷が半分に割った音がしたのは。
思わず口を閉じてしまい、与えられた分はサク、サクと軽やかに音を鳴らし勤務時間中でありながらも食べてしまった。
「んじゃ、あと1時間だっけ。頑張れよ」
「……」
ニッと笑いながらそう言って、残りの半分のポッキーを口に含みながら1320円をマネートレーに置いて、出て行ってしまった。
自分の今の状況に気づけたのは
「なんか顔、赤くない?」
数分後、裏から出てきた店長にそう言われたこの一言だった。