ヒカルの碁BL、NLごちゃまぜ
◇君じゃなきゃダメなんだ【ヒカアキ】◇
『リビングから動けない』
「は?」
そろそろ寝ようとスマホをいじっている所に突然、塔矢から電話がかかってきて何事かと思いきや、その一言。
『このままでは僕はこの家に住めなくなる』
「いや、意味分かんねーんだけど。」
『とにかく、来てくれ。』
「ヤダよ。そんなわけ分かんねーことで俺の睡眠時間削りたくねーもん。
ふざけてんなら切るぞ」
『進藤、貴様!ふざけるな!こっちは緊急事態だというのに僕を見殺しにする気か!?』
夜中に電話しといて何様だと思ってんだよ、コイツ。
と、思いつつ電話を切るのはまだよしておく。
「俺じゃなくても他に頼れるヤツいんだろ?」
第一、俺のマンションよりも芦原さんの方が塔矢の1人暮らししてるマンションに徒歩圏内で行けて近い。
『いや、ダメだ…。誰かじゃなくて、キミじゃなきゃダメなんだ。』
「……」
そんなに今俺が必要とされているのが分かると、いくらコイツでも断りにくく行くしか選択肢が無くなった。
自転車飛ばせばいける距離だから、部屋着のまま、ペダルこいで塔矢のマンションへと向かう。
着いたらインターホンを押す前に連絡をしろと言われたから、一本電話を入れる。
すると、鍵は空いているからそのまま入ってくれと言われてドアを開ける。
廊下を進みリビングに向かうと机にガラスコップを逆さにしてそれを抑えつけながら立っている塔矢を発見。
「おーい」
「やっと来たか、進藤」
「……お前、何してんの?」
「君はこの状況を見て分からないか?ヤツを逃さないよう閉じ込めている。」
「なんだよ、ゴキブ────」
「その名前を呼ぶな!!聞くだけで鳥肌が立つ!早くなんとかしてくれ、これ以上打つ手がない!」
G1匹ごときで焦っている滅多に見れない塔矢を見て
「ぷっ…さすがの塔矢もコイツには投了か。」
「笑い事じゃないぞ進藤!」
耐えきれず笑いが溢れる。
「なんか丸められそうな新聞とかチラシとか、本とかねーの?」
手っ取り早く潰すのが早いと思って言うと
「君はそんな得体の知れないものを潰した机で食事を取れるのか?おぞましい」
「何も言ってねーのになんだその目!ゴミを見るような目で見んな!じゃあ殺虫剤スプレー!」
「そもそも出ること自体、想定してなかったんだ、あるわけないだろう!」
「じゃ、どーすんだよ!」
こういう時に限って焦って自分が持ってるスマホという便利な機械があるのすら忘れるほど周りが見えなくなり、お互い一旦落ち着く。
スマホで調べた結果。消臭スプレーでGを退治出来ることが判明。
塔矢がコップを外した瞬間にすかさず俺がスプレーをかけまくり、退治。
これにて一見落着。
塔矢本人は例のGを閉じ込めるのに使ったガラスコップと、机はもう捨てるとか言っていた。
「生まれて初めてヤツと対面したんだ。」
本人は至って真面目な顔で言うからこれがまた面白い。
下手したらGなんて絶滅危惧種ぐらいに思ってんじゃないか。
「人間居るとこはどうしても汚くなるからしょうがねぇな。出来るだけ出ないようにするしか。
今まで家を綺麗に保ってくれた母さんに感謝しろよな。」
「進藤にしては珍しくまともなことを言うな。」
「俺をなんだと思ってんだよ!せっかく、お前があんなこと言うから来てやったのに」
「あんなこと?」
「俺じゃなきゃダメだって」
すると、あぁ。と思い出したように言う。自分で言った癖に忘れやがって。
「ヤツが出たなんて人様に見せられるモノではないし」
「おっ前なー!」
俺は人間以下かよ!って言い返そうと思ったところで
「それに、あんな取り乱したところ見せられるのはキミしかいないなって思った。」
そう素直に出られてしまうと何も言えなくなる。
「そりゃどーも。もう、帰るからな。」
「夜急に呼び出して悪かった、ありがとう。おやすみ」
「……おやすみ。」
次に和谷達に会った時にネタにしてやろうかと思ったけど、俺もそこまで鬼じゃない。
珍しく最後に素直になった塔矢に免じてそれは辞めておいてやろう。
『リビングから動けない』
「は?」
そろそろ寝ようとスマホをいじっている所に突然、塔矢から電話がかかってきて何事かと思いきや、その一言。
『このままでは僕はこの家に住めなくなる』
「いや、意味分かんねーんだけど。」
『とにかく、来てくれ。』
「ヤダよ。そんなわけ分かんねーことで俺の睡眠時間削りたくねーもん。
ふざけてんなら切るぞ」
『進藤、貴様!ふざけるな!こっちは緊急事態だというのに僕を見殺しにする気か!?』
夜中に電話しといて何様だと思ってんだよ、コイツ。
と、思いつつ電話を切るのはまだよしておく。
「俺じゃなくても他に頼れるヤツいんだろ?」
第一、俺のマンションよりも芦原さんの方が塔矢の1人暮らししてるマンションに徒歩圏内で行けて近い。
『いや、ダメだ…。誰かじゃなくて、キミじゃなきゃダメなんだ。』
「……」
そんなに今俺が必要とされているのが分かると、いくらコイツでも断りにくく行くしか選択肢が無くなった。
自転車飛ばせばいける距離だから、部屋着のまま、ペダルこいで塔矢のマンションへと向かう。
着いたらインターホンを押す前に連絡をしろと言われたから、一本電話を入れる。
すると、鍵は空いているからそのまま入ってくれと言われてドアを開ける。
廊下を進みリビングに向かうと机にガラスコップを逆さにしてそれを抑えつけながら立っている塔矢を発見。
「おーい」
「やっと来たか、進藤」
「……お前、何してんの?」
「君はこの状況を見て分からないか?ヤツを逃さないよう閉じ込めている。」
「なんだよ、ゴキブ────」
「その名前を呼ぶな!!聞くだけで鳥肌が立つ!早くなんとかしてくれ、これ以上打つ手がない!」
G1匹ごときで焦っている滅多に見れない塔矢を見て
「ぷっ…さすがの塔矢もコイツには投了か。」
「笑い事じゃないぞ進藤!」
耐えきれず笑いが溢れる。
「なんか丸められそうな新聞とかチラシとか、本とかねーの?」
手っ取り早く潰すのが早いと思って言うと
「君はそんな得体の知れないものを潰した机で食事を取れるのか?おぞましい」
「何も言ってねーのになんだその目!ゴミを見るような目で見んな!じゃあ殺虫剤スプレー!」
「そもそも出ること自体、想定してなかったんだ、あるわけないだろう!」
「じゃ、どーすんだよ!」
こういう時に限って焦って自分が持ってるスマホという便利な機械があるのすら忘れるほど周りが見えなくなり、お互い一旦落ち着く。
スマホで調べた結果。消臭スプレーでGを退治出来ることが判明。
塔矢がコップを外した瞬間にすかさず俺がスプレーをかけまくり、退治。
これにて一見落着。
塔矢本人は例のGを閉じ込めるのに使ったガラスコップと、机はもう捨てるとか言っていた。
「生まれて初めてヤツと対面したんだ。」
本人は至って真面目な顔で言うからこれがまた面白い。
下手したらGなんて絶滅危惧種ぐらいに思ってんじゃないか。
「人間居るとこはどうしても汚くなるからしょうがねぇな。出来るだけ出ないようにするしか。
今まで家を綺麗に保ってくれた母さんに感謝しろよな。」
「進藤にしては珍しくまともなことを言うな。」
「俺をなんだと思ってんだよ!せっかく、お前があんなこと言うから来てやったのに」
「あんなこと?」
「俺じゃなきゃダメだって」
すると、あぁ。と思い出したように言う。自分で言った癖に忘れやがって。
「ヤツが出たなんて人様に見せられるモノではないし」
「おっ前なー!」
俺は人間以下かよ!って言い返そうと思ったところで
「それに、あんな取り乱したところ見せられるのはキミしかいないなって思った。」
そう素直に出られてしまうと何も言えなくなる。
「そりゃどーも。もう、帰るからな。」
「夜急に呼び出して悪かった、ありがとう。おやすみ」
「……おやすみ。」
次に和谷達に会った時にネタにしてやろうかと思ったけど、俺もそこまで鬼じゃない。
珍しく最後に素直になった塔矢に免じてそれは辞めておいてやろう。