夜間合同演習
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「ねぇ、そろそろ引き上げてもらえなかな?」
「すみません、まだ駄目なんです」
僕の言葉に、本当に申し訳ないような表情で謝る雷蔵。敵であるはずの彼にそんな様子で謝られたら、僕は抗議すら出来なくなる。
「でもさ、何でわざわざ見張なんかするの?」
「善法寺先輩を千代と引き離しておくのが重要なポイントになってくるからです」
雷蔵は穴を覗き込みながら、丁寧に説明をしてくれる。
「今回の作戦で六年生と直接戦闘をするのは千代です。その千代の特技を他の先輩にばらされたら意味が無くなってしまいますからね」
「えっ、どういう意味?」
雷蔵が言っている意味がよく分からない。
「五年生以外で千代の戦闘スタイルを知っているのは、善法寺先輩を含め数人だけなんです。会計委員長の潮江先輩でさえ知らないはずです」
その言葉に僕は唖然とする。だって逆に言ってしまえば、僕の千代ちゃんのイメージはそれが一番強いのだから。
「武闘派やヘラヘラとしてバカっぽそうとか言われてますが、下級生の頃はくのたまの学級委員長みたいなものでしたからね」
「典型的な頭脳派忍者だよ、千代ちゃんは……本当に文次郎も知らないの?」
僕の問いに雷蔵はこくりと頷く。
「誰が千代ちゃんと戦う事になっているの?」
「挑発に乗りやすい人―――潮江先輩か食満先輩か七松先輩辺りではないかと思います」
確かにそのメンバーなら千代ちゃんに喧嘩を売られたら、全力で買うだろう。
「全員近接型だから相性はバッチリだね……」
「立花先輩や中在家先輩と勝負をするような事態になれば、脱兎の如く逃げると言ってましたよ」
「確かに仙蔵は火器、長次は中距離武器だもんね」
答えながら僕は戦う事になりそうな三人の事を心配する。その時遠くの方で、野犬の鳴き声が聞こえた。それが何かの合図かどうかは分からないが、雷蔵はお疲れ様ですと言いながら手を差し伸ばしてきた。
「ありがとう……でも、千代ちゃんの作る毒って、ヤバイから大丈夫かなぁ?」
「保健委員長の善法寺先輩から見ても、そうなんですか?いや、僕達千代の作る薬が凄いっていうのは分かるんですけど、それがどういうレベルの凄さかっていうのはあまり分からないんですよねぇ……」
雷蔵は僕を引き上げ、少し困ったような笑みを潜めながらそう言った。確かに彼女の作る薬や毒がどう凄いかは、薬学に詳しくないと逆に分からないだろう。
「僕なら絶対に敵に回したくないよ。だって雷蔵、考えてみて。解毒薬が作れない毒なんて、食らいたくないだろ?」
「えっ、解毒薬が作れないって……作れないものなんですか??」
ざっくりとだが千代ちゃんのレベルがどういうものか理解した雷蔵は、ポカンとした表情をして問い掛けてくる。そう、だから怖いんだ。下手に戦闘が強いより、よっぽど恐ろしい。
「……そんな厄介な代物を調合するから、えげつないんだよ」
今度は僕が困ったような笑みを浮かべてしまった。
「すみません、まだ駄目なんです」
僕の言葉に、本当に申し訳ないような表情で謝る雷蔵。敵であるはずの彼にそんな様子で謝られたら、僕は抗議すら出来なくなる。
「でもさ、何でわざわざ見張なんかするの?」
「善法寺先輩を千代と引き離しておくのが重要なポイントになってくるからです」
雷蔵は穴を覗き込みながら、丁寧に説明をしてくれる。
「今回の作戦で六年生と直接戦闘をするのは千代です。その千代の特技を他の先輩にばらされたら意味が無くなってしまいますからね」
「えっ、どういう意味?」
雷蔵が言っている意味がよく分からない。
「五年生以外で千代の戦闘スタイルを知っているのは、善法寺先輩を含め数人だけなんです。会計委員長の潮江先輩でさえ知らないはずです」
その言葉に僕は唖然とする。だって逆に言ってしまえば、僕の千代ちゃんのイメージはそれが一番強いのだから。
「武闘派やヘラヘラとしてバカっぽそうとか言われてますが、下級生の頃はくのたまの学級委員長みたいなものでしたからね」
「典型的な頭脳派忍者だよ、千代ちゃんは……本当に文次郎も知らないの?」
僕の問いに雷蔵はこくりと頷く。
「誰が千代ちゃんと戦う事になっているの?」
「挑発に乗りやすい人―――潮江先輩か食満先輩か七松先輩辺りではないかと思います」
確かにそのメンバーなら千代ちゃんに喧嘩を売られたら、全力で買うだろう。
「全員近接型だから相性はバッチリだね……」
「立花先輩や中在家先輩と勝負をするような事態になれば、脱兎の如く逃げると言ってましたよ」
「確かに仙蔵は火器、長次は中距離武器だもんね」
答えながら僕は戦う事になりそうな三人の事を心配する。その時遠くの方で、野犬の鳴き声が聞こえた。それが何かの合図かどうかは分からないが、雷蔵はお疲れ様ですと言いながら手を差し伸ばしてきた。
「ありがとう……でも、千代ちゃんの作る毒って、ヤバイから大丈夫かなぁ?」
「保健委員長の善法寺先輩から見ても、そうなんですか?いや、僕達千代の作る薬が凄いっていうのは分かるんですけど、それがどういうレベルの凄さかっていうのはあまり分からないんですよねぇ……」
雷蔵は僕を引き上げ、少し困ったような笑みを潜めながらそう言った。確かに彼女の作る薬や毒がどう凄いかは、薬学に詳しくないと逆に分からないだろう。
「僕なら絶対に敵に回したくないよ。だって雷蔵、考えてみて。解毒薬が作れない毒なんて、食らいたくないだろ?」
「えっ、解毒薬が作れないって……作れないものなんですか??」
ざっくりとだが千代ちゃんのレベルがどういうものか理解した雷蔵は、ポカンとした表情をして問い掛けてくる。そう、だから怖いんだ。下手に戦闘が強いより、よっぽど恐ろしい。
「……そんな厄介な代物を調合するから、えげつないんだよ」
今度は僕が困ったような笑みを浮かべてしまった。