クタクタになって現れた二人。
「おー、随分と疲れ切ってるようだなぁ。雷蔵、勘右衛門」
私の隣に座った八が、二人に声を掛ける。
「本当疲れたよ。だってあの辺り一帯の草むしりだよ？あっ、俺はＡセットだけど雷蔵もそれでいい？」
「終わらせるのに午前中丸々掛かったよ。うん、僕もそれで」
今日は前回行った演習の補習の日。補習といっても、不合格だった二人に対しての罰と言う訳だ。
「いやぁ、あたし達は合格したらかねぇ」
そんなクタクタの二人を見て、私はニヤニヤと笑ってしまう。
「私からしてみれば、千代達が合格したのに驚きだがな」
漬物をポリポリとかじりながら、三郎が口を開いた。
「まぁ、俺達の作戦勝ちだな！」
「お前は気を失ってただけだろ」
豪快に笑う八に対して、その隣で兵助がツッコミを入れる。
「あー、確かにあの時はビックリしたなぁ」
定食を抱えながら勘右衛門が席に着いた。
「僕も驚いたよ。食満先輩から絵巻物なんて絶対に取れないと思ってたのに」
その隣で、雷蔵も同じ事を言う。
「…なぁ、千代あの時何があったんだ？」
三郎の言葉に、皆は一斉にあたしの方を見詰めた。