Fortuna adversa virum magnae sapientiae non terret
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コンコンと軽いノックをする。どうぞ、と聞こえた声。その言葉に従い、あたしはゆっくりと扉を開ける。中には書類に埋もれて、その中でペンを走らすイギリス。
「……要件は?」
目線は書類のままで、こちらの顔を確認しようともしない。あたしは思わずため息をついてしまう。今の忙しそうな彼に、これ以上仕事を増やすような頼み事をするのは心苦しい。
「今忙しいんだ。要件が無いなら――――パトリア!?」
黙っている訪問者に文句を言おうと顔を上げた彼。あたしの姿をようやく確認し、驚きの声を上げた。
「おそいじかんにごめんなさい、イギリス」
「……い、いや、別に構わねぇ」
あたしはその言葉を聞き、ソファに腰掛ける。
「ちょっと待っててくれ。すぐ終わらせるから」
とりあえず部下を呼び、紅茶を用意するように指示をする彼。時間を潰す間にあたしは彼の部屋にある本を手に取る。やはり彼の仕事部屋には興味を惹かれる物が多い。あたしは目に入った海戦を取り扱った書物を手に取り、目を通す。正直な所、あたしの国では戦いというものとは縁が無い。イギリスに出会う前は立地、それ以降はイギリスの軍事力。この二つのおかげ言っても過言は無い。しかし、海上での防衛手段が一切無いのは不味い状態だ。本通りとはいかないが、目を通す限りだと海戦戦術は帆走技術と戦闘能力によって決定されると書かれている。逆にこの二つを極めればあたし達でも海賊に勝てるという事だ。
――――知識が欲しい。
あたしは一言一句見落とす箇所の無いように、食い入るようにして文字を追う。
「……要件は?」
目線は書類のままで、こちらの顔を確認しようともしない。あたしは思わずため息をついてしまう。今の忙しそうな彼に、これ以上仕事を増やすような頼み事をするのは心苦しい。
「今忙しいんだ。要件が無いなら――――パトリア!?」
黙っている訪問者に文句を言おうと顔を上げた彼。あたしの姿をようやく確認し、驚きの声を上げた。
「おそいじかんにごめんなさい、イギリス」
「……い、いや、別に構わねぇ」
あたしはその言葉を聞き、ソファに腰掛ける。
「ちょっと待っててくれ。すぐ終わらせるから」
とりあえず部下を呼び、紅茶を用意するように指示をする彼。時間を潰す間にあたしは彼の部屋にある本を手に取る。やはり彼の仕事部屋には興味を惹かれる物が多い。あたしは目に入った海戦を取り扱った書物を手に取り、目を通す。正直な所、あたしの国では戦いというものとは縁が無い。イギリスに出会う前は立地、それ以降はイギリスの軍事力。この二つのおかげ言っても過言は無い。しかし、海上での防衛手段が一切無いのは不味い状態だ。本通りとはいかないが、目を通す限りだと海戦戦術は帆走技術と戦闘能力によって決定されると書かれている。逆にこの二つを極めればあたし達でも海賊に勝てるという事だ。
――――知識が欲しい。
あたしは一言一句見落とす箇所の無いように、食い入るようにして文字を追う。