あたし達は三郎の前に腰を降ろして座る。
「さて、今回の作戦の重要ポイントはズバリ―――千代、お前だ！」
ビシッとあたしを指差す三郎。
「鉢屋先生、どうしてあたしなんですか？」
「うむ、良い質問だ、望月さん」
隣では雷蔵が呆れているのが分かった。
「望月さんは、我々の学年以外と一緒に演習をした事はあるかね？」
「下級生の時にですか？うーん、くのたまの下級生は基本忍たまのサポートとか中継ばかりでしたから、無いと思います」
「なら、忍術学園に戻ってきてからは？」
三郎の言葉に少し考える。戻ってきてから五年生とは一緒に実技の授業を受けたりする。
「他の学年との演習は初めてです」
「そう、六年生は望月さんの戦う場面を見た事がない。」
ふむふむ、と周りは三郎の言葉に頷く。
「逆に言ってしまえば、他の学年の生徒達は潮江先輩とやり合っているイメージしか持っていない」
「えぇっ、あたしそんな印象なの！？」
「潮江先輩にお前は何かやり返したりするか？」
あたしの言葉を無視して三郎が質問をしてくる。
「アレが全力で追いかけてくるんだよっ！？逃げるのに精一杯だから、巻菱や手裏剣ぐらいだよ！」
「つまり、千代の特技を知らない訳だ」
三郎の言葉に兵助、勘右衛門、雷蔵が感嘆を漏らす。残念ながら八とあたしは理解出来ない。
「鉢屋先生、意味が分かりません」
今度は八が挙手をした。