夜間合同演習
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
正直、かなりキツイ。二合斬り合った所で態勢を立て直す為、間合いを取る。
「いやぁ、びっくりしたぞ。くのたまだと思って余り期待をしていなかったが、下手な忍たまより強いではないか」
「そんな余裕そうな感じで言われても腹が立つだけです」
あたしの言葉に七松先輩は笑う。
「やっぱり一撃が重たいので、防いでいるだけで体力をごっそり持っていかれちゃいますね」
「だったらどうすんだ?」
問いかける七松先輩の言葉を聞きながら、あたしは忍刀を鞘に納める。代わりに小刀を二本取り出した。
「持久戦には持ち込ませないようにします」
「ははっ、望月はさっきから楽しませてくれるなぁ。まぁ、やれるもんならやってみろ」
ニヤリと笑い、瞬時に駆け出した七松先輩。あたしと七松先輩の距離がほぼ零になった同時に地面を蹴り、宙に浮く。七松先輩の苦無は空を切った。浮いたあたしは真下にいる七松先輩の背中を斬りつけようと落下する。
ガキィイイイン
鈍い音が辺りに響いた。
「何ですか、その身体能力。普通の人は振り返れないはずですよ」
「委員会活動のおかげだ。入るか、体育委員会に?」
「遠慮します、勧誘は勝った後にして下さい。」
互いに武器を弾き合い、大きく後ろに飛ぶ。さて、このまま斬り合い続く程、あたしの勝率はどんどん下がるだろう。あたしの本来の目的は斬り合って勝つ事ではない。少し頭を集中させ、踏み込む。凄い跳躍力で一気に間合いを消す七松先輩の攻撃を避け、あたしは近くの大木に飛び乗る。大木の上にはあたしが立ち、下から七松先輩が見上げてくる。雰囲気的に次が大きな分岐になりそうだ。
あたしが小刀を構え一気に大木から飛び出す。七松先輩もそれに合わせて地面を思い切り蹴った。空中では互いに身動きが制限される。上と下―――やはり有利なのは上の方だ。先に動けたのはあたしの方。七松先輩の右苦無を左の小刀で弾く。弾くにしたって身体中の力をそっちに注ぎ込むので、互いに正面だった体は、七松先輩に対してあたしは斜めの状態。だが、それが幸いした。ちょうど良い位置にあたしの右脚。七松先輩の左苦無を、下から思い切り蹴り上げた。不意を突かれた先輩の左苦無は大きく宙を舞う。右手に苦無は握られたままだが、さすがに攻撃に転する事は出来ない。左には武器は無い。最大のチャンス。あたしは自分の右手にある小刀を下から振り上げる。
七松先輩は、避けない。
限界、本当にギリギリまであたしを引き寄せる。小刀が頬に赤い線を入れた。右手が上がりきった時、それより高い位置にある七松先輩の右腕が、全力で振り下ろされるのが見えた。あたしの左腕はがら空き。勢いよく振り切った右手を今更ガードには回せない。
―――これは、ヤバい。
あまりの衝撃に声も出なかった。
「いやぁ、びっくりしたぞ。くのたまだと思って余り期待をしていなかったが、下手な忍たまより強いではないか」
「そんな余裕そうな感じで言われても腹が立つだけです」
あたしの言葉に七松先輩は笑う。
「やっぱり一撃が重たいので、防いでいるだけで体力をごっそり持っていかれちゃいますね」
「だったらどうすんだ?」
問いかける七松先輩の言葉を聞きながら、あたしは忍刀を鞘に納める。代わりに小刀を二本取り出した。
「持久戦には持ち込ませないようにします」
「ははっ、望月はさっきから楽しませてくれるなぁ。まぁ、やれるもんならやってみろ」
ニヤリと笑い、瞬時に駆け出した七松先輩。あたしと七松先輩の距離がほぼ零になった同時に地面を蹴り、宙に浮く。七松先輩の苦無は空を切った。浮いたあたしは真下にいる七松先輩の背中を斬りつけようと落下する。
ガキィイイイン
鈍い音が辺りに響いた。
「何ですか、その身体能力。普通の人は振り返れないはずですよ」
「委員会活動のおかげだ。入るか、体育委員会に?」
「遠慮します、勧誘は勝った後にして下さい。」
互いに武器を弾き合い、大きく後ろに飛ぶ。さて、このまま斬り合い続く程、あたしの勝率はどんどん下がるだろう。あたしの本来の目的は斬り合って勝つ事ではない。少し頭を集中させ、踏み込む。凄い跳躍力で一気に間合いを消す七松先輩の攻撃を避け、あたしは近くの大木に飛び乗る。大木の上にはあたしが立ち、下から七松先輩が見上げてくる。雰囲気的に次が大きな分岐になりそうだ。
あたしが小刀を構え一気に大木から飛び出す。七松先輩もそれに合わせて地面を思い切り蹴った。空中では互いに身動きが制限される。上と下―――やはり有利なのは上の方だ。先に動けたのはあたしの方。七松先輩の右苦無を左の小刀で弾く。弾くにしたって身体中の力をそっちに注ぎ込むので、互いに正面だった体は、七松先輩に対してあたしは斜めの状態。だが、それが幸いした。ちょうど良い位置にあたしの右脚。七松先輩の左苦無を、下から思い切り蹴り上げた。不意を突かれた先輩の左苦無は大きく宙を舞う。右手に苦無は握られたままだが、さすがに攻撃に転する事は出来ない。左には武器は無い。最大のチャンス。あたしは自分の右手にある小刀を下から振り上げる。
七松先輩は、避けない。
限界、本当にギリギリまであたしを引き寄せる。小刀が頬に赤い線を入れた。右手が上がりきった時、それより高い位置にある七松先輩の右腕が、全力で振り下ろされるのが見えた。あたしの左腕はがら空き。勢いよく振り切った右手を今更ガードには回せない。
―――これは、ヤバい。
あまりの衝撃に声も出なかった。