賢者の石
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それから、3人は自分の家族のことや今までの生活について話した。ウィーズリー家はどうやら古くからの魔法使い一家のようだった。ハリーは噂通り、マグルと暮らしていたようだ。ハリーの引き取られた家庭はマグルの中でも最低なマグルだったようだ。ハリーはロンが兄弟がいることを羨ましがったが、ロンはプレッシャーを感じているようだった。それに持ち物は全部兄たちのお下がりなのだと嘆いた。ハリーは自分もお古ばかりを着せられていたんだと話して、ロンは少し元気になったようだった。
「それに、ハグリッドが教えてくれるまでは、僕、自分が魔法使いだってこと知らなかったし、両親のことも、ヴォルデモートのことも・・・」
ハリーはそう言って肩をすくめた。
アイとロンは息を吞み、顔を見合わせた。
「どうしたの?」
不思議そうにハリーが声を出した。
「君、『例のあの人』の名前を言った!」
ロンは驚きと称賛の入り混じった声をあげた。
「まさか、あなたがその名前を口にするなんて思わなくて、私たちびっくりしちゃった!」
アイは興奮したようにハリーに言った。
「僕、名前を口にすることで、勇敢なとこを見せようっていうつもりじゃないんだ。名前を言っちゃいけいないなんて知らなかっただけなんだ。わかる?僕、学ばなくちゃいけないことばっかりなんだ・・・きっと・・・僕、クラスでビリだよ・・・」
「そんんことはないさ。マグル出身の子はたくさんいるし、、そういう子でもちゃんとやってるよ」
ロンはハリーの肩に手を乗せて話した。
「大丈夫よ。ハリーのお父さんとお母さんはとっても優秀な魔法使いだったって、私のお父さんいっつも話してたわ。そんなご両親の血を引き継いでるんですもの。ハリーがビリになるはずないわ。それに、私も両親は魔法使いだけど普段はマグルと一緒にマグルの学校に通っていたし、私も今まで魔法なんて使ったことないから、一緒に頑張りましょ?」
アイはハリーの手を取り、ハリーを励まそうと必死に話した。自分が小さい頃から憧れていたハリー・ポッターという伝説の魔法使いは、こんなにも親しみやすい自分たちと変わらない少年なのだとわかり、何だか嬉しくも感じた。
「へぇー、アイ、君珍しいね、親が魔法使いなら、魔法を使ったことある人が多いのに」
ロンが不思議そうに言った。
「そうなの。親が日本の魔法学校で教師をしているもんだから、厳しかったのよ」
「君日本から来たの?もしかしてハーフかい?」
ロンがアイに興味津々という表情で聞くものだから、アイは笑ってしまった。
「ふふ、そうよ。父がイギリス人でホグワーツ出身。母は日本人で日本の魔術学校出身なの。」
「どおりで、東洋人っぽい見た目しているわけだ、でも、目元はイギリス人ぽさもあるし、一目見た時から可愛い子だなーって思ってたんだ・・・」
そこまで言ったロンは今日初めて会った少女に、自分がさらりと恥ずかしいことを言ったのに気付いて下を向いてしまった。
「ありがとう」
初めて会った少年に見た目を褒められたアイもロンと同じように恥ずかしくなり下を向いた。
ハリーがこの照れくさい空気をどうにか変えられないかと考えている時、タイミングよく車内販売がやってきた。ハリーとアイは勢いよく立ち上がった。ハリーはお腹も空いていたし、空気も変えたかった。アイは特別お腹が空いているわけではなかったが、この空気に耐えかねたのだ。それから、3人はお菓子パーティーを始めた。と言ってもほとんどがハリーの購入品だったが。アイは魔法のお菓子を食べたことないわけではなかったが、お国が違えばお菓子も違うわけで、イギリスのお菓子が珍しかった。日本ではカエルチョコなんてものはない。似たようなもので言えば、金魚チョコだろうか?まあ、金魚はカエルのように飛び跳ねて逃げてしまうことはなかった。その代わり、近くに水があると水に帰ってしまったが。
日本のお菓子を紹介したり、マグルの写真の話をしたりと楽しく過ごした。百味ビーンズを食べながら心配していたホグワーツでの生活も2人と一緒にいたら楽しくなりそうだとアイは考えていた。その時に食べたのは胡椒味で。舌はヒリヒリした。