潮江文次郎
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残り僅かな理性で、自分の動きを押し留める。何が惚れ薬だ、こんな厄介な代物を作り上げやがって。ただの、媚薬じゃねぇか。
「……文次郎先輩」
艶やかな唇から、俺の名を呼ぶ千代。たったそれだけで、俺の理性は崩壊しそうだ。
「黙ってろ、もう喋るな」
「どうしてですか?」
こいつは賢いし、頭の良い女だ。俺がどんな状況かは理解しているだろう。なら、なんでそんな分かり切っている事を問い掛けるのか?それは単純にこいつが人をからかうのが大好きな、根性のねじ曲がった奴だからだ。
「……俺はお前が引き際を分かってる奴だと思ってたんだがな」
「あれ?そのつもりなんですけどね」
いつもみたいに飄々とした態度で口を開く。これがこんな状態でなければ、俺だってこいつの嫌味に言い返していただろう。けれどそんな言葉に何一つ返せない程、余裕なんてものは無かった。
「……もう、本当にギリギリなんだ……」
頼むから、もうそれ以上は喋らないでくれ。
「いやぁ、あたしがそのラインを見誤るなんて驚きです」
千代は俺の気持ちと裏腹に喋り続ける。
「もうとっくに超えてるものだと思ってましたよ」
「だからっ、必死に抑えてるだろうが!」
自分でも情けなくなるぐらい、震える声で言い返す。そんな俺の言葉に千代は深く溜息を吐いた。
「……はぁ、何言ってるんですか」
飽きれたような眼差しで俺を見上げる。
「ずっと我慢させられてるのはこっちですよ?」
情動を抑えるのに精一杯だった俺は、ようやくある事に気が付いた。頬を赤く染め、額には汗を浮かべている。苦しそうに漏れる吐息に、潤んだ瞳。物欲しげな表情で俺を見る。
「同じ薬を飲んだあたしの症状が、文次郎先輩と違うとでも?」
――――あぁ、こいつも俺と同じだ。
そう理解した瞬間、俺は生唾を飲み込む。
「さっさと理性とか飛ばしちゃって下さいよ」
本当に可愛げの無い女だ、散々煽りやがって。
「――――文次郎先輩」
「……文次郎先輩」
艶やかな唇から、俺の名を呼ぶ千代。たったそれだけで、俺の理性は崩壊しそうだ。
「黙ってろ、もう喋るな」
「どうしてですか?」
こいつは賢いし、頭の良い女だ。俺がどんな状況かは理解しているだろう。なら、なんでそんな分かり切っている事を問い掛けるのか?それは単純にこいつが人をからかうのが大好きな、根性のねじ曲がった奴だからだ。
「……俺はお前が引き際を分かってる奴だと思ってたんだがな」
「あれ?そのつもりなんですけどね」
いつもみたいに飄々とした態度で口を開く。これがこんな状態でなければ、俺だってこいつの嫌味に言い返していただろう。けれどそんな言葉に何一つ返せない程、余裕なんてものは無かった。
「……もう、本当にギリギリなんだ……」
頼むから、もうそれ以上は喋らないでくれ。
「いやぁ、あたしがそのラインを見誤るなんて驚きです」
千代は俺の気持ちと裏腹に喋り続ける。
「もうとっくに超えてるものだと思ってましたよ」
「だからっ、必死に抑えてるだろうが!」
自分でも情けなくなるぐらい、震える声で言い返す。そんな俺の言葉に千代は深く溜息を吐いた。
「……はぁ、何言ってるんですか」
飽きれたような眼差しで俺を見上げる。
「ずっと我慢させられてるのはこっちですよ?」
情動を抑えるのに精一杯だった俺は、ようやくある事に気が付いた。頬を赤く染め、額には汗を浮かべている。苦しそうに漏れる吐息に、潤んだ瞳。物欲しげな表情で俺を見る。
「同じ薬を飲んだあたしの症状が、文次郎先輩と違うとでも?」
――――あぁ、こいつも俺と同じだ。
そう理解した瞬間、俺は生唾を飲み込む。
「さっさと理性とか飛ばしちゃって下さいよ」
本当に可愛げの無い女だ、散々煽りやがって。
「――――文次郎先輩」