和谷夢短編集
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
◇痴話喧嘩するほど仲が良い◇
「義高の小姑!」
朝からバタンっ!と勢いよく閉められた玄関のドアの音が響いた後に
1人残った部屋には静寂が訪れた。
「誰が小姑だ…あんにゃろぉ。」
そう1人で呟いて冷静になるのに碁を打ちながら2,3時間後。
やっぱり何してても喧嘩した彼女のことしか考えられなくてようやく重い腰を持ち上げ携帯を開く。
が、俺から連絡するのもなんか負けた気がして嫌だ。
でもどうにかしたい。
そう思って足を運んだ場所は
「和谷から相談されんのってなんか慣れないなァ。」
「まぁ、そう言わずに聞いてくれよ、伊角さん。
彼女と喧嘩した時の仲直りはどうすればいい?」
一人暮らししてる伊角さんのマンション。
「彼女いない俺に聞くのか、それ。」
「俺の知り合いで伊角さんが一番まともな回答くれそうだなって思って。」
「冴木さんは?」
「今地方に行ってる。」
「なるほど。……とりあえず、喧嘩しててお互いの嫌なとこばっかしか見えてないだろうから逆に好きなとこを言うってのはどうかな。
荒療治かもしれないけど褒めてればその内、喧嘩したことなんかどうでもよくなるんじゃないか?」
「妙案!」
伊角さんの話に乗ってアイツを褒めることに。
「じゃまず1つめ」
「ガサツだけど要点抑えるのが上手い。」
「2つめ」
「何に対してもなんとかなるっていうお気楽な考えに救われる。」
という感じで割と出てくる。
その後も何個か言って褒めきって
いい加減、アイツに謝ろうと思った時伊角さんが
「せっかくなら練習していけよ。」
「練習?」
「ただ、謝るだけじゃなくて何か1つ滅多に言えないことをプラスで付け加えると、許してもらえやすいかも。」
「プラスで…?…愛してるとか?」
「シンプルでいいんじゃないか」
そんなこと言うから
今日の伊角さんやけに積極的だな。なんて思いつつも、少し考えて練習してみる。
「じゃ、言ってみる。」
「俺に向かってじゃ恥ずかしいだろうから、あのタンスに向かって言ってみろよ」
「分かった。」
────ゴホン。と喉を鳴らす。
「ごめん、怒鳴ったりして悪かった。その、お前のこと…愛してるから、早く帰って来て欲しい。」
伊角さんに見守られながら言った。
「だってよ。そろそろお前も許したらどうだ?」
「?」
急に伊角さんが変なことを言うから首を傾げると、目の前のタンスが勝手に開いてそこにいたのは
「……」
「あーっ!」
顔を赤く染めているアイツで。
「……私の方こそ、ごめん。
でもそこまで言ってくれるとは思ってなかった。……ありがと。」
なんで伊角さん家に転がり込んでるのかを聞く前にさっきの練習がフラッシュバックして俺も顔が熱くなる。
「ばっ…馬鹿。お前こんなとこで何してんだよ!伊角さんに迷惑かけて!」
「頼れる女友達みーんな、運悪く予定入ってて無理だったんだよ!
でも誰かに話聞いて欲しかったし、
奥の手で友達少ない私には伊角さんしか居なかった!」
「伊角さんに甘えんな!」
「そーいう、義高こそ伊角さん頼ってんじゃない!」
人の家にも関わらず言い合いしていると
「ぷっ…。お前らほんと院生の頃から何も変わってない」
伊角さんが笑った。
それを見てなんか俺もアイツも喧嘩してたのがどーでもよくなった。
それから罪滅ぼしに2人で伊角さんに昼飯を奢ることにした。
「───で、喧嘩の原因は?」
2人で声を合わせて
3色の歯磨き粉と、答えた。
「コイツに何回も後ろから絞って使えって注意してんのに真ん中握って堂々
と使うから。」
「ほんと、義高って小姑。」
また小さな言い合い。
目の前の伊角さんは地蔵のように微笑んで笑ってる。
なに?と声を揃えて聞く。
「…平和だなって。
喧嘩するほど仲がいいって言葉、本当にお前らにぴったりだなって考えてた。」
2人して言い返す言葉が出てこず。
「言い合いしてるお前らが一番楽しそうで生き生きしてる。」
さらに伊角さんにそう言われて腑に落ちた。
確かに言い合いしつつも
冷たくされたり、無反応
よりかはその方が楽しい。
そしてだんだん語彙力がなくなって小学生みたいなこと言い出す可愛いアイツが見れるのも悪くない。
なんて思ってしまう
自分が居たことに今気づいた。
「義高の小姑!」
朝からバタンっ!と勢いよく閉められた玄関のドアの音が響いた後に
1人残った部屋には静寂が訪れた。
「誰が小姑だ…あんにゃろぉ。」
そう1人で呟いて冷静になるのに碁を打ちながら2,3時間後。
やっぱり何してても喧嘩した彼女のことしか考えられなくてようやく重い腰を持ち上げ携帯を開く。
が、俺から連絡するのもなんか負けた気がして嫌だ。
でもどうにかしたい。
そう思って足を運んだ場所は
「和谷から相談されんのってなんか慣れないなァ。」
「まぁ、そう言わずに聞いてくれよ、伊角さん。
彼女と喧嘩した時の仲直りはどうすればいい?」
一人暮らししてる伊角さんのマンション。
「彼女いない俺に聞くのか、それ。」
「俺の知り合いで伊角さんが一番まともな回答くれそうだなって思って。」
「冴木さんは?」
「今地方に行ってる。」
「なるほど。……とりあえず、喧嘩しててお互いの嫌なとこばっかしか見えてないだろうから逆に好きなとこを言うってのはどうかな。
荒療治かもしれないけど褒めてればその内、喧嘩したことなんかどうでもよくなるんじゃないか?」
「妙案!」
伊角さんの話に乗ってアイツを褒めることに。
「じゃまず1つめ」
「ガサツだけど要点抑えるのが上手い。」
「2つめ」
「何に対してもなんとかなるっていうお気楽な考えに救われる。」
という感じで割と出てくる。
その後も何個か言って褒めきって
いい加減、アイツに謝ろうと思った時伊角さんが
「せっかくなら練習していけよ。」
「練習?」
「ただ、謝るだけじゃなくて何か1つ滅多に言えないことをプラスで付け加えると、許してもらえやすいかも。」
「プラスで…?…愛してるとか?」
「シンプルでいいんじゃないか」
そんなこと言うから
今日の伊角さんやけに積極的だな。なんて思いつつも、少し考えて練習してみる。
「じゃ、言ってみる。」
「俺に向かってじゃ恥ずかしいだろうから、あのタンスに向かって言ってみろよ」
「分かった。」
────ゴホン。と喉を鳴らす。
「ごめん、怒鳴ったりして悪かった。その、お前のこと…愛してるから、早く帰って来て欲しい。」
伊角さんに見守られながら言った。
「だってよ。そろそろお前も許したらどうだ?」
「?」
急に伊角さんが変なことを言うから首を傾げると、目の前のタンスが勝手に開いてそこにいたのは
「……」
「あーっ!」
顔を赤く染めているアイツで。
「……私の方こそ、ごめん。
でもそこまで言ってくれるとは思ってなかった。……ありがと。」
なんで伊角さん家に転がり込んでるのかを聞く前にさっきの練習がフラッシュバックして俺も顔が熱くなる。
「ばっ…馬鹿。お前こんなとこで何してんだよ!伊角さんに迷惑かけて!」
「頼れる女友達みーんな、運悪く予定入ってて無理だったんだよ!
でも誰かに話聞いて欲しかったし、
奥の手で友達少ない私には伊角さんしか居なかった!」
「伊角さんに甘えんな!」
「そーいう、義高こそ伊角さん頼ってんじゃない!」
人の家にも関わらず言い合いしていると
「ぷっ…。お前らほんと院生の頃から何も変わってない」
伊角さんが笑った。
それを見てなんか俺もアイツも喧嘩してたのがどーでもよくなった。
それから罪滅ぼしに2人で伊角さんに昼飯を奢ることにした。
「───で、喧嘩の原因は?」
2人で声を合わせて
3色の歯磨き粉と、答えた。
「コイツに何回も後ろから絞って使えって注意してんのに真ん中握って堂々
と使うから。」
「ほんと、義高って小姑。」
また小さな言い合い。
目の前の伊角さんは地蔵のように微笑んで笑ってる。
なに?と声を揃えて聞く。
「…平和だなって。
喧嘩するほど仲がいいって言葉、本当にお前らにぴったりだなって考えてた。」
2人して言い返す言葉が出てこず。
「言い合いしてるお前らが一番楽しそうで生き生きしてる。」
さらに伊角さんにそう言われて腑に落ちた。
確かに言い合いしつつも
冷たくされたり、無反応
よりかはその方が楽しい。
そしてだんだん語彙力がなくなって小学生みたいなこと言い出す可愛いアイツが見れるのも悪くない。
なんて思ってしまう
自分が居たことに今気づいた。