クリスマスイヴ(2話完結)
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◇クリスマスイブ(前編)◇
模様替えを繰り返している街はまた今年も色とりどりのイルミネーションで彩られている。夜になるとそれがまた映えていて、自然と2人組が増えていく。
そこを堂々と真ん中の道突っ切って、1人コンビニへ。
カゴを右腕に通して、足早にお目当ての期間限定の酎ハイ目掛けて手を伸ばした瞬間、誰かの指が触れた。
途端に「あっ」と聞き覚えのある声と被る。
「──なんだ、和谷か」
「お前こそクリスマスイヴなのにこんな遅くまで仕事?」
元々私が大学生の頃から住んでいたマンションに去年たまたま中学の同級生だった和谷が引っ越してきたため、コンビニで顔を合わせるのはよくあること。
お互い中学時代全く話したこともなかったのに再会した今の方が呼び捨てで呼び合ったり、よく話をする。現に「なんだ」や「お前」と雑に扱えるほど距離感も近く、自然体で話せていると思う。
「そっちこそ、ご予定は?」
「残念ながら今年も何にもない。明後日野郎達で飯食いに行くくらい。」
そして自分で聞いておきながら罪悪感。彼の周りが彼女持ちっぽいのか、集まるのが今日明日では無く明後日に組まれてるところがどことなく独り身の闇が垣間見えた。私の考えすぎなんだろうけど、そう思ってしまうと譲らずにはいられなくなった。
「……これ飲んで元気だしなよ。ネットだとかなり評判いいらしいから。」
「なんかお前俺に同情してない?」
「ないない。」
ホントは思いっきり同情してる。私も友人としか予定が無いから。でも気づかれるのが恥ずかしくてわざと誤魔化したつもり。それじゃあね。とその場を去ろうとして
「なぁ、お前が気にしなければ半分に分け───」
和谷が何か言いかけたところでお酒の陳列棚からガコンっ。と音が。運良く私のお目当てだったお酒がちょうど補充されたようで。
「なんだ、よかったじゃん。……じゃ、俺行くわ。」
そう言って彼がなにやら、ばつが悪そうに行こうとするから手首を掴む。
そして咄嗟に思いついたままに伝える。
「かにかま、焼き鳥、おでん、枝豆、チーズ、スナック菓子。」
「は?」
「今食べたくなった。でも1人じゃ絶対食べきれないから手伝ってよ」
すると、「クリスマス関係ねーのばっかじゃん」とパッとあかりが灯ったように明るく笑いながら私のカゴをとってリクエストしたものを入れていく。
マンションへの帰り道、寒いのに特に急ぐ感じもなくゆっくり歩く。右隣に居る和谷が歩幅を合わせて歩いてくれてるのが分かる。
「──ちなみに和谷の言うクリスマスっぽいことってなに?」
「え?」
ほら、さっきコンビニでクリスマス関係ないって言ったから。と言うと、あぁ。と白い息。
ほんの少し考え込んだかと思うと、
「……こーいうこと」
この一言と同時に私の右手の指と指の間は全て彼の左手指で包まれていた。でもその右手指はまだ緊張して硬直したままで。
頭の中では焦りつつも、恐る恐る1つ1つ指折って彼の左手指と絡ませていく辺り、すでに私の中では彼とどうなりたいのか答えは出ているみたい。
模様替えを繰り返している街はまた今年も色とりどりのイルミネーションで彩られている。夜になるとそれがまた映えていて、自然と2人組が増えていく。
そこを堂々と真ん中の道突っ切って、1人コンビニへ。
カゴを右腕に通して、足早にお目当ての期間限定の酎ハイ目掛けて手を伸ばした瞬間、誰かの指が触れた。
途端に「あっ」と聞き覚えのある声と被る。
「──なんだ、和谷か」
「お前こそクリスマスイヴなのにこんな遅くまで仕事?」
元々私が大学生の頃から住んでいたマンションに去年たまたま中学の同級生だった和谷が引っ越してきたため、コンビニで顔を合わせるのはよくあること。
お互い中学時代全く話したこともなかったのに再会した今の方が呼び捨てで呼び合ったり、よく話をする。現に「なんだ」や「お前」と雑に扱えるほど距離感も近く、自然体で話せていると思う。
「そっちこそ、ご予定は?」
「残念ながら今年も何にもない。明後日野郎達で飯食いに行くくらい。」
そして自分で聞いておきながら罪悪感。彼の周りが彼女持ちっぽいのか、集まるのが今日明日では無く明後日に組まれてるところがどことなく独り身の闇が垣間見えた。私の考えすぎなんだろうけど、そう思ってしまうと譲らずにはいられなくなった。
「……これ飲んで元気だしなよ。ネットだとかなり評判いいらしいから。」
「なんかお前俺に同情してない?」
「ないない。」
ホントは思いっきり同情してる。私も友人としか予定が無いから。でも気づかれるのが恥ずかしくてわざと誤魔化したつもり。それじゃあね。とその場を去ろうとして
「なぁ、お前が気にしなければ半分に分け───」
和谷が何か言いかけたところでお酒の陳列棚からガコンっ。と音が。運良く私のお目当てだったお酒がちょうど補充されたようで。
「なんだ、よかったじゃん。……じゃ、俺行くわ。」
そう言って彼がなにやら、ばつが悪そうに行こうとするから手首を掴む。
そして咄嗟に思いついたままに伝える。
「かにかま、焼き鳥、おでん、枝豆、チーズ、スナック菓子。」
「は?」
「今食べたくなった。でも1人じゃ絶対食べきれないから手伝ってよ」
すると、「クリスマス関係ねーのばっかじゃん」とパッとあかりが灯ったように明るく笑いながら私のカゴをとってリクエストしたものを入れていく。
マンションへの帰り道、寒いのに特に急ぐ感じもなくゆっくり歩く。右隣に居る和谷が歩幅を合わせて歩いてくれてるのが分かる。
「──ちなみに和谷の言うクリスマスっぽいことってなに?」
「え?」
ほら、さっきコンビニでクリスマス関係ないって言ったから。と言うと、あぁ。と白い息。
ほんの少し考え込んだかと思うと、
「……こーいうこと」
この一言と同時に私の右手の指と指の間は全て彼の左手指で包まれていた。でもその右手指はまだ緊張して硬直したままで。
頭の中では焦りつつも、恐る恐る1つ1つ指折って彼の左手指と絡ませていく辺り、すでに私の中では彼とどうなりたいのか答えは出ているみたい。