Fortuna adversa virum magnae sapientiae non terret

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「……お前、何でこんな本を読んでんだ?」
低い声と共に、不意に取り上げられた本。顔を上げればイギリスがあたしを見下ろしていた。
その表情は――――怒ってる?
「どーしたの、イギリ――――」
「パトリア、何でこの本を読んでんのか説明しろ」
声をぴしゃりと遮られる。別に怒鳴っている訳でも、声を荒げている訳でも無い。けれどその口調には明らかに怒気を孕んでいる。あたしは何か不味い事をしたのだろうか?
「……かいぞくたいじ?」
「海賊、退治?」
あたしはこくりと頷く。ポカンとした表情のイギリスに、簡単に経緯を説明する。
「……つまり、お前が会いに来たのは海賊に困ってるからって事か?」
「うん、そーなの。だからそのほんもよんでみたの」
あたしはイギリスの手に握られている本を指差す。
「そうか……つまりお前は俺を頼って、助けを求めに来たって事だな」
先程とは打って変わったかのように、凄く満足そうな表情を浮かべるイギリス。そして正面のソファに腰を降ろした。
「やっぱり、そうだよな……お前達には俺がついてないと駄目だよな」
その呟きはあたしでは無く、何故か自分自身に言い聞かせているように聞こえた。
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