ヒカルの碁BL、NLごちゃまぜ
◇門限交渉【ヒカアキ】◇
塔矢は眉を潜めた。
俺が今週の土曜日。の一言を言っただけで。
「まだ何も言ってねーじゃんか」
「大体予想がつくからか先に顔に出てしまったみたいだ。一応、聞くが」
相変わらずの何様と分かったような口振り。同居してからさらに露わにしてきやがる。
「……和谷達と飲みに行くから、帰り何時になるか分かんねー。」
「門限16時だ」
出た出た。外に行くとなるといつもこれだ。塔矢も一緒に行けば解決というわけにはいかず。なぜなら居酒屋の雰囲気がどうしても好きになれないらしい。
「いや、居酒屋って早くても17時からだろ」
「それなら昼のうちに遊べばいいだろう」
「お前俺の話伝わってる!?」
どうやら塔矢の中では
プライベートの飲み=とりあえず外で遊ぶことぐらいにしか捉えてなさそう。
こんにゃろ、そっちがその気なら……。
「朝帰りは絶対しない!」
まずは大きなことからお願いして徐々に小さくしていって最終的には22時で承諾をもらう作戦だ。
「当たり前だ、論外なことを言うな」
「ならせめて23時!」
「論外」
「22時半!」
「論外」
「2「論外」
撃沈。
わずか1分もたたずに。
「じゃあ何時だったらいいんだよ。」
「20時には家に居ろ」
「交渉の余地すらねぇ!」
同居してから拘束されることの方が多くなったような気がする。
「……仕方ない、1回ごとに18時から門限1時間増やすことにしよう。」
真面目な顔して言う”1回ごと”というのは、夜のこと。
18時からだとすると最低でも5、6回って……。
「できるかァ!そんなの交渉じゃねぇ!」
「立派な交渉さ。こういうのを性こう」
「どこで覚えたそんな言葉!!」
箱入りの癖にいつの間に覚えてきやがって。誰だコイツに悪知恵吹き込んだヤツは。
俺の知らなかった塔矢を知ってしまうとなんか腹が立つ。
表に出さないようにはしてるけど、ごくたまに塔矢が仕事以外で外に出るとついなんかのアンテナを張ってしまう。
……ってこれじゃ、俺も塔矢を束縛してんのと一緒か。
悪い気がしてきたけど
でも、今までの流れだと────
「分かった」
そう口を開いたのは塔矢。
「22時には家だ。これを守れないのなら君をしばらく仕事以外では出禁の刑に処す。」
「よっしゃあ!」
────結局、嫌な顔しながらもなんだかんだ最後は許してくれる。
我ながらやりぃ。と不敵な笑みを浮かべる。
「いいか、1秒たりとも遅れたら……」
「分かってるって!サンキューな塔矢!」
この時の俺はヤツを甘く見ていた。
飲みに行ってしまえばこっちのもん。今までも門限はあったけど遅れても何も無かったんだ。さすがに出禁は無いだろうと。
塔矢が本気で俺にGPSをつけようと考えてるとは知らずに。
塔矢は眉を潜めた。
俺が今週の土曜日。の一言を言っただけで。
「まだ何も言ってねーじゃんか」
「大体予想がつくからか先に顔に出てしまったみたいだ。一応、聞くが」
相変わらずの何様と分かったような口振り。同居してからさらに露わにしてきやがる。
「……和谷達と飲みに行くから、帰り何時になるか分かんねー。」
「門限16時だ」
出た出た。外に行くとなるといつもこれだ。塔矢も一緒に行けば解決というわけにはいかず。なぜなら居酒屋の雰囲気がどうしても好きになれないらしい。
「いや、居酒屋って早くても17時からだろ」
「それなら昼のうちに遊べばいいだろう」
「お前俺の話伝わってる!?」
どうやら塔矢の中では
プライベートの飲み=とりあえず外で遊ぶことぐらいにしか捉えてなさそう。
こんにゃろ、そっちがその気なら……。
「朝帰りは絶対しない!」
まずは大きなことからお願いして徐々に小さくしていって最終的には22時で承諾をもらう作戦だ。
「当たり前だ、論外なことを言うな」
「ならせめて23時!」
「論外」
「22時半!」
「論外」
「2「論外」
撃沈。
わずか1分もたたずに。
「じゃあ何時だったらいいんだよ。」
「20時には家に居ろ」
「交渉の余地すらねぇ!」
同居してから拘束されることの方が多くなったような気がする。
「……仕方ない、1回ごとに18時から門限1時間増やすことにしよう。」
真面目な顔して言う”1回ごと”というのは、夜のこと。
18時からだとすると最低でも5、6回って……。
「できるかァ!そんなの交渉じゃねぇ!」
「立派な交渉さ。こういうのを性こう」
「どこで覚えたそんな言葉!!」
箱入りの癖にいつの間に覚えてきやがって。誰だコイツに悪知恵吹き込んだヤツは。
俺の知らなかった塔矢を知ってしまうとなんか腹が立つ。
表に出さないようにはしてるけど、ごくたまに塔矢が仕事以外で外に出るとついなんかのアンテナを張ってしまう。
……ってこれじゃ、俺も塔矢を束縛してんのと一緒か。
悪い気がしてきたけど
でも、今までの流れだと────
「分かった」
そう口を開いたのは塔矢。
「22時には家だ。これを守れないのなら君をしばらく仕事以外では出禁の刑に処す。」
「よっしゃあ!」
────結局、嫌な顔しながらもなんだかんだ最後は許してくれる。
我ながらやりぃ。と不敵な笑みを浮かべる。
「いいか、1秒たりとも遅れたら……」
「分かってるって!サンキューな塔矢!」
この時の俺はヤツを甘く見ていた。
飲みに行ってしまえばこっちのもん。今までも門限はあったけど遅れても何も無かったんだ。さすがに出禁は無いだろうと。
塔矢が本気で俺にGPSをつけようと考えてるとは知らずに。