ヒカルの碁BL、NLごちゃまぜ
◇言えない一言【進藤ヒカル】◇
研究会で和谷の家に着くなり進藤、ここ。と頭を指差されて紅葉が髪についていたのにやっと気づく。
紅葉を手にとると、浮かぶ顔。
ちょうど、こんな時期だったけ。
アイツに会ったの。
未だになんで急に俺の前から居なくなったのか、むしろなんで俺だけに見えていたのか謎は深まるばかりで迷宮入り。
今でも不思議な感覚が残る。アイツが居なかったら俺きっと今ここに居ないって考えると。
「進藤、玄関に突っ立てねーで早くあがれよ」
「あぁ。」
ジッと紅葉を見る俺のことを和谷は深く詮索することもなく、碁盤を拭いていた。
それから伊角さんや冴木さん達が来て、少し離れたところに座ってみんなを見る。
────なぁ、佐為。
こうして今俺がここに居るのも、この世界にいるのも、塔矢と張り合えるようになったのもお前のおかげなんだぜ。
だから今更だけど俺、お前にずっと言いたい言葉があったんだ。
────ありがとう。
このたった一言さえも、もう言えない。
研究会で和谷の家に着くなり進藤、ここ。と頭を指差されて紅葉が髪についていたのにやっと気づく。
紅葉を手にとると、浮かぶ顔。
ちょうど、こんな時期だったけ。
アイツに会ったの。
未だになんで急に俺の前から居なくなったのか、むしろなんで俺だけに見えていたのか謎は深まるばかりで迷宮入り。
今でも不思議な感覚が残る。アイツが居なかったら俺きっと今ここに居ないって考えると。
「進藤、玄関に突っ立てねーで早くあがれよ」
「あぁ。」
ジッと紅葉を見る俺のことを和谷は深く詮索することもなく、碁盤を拭いていた。
それから伊角さんや冴木さん達が来て、少し離れたところに座ってみんなを見る。
────なぁ、佐為。
こうして今俺がここに居るのも、この世界にいるのも、塔矢と張り合えるようになったのもお前のおかげなんだぜ。
だから今更だけど俺、お前にずっと言いたい言葉があったんだ。
────ありがとう。
このたった一言さえも、もう言えない。