夏祭り(本編+おまけ)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
◇夏祭り◇
院生のみんなで夏祭りに来た。これから長いプロ試験が始まるに当たって、研修手合いはお休み。しばらく顔を合わせなくなるからということで。もはや恒例行事と化していた。
屋台並ぶ道なりに沿って、歩いていくとお賽銭箱に到着。
欲張りなことに5円のお賽銭とは釣り合ってない数々の煩悩を両手を合わせて掲げていた。
「終わったか?」
顔を上げてすぐ耳に入ったのは和谷君の声。
「はは、お待たせ…。あれ、みんなは?」
「また屋台に戻ってったぜ」
「そっか」
さてどうする。ってなったところで携帯の振動。開いてみると奈瀬ちゃんからの新着メール。
『和谷残しといたから、頑張んなさいよ〜。』
勢いよく携帯を閉じた。その行動にさほど和谷君が気にする素振りも無く。
「なんか、食いてーもんとかある?」
「あ、えーっと…」
気まずい。嬉しいけどなんか気まずい。
視線を泳がせていると、あるところが私の視線を捉えた。
「和谷君、ちょっと待ってて!」
おいと言っているのを聞こえななかった振りで足を止めずに人並みの合間を縫って目的の場所へ。
「──はい!」
戻って和谷君に突き出したのはお守り。
「合格祈願?」
「ほらまたプロ試験始まるじゃん。だから」
「……ぷっはは!」
「え、そこ笑うとこ!?」
笑いを浴びるのにただただ疑問でしかなかったけど、笑いが治るのを待った。
「悪い悪い。いやさ、敵に塩を送るのがなんつーか……お前って面白いヤツ!」
「酷いなー!」
敵だからって誰にも同じことできるわけじゃないよ。
「ありがとな。」
「うん。」
その言葉は飲み込んで。好きな人の笑顔が見れて、そのお礼の一言だけで気持ち満たされていく私はなんて単純。
彼の中での面白いヤツから脱せるのはいつなんだろう。
今はただ、私と和谷君しか知らない時間が出来た嬉しさにそれは掻き消されていった。
院生のみんなで夏祭りに来た。これから長いプロ試験が始まるに当たって、研修手合いはお休み。しばらく顔を合わせなくなるからということで。もはや恒例行事と化していた。
屋台並ぶ道なりに沿って、歩いていくとお賽銭箱に到着。
欲張りなことに5円のお賽銭とは釣り合ってない数々の煩悩を両手を合わせて掲げていた。
「終わったか?」
顔を上げてすぐ耳に入ったのは和谷君の声。
「はは、お待たせ…。あれ、みんなは?」
「また屋台に戻ってったぜ」
「そっか」
さてどうする。ってなったところで携帯の振動。開いてみると奈瀬ちゃんからの新着メール。
『和谷残しといたから、頑張んなさいよ〜。』
勢いよく携帯を閉じた。その行動にさほど和谷君が気にする素振りも無く。
「なんか、食いてーもんとかある?」
「あ、えーっと…」
気まずい。嬉しいけどなんか気まずい。
視線を泳がせていると、あるところが私の視線を捉えた。
「和谷君、ちょっと待ってて!」
おいと言っているのを聞こえななかった振りで足を止めずに人並みの合間を縫って目的の場所へ。
「──はい!」
戻って和谷君に突き出したのはお守り。
「合格祈願?」
「ほらまたプロ試験始まるじゃん。だから」
「……ぷっはは!」
「え、そこ笑うとこ!?」
笑いを浴びるのにただただ疑問でしかなかったけど、笑いが治るのを待った。
「悪い悪い。いやさ、敵に塩を送るのがなんつーか……お前って面白いヤツ!」
「酷いなー!」
敵だからって誰にも同じことできるわけじゃないよ。
「ありがとな。」
「うん。」
その言葉は飲み込んで。好きな人の笑顔が見れて、そのお礼の一言だけで気持ち満たされていく私はなんて単純。
彼の中での面白いヤツから脱せるのはいつなんだろう。
今はただ、私と和谷君しか知らない時間が出来た嬉しさにそれは掻き消されていった。