「うわぁ、千代！？その顔どうしたの？」
ギョッとした表情を浮かべた雷蔵。
「そんな事言わなくても分かるだろ、委員会活動だよ」
あたしが答えるより早く、三郎が口を開いた。
「うん、もう三日も寝てないんだよね」
そう言いながらあたしは三郎の隣に座る。
「さすが会計委員会、大変だな」
「笑っていられるのも今うちだよ、八。昨日潮江先輩が予算の見直し案をまとめてたから」
最初はあたしを見て笑っていたが、一瞬のうちに頭を抱える事になった八。
「はい、平助、冷奴上げる」
あたしはセットについていた冷奴を平助に上げる。
「そう言えば、毒草園に麻黄ってあったっけ？」
「麻黄ねぇ……多分あったと思うけどな」
「保健室に桂皮があったし丁度いいや。じゃぁ、後で貰いに行くね」
あたしは八の言葉に味噌汁をすすりながら答える。
「その組み合わせってさぁ……誰か無汗症の人でもいるの？」
勘右衛門が少し不思議そうに口を開く。
「いやぁ、新しい薬に挑戦しようと思って」
そう答えた瞬間、全員が心底嫌そうな表情を浮かべた。