Navigare necesse est.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うー、こまった」
「いやぁ、本当に困りましたね。やはりこういった大型船はまだ早かったのでは?」
あたしの呟きに船員が答える。
「今はそんな事を言って場合ではありませんよ。まずはこの状況を打破しなければ」
「けれど見本通りに設計や航海を進めていた訳ですよ。どうして不具合が起こったのか皆目見当がつきません」
「まずは迅速に原因を突き止めなくては!」
甲板の上で広がる話し合い。あたしはその成り行き眺めながら、潮風に当たる。イギリスが処分しようとした中古船を貰い、それを基にしてあたしの国で初めて大型船の造船をしてみた。試験段階では問題が無かったのに、実際に沖に出た所で不具合が発生。沈む沈まないといった大問題ではないが、上手く帆が広がらなかったり、風に流されたりと運航上スムーズに事が進まない。あたしは慌ただしく動く彼らを余所に、海の波を眺める。すると近く大きな船が一隻。向こうもこちらの不可解な行動に気付いたのか、だんだんと距離が縮めてくる。
「おーい、なんでこんな所で立ち止まっとんや?」
イギリスやアメリカ、フランスとも違った濃い茶色の髪。日焼けした肌の色に独特の訛りの喋り方が印象だ。
「ふねのちょーしがわるいの」
「ホンマに?せやったら俺が直したるわ」
その言葉と同時に、彼はこちらの船に飛び移る。身軽さと勢いに、あたしは呆然とするしかない。
「まった、えらい古い型の船やなぁ。しかもイギリス船?あっ、お兄さん、ちょっとここ持っといてぇな。そっちのお兄さんはこっちな」
そういってテキパキと指示をしていく彼。最初は困惑していた船員達も皆いつの間にか彼の指示に従うようになる。
「いやぁ、本当に困りましたね。やはりこういった大型船はまだ早かったのでは?」
あたしの呟きに船員が答える。
「今はそんな事を言って場合ではありませんよ。まずはこの状況を打破しなければ」
「けれど見本通りに設計や航海を進めていた訳ですよ。どうして不具合が起こったのか皆目見当がつきません」
「まずは迅速に原因を突き止めなくては!」
甲板の上で広がる話し合い。あたしはその成り行き眺めながら、潮風に当たる。イギリスが処分しようとした中古船を貰い、それを基にしてあたしの国で初めて大型船の造船をしてみた。試験段階では問題が無かったのに、実際に沖に出た所で不具合が発生。沈む沈まないといった大問題ではないが、上手く帆が広がらなかったり、風に流されたりと運航上スムーズに事が進まない。あたしは慌ただしく動く彼らを余所に、海の波を眺める。すると近く大きな船が一隻。向こうもこちらの不可解な行動に気付いたのか、だんだんと距離が縮めてくる。
「おーい、なんでこんな所で立ち止まっとんや?」
イギリスやアメリカ、フランスとも違った濃い茶色の髪。日焼けした肌の色に独特の訛りの喋り方が印象だ。
「ふねのちょーしがわるいの」
「ホンマに?せやったら俺が直したるわ」
その言葉と同時に、彼はこちらの船に飛び移る。身軽さと勢いに、あたしは呆然とするしかない。
「まった、えらい古い型の船やなぁ。しかもイギリス船?あっ、お兄さん、ちょっとここ持っといてぇな。そっちのお兄さんはこっちな」
そういってテキパキと指示をしていく彼。最初は困惑していた船員達も皆いつの間にか彼の指示に従うようになる。