僕を見て
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翌朝、早々に目が覚めた僕はベッドの中で悩んでいた。もう少ししたら談話室に行ってアイに報告しなければならない。
でも、何て報告しよう。アイはハリーを好きだけど、ハリーは別の人が好き。そのまま伝えると、彼女を傷付けてしまうだろう。でも、彼女に期待をもたせることもしたくない。何ならハリーを諦めて自分を見てほしいくらいだ。
悶々としながら談話室へ向かう。いつもなら僕の方が先に談話室にいて、そこにアイがやって来るのに今日はもうソファに座っているアイがいた。
そんなにもハリーのことが気になるのか、そう思うと足取りはさらに重くなった。
「やあ、アイ」
「おはよう!ロン!」
「今日はいつもより早いんだね」
「うん!待ちきれなくて!」
やっぱりハリーのことが待ちきれなかったようだ。
「早速本題なんだけど、あの、ハリーは、その、えっと」
言葉が詰まり思うように話せない僕を不思議そうに見るアイ。
「ロン、どうしたの?」
「その、チョウのことはもう好きじゃないみたいだよ。」
やっとの思いで伝えた言葉はチョウの話だった。
「そうなのね!良かったあ!」
彼女は本当に嬉しそうに笑っている。良くなんかないよ。そんなに嬉しそうにしないでくれ。
「ハリー、誰が好きだとか言ってた?」
「いや、そこまでは言ってなかったよ。」
「そっか!でも、チョウじゃないなら可能性はあるよね!」
僕は小さな嘘をついた。誰が好きか聞いてないのは本当だが、アイが相手ではないことは知っていた。でも、やっぱりこれは伝えられなかった。あまりにも嬉しそうに笑う君の表情が曇るのを見たくなかった。
「ロン!本当にありがとう!だーいすき!」
彼女はまた僕に抱きつく。正直、抱きついてくるアイは可愛いし、嬉しい。しかし、複雑な気持ちだ。ハリーには恥ずかしがって話しかけることさえ出来ないのに、僕にはいとも簡単に"だいすき"と言って抱きつくのだ。僕のことを異性として意識していないのは一目瞭然だった。
階段からハリーとネビルの声が聞こえて来た。昨日、ハリーに僕の好きな人が皆にバレていると聞いたのを思い出して、皆に見られないように急いでアイから離れる。一瞬アイの表情が変わった気がしたが気のせいだろう。今はジニーに駆け寄り笑顔で話している。
ハリー達と合流して食事へ向かった。