「おなかいっぱい、おいしかったよー」
「いやぁ、そう言ってもろうて良かったわぁ」
あたしの言葉に洗い物をしながらスペインは喜ぶ。
「ねー、しゅぺいん。あのしゅっぱいしゅーぷのなまえは？」
「あぁ、あれはサルモレッホって言うて、パンをベースにして作ったスープなんやで」
初めて酸味を使った料理に出会って、あたしは今日一番衝撃を受けた。フランスに作ってもらった料理とは全く違う料理。あたしは先ほどの食事を思い出し、ニヤニヤとしてしまう。
「しっかし、パトリアは見かけによらず結構食べるなぁ」
洗い物が終わったスペインは、くつろいでるあたしを見ながらにこにこと笑う。
「らってしゅぺいんがつくるりょーりがおいしーもん」
「ははっ、それやったらしばらくここにおったらえぇで――――って、アカンわ、イギリスに怒られる！」
自分で言ってハッとするスペイン。汗がダラダラと流れている。
「とっ、とりあえず、イギリスには手紙出しといたから、近いうちに向かいに来るやろ！それまではゆっくりしといたらえぇわ」
慌ててフォローのような物を入れるスペイン。あたしはイギリスの交友関係が少し気になった。