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ヒカルの碁BL、NLごちゃまぜ

◇ 初詣【アキヒカ】◇

「進藤、いい加減顔を上げないか。」
「……」

初詣の参拝。
両手を合わせたまま、5分経っても顔を上げない進藤。

どれだけ欲が溜まっているんだ、全く。

「進藤、後がつっかえてるぞ、
いい加減にしろ!」
「───!あ、悪りぃ。お前の声全然聞こえなかった」

背中を叩くとやっと顔を上げた。
碁盤に向かってる時並みの集中力だったと思う。

場所を移して

「……全く、君は5分も頭をさげてみっともない。」
「あぁ?5分も経ってるわけねーだろ。どんだけ俺を欲張りだと思ってんだよお前」
「いや、それぐらい経っていた。」
「いーや、3分くらいだ!」
「僕は時計を見ていたんだ、君の体内時計なんかなんのアテにもならない。」
「んだと〜!」

新年早々、進藤といつもと変わらないやり取り。

「ところで、5分も神頼みして君は一体何をお願いしたんだ?」
「えーっと、応募した懸賞に当たりますように、それから…」

次々とお願いを言い出し、
呆れて僕が止めようと思ったその時

「最後に、今年こそ本因坊取れますようにって」

目を見開いた。

「…そんなことまで神頼みをしたのか。」
「そんなことって、俺にとっては超重要」
「そうじゃない。自分の力で叶えられるかもしれないことを神様にお願いすることではないだろう!
君は、もう本因坊を狙えるところまで力をつけてきたんだ、神様じゃなく
もっと自分の力を信じろ!」

つい、声を荒げて言ってしまった。
固まる進藤。
さすがに強く言い過ぎたか?

「…それって、俺のこと褒めてくれてんのか、塔矢」
「……」

一瞬でも進藤を気遣った僕がバカだった。

「なぁ、塔矢」
「──っ、帰る!」
「怒んなよ塔矢〜!お前も可愛いとこあんだな」
「からかうな!」

ヘラヘラする進藤に
ムカついたのをよく覚えている。

結局その年に見事、本因坊を奪取し
インタビューで僕と年始に初詣で願掛けしたおかげだと
進藤らしくなく謙遜して話していたが
僕は、彼自身の努力が招いた結果だと信じている。

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