僕を見て
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「ハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビルここ座っても良い?」
途中、合流したハーマイオニーも含め僕達4人がグリフィンドールの空いた席に座り、さあ食事を始めようかという時ジニーが声をかけてきた。
ジニーが指した席は僕達の隣だった。
「どうぞ!」
ハリーがそう答えると笑顔になる2人。ジニーはハリーの隣に、アイは僕の隣に座る。いつものように皆で他愛もない話をしながら朝食をとるが、僕だけはいつも通りにとはいかなかった。皆に僕の恋心が知られているんだと思うと皆の前でアイと話すのが照れくさくて思うように話せないでいた。
アイとジニーはその日から何かと僕達のところへやってきた。食事の時も近くに座るし、学年が違うから会うことが少ないはずの授業の合間もよく会うようになった。放課後も談話室で話をしているとジニーと一緒に話に加わってくるのだ。
最初は好きな子と話す機会が増えたことに喜んだ。でも、最近はハリーやネビルと話すようになった彼女を見るのが辛く憂鬱になってきた。
朝の時間は今も2人きりだった。この時ばかりは僕だけをその瞳に映して欲しい。そう願っていたのに、彼女は今日もまたハリーの話をするのだ。それも本当に嬉しそうに。
「ジニーとハリーのクィディッチの練習見に行くの!」
何だって、練習まで見に行くのだ。試合だけで良いじゃないか。そんなに、ハリーのかっこいい姿が見たいのか。
もう僕はたくさんだった。限界がきていたのだ。彼女の心を独り占めしたい。僕を男として見て欲しい。僕だけを見て欲しい。そんな感情が湧き上がって、気付いた時にはアイにキスしていた。驚いてアイから離れた。僕がしたことなのに、1番僕が驚いた。彼女は驚いてこちらを見ていた。その瞳からは静かに涙が零れ落ちた。
「ごめん!!」
彼女は涙を流すほど僕にキスをされて嫌だったんだ。そうだよな、好きな男がいるんだから。彼女が後ろから僕を呼ぶのが聞こえたけど怖くて逃げた。それからは地獄だった。部屋に戻ると見ていた奴がいてからかわれた。食事の時も彼女のことが見れなくて彼女が隣や前に座れないように極力誰かの間や前に人がいるところに座った。皆で話している時も彼女を避けた。何度も彼女が僕に話しかけようとしていたが、上手くかわしてきた。もちろん、朝も談話室へ降りて行くことはなくなった。面と向かって彼女から嫌いだと言われた日には僕は身投げをしてしまうだろう。
僕は何てことをしてしまったんだ。あの日からずっと後悔している。好きでもない男から無理やりキスをされたのだから、嫌われてしまったに違いたい。あの事件がなければ少なくとも僕は慕われていたはずだったのに。
そうしているうちに2週間が過ぎた。その頃には僕とアイが全く喋らなくなったので皆が心配をし始めた。
「ねぇ、ロン、アイと何があったの?てっきり、ただの喧嘩かと思ってたけど、それにしては全然仲直りしないし、あなた達どうしたの?」
今日もアイを避けるためハーマイオニーの隣に座る。反対隣にはネビルだ。僕が座ったのを見てハーマイオニーが僕に聞いた。彼女が好きすぎてハリーに嫉妬して彼女に無理やりキスをしたんだ、なんて言えるはずもなく、別にと返す。
夜皆が寝静まったあと、眠れなかった僕は談話室へ降りていこうとした。
「ねぇ、私どうしたらいいの?ジニー」
「やっぱり私が言おうか?バカ兄貴に。」
「いいの、私が自分で話しないといけないの。」
僕は階段で足を止めた、ジニーとアイだ。アイは泣いていた。どうやら僕の話をしているらしい。
「わかったよ、でもたまにはベッドで眠ったら?こんなとこじゃ十分に眠れないでしょ?」
「いいの。もしかしたら、明日こそロンが朝ここに来るかもしれないもの。どうせ寝れないんだし、朝来た時すぐに会えるようにここで眠るわ。」