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「なぁなぁー、神威ー」
物々しい艦内で、小さな影が駆け回る。
「鬱陶しいよさき」
「えー、そんなことないよー」
構えと言わんばかりに小さな兎はついてくるが、それを素直に聞いてやるほど、神威は退屈していない。
ただ広いだけの宇宙に、色んな強い奴がいる。そんなのを思い知った後だし、何より師鳳仙が死んだ後だ。
夜兎の中でもパワーバランスが崩れる頃で、第7師団の中でも噂になっている。
まぁ、そんなことを気にする男でもないのだが。
単純に、気が立っていた。いい闘いを目にしたばかりで、興奮していたのだ。
「……なぁ神威ー。たまには私と、どうだー?」
小さな兎が言う。
いつものにこにこした顔ではなく、目を見開いて、さきを見た。
笑っている。
少女のような笑顔ではなく、獣が遊び相手を見つけたような、愉しそうな笑顔。
「それ、どういう意味か、わかってる?」
「わかってるよー」
口を開けて、笑う。
「殺し合うんだ!」
空を切る音がして、距離を取る。
一撃目は躱した。
二撃目がすぐにくる、貰わない。避けて、小さな身体をひねって、ねじ込む、一撃……ーー
「ストォーップ!」
ドッ、と鈍い音がして、ねじ込んだ足が掴まれる。
「あー!あぶにぃ!」
間一髪、ふたりの間に阿伏兎が入り、止めた。
「やぁ阿伏兎、なんの用?」
「用事って程でもないがねェ、バカふたりをほっといて艦が沈んじゃあいけねぇんで」
「えー、いい雰囲気だったのに」
誰でもよかった、と、通り魔のような事を言う。
放っておけば、次に目をつけられるのは阿伏兎自身かもしれない。
心底面倒くさい。
「どうせ近々、また面白ェもんが見られる。それまでその拳は取っておけよ、このすっとこどっこい」
「そう言って面白かったこと、あったっけなぁ」
「あーぶーにー!おろせ!なんで神威は放したのに!」
ジタバタとさきが暴れる。
足を掴まれて宙ぶらりんな状態で、神威と阿伏兎だけが喋っているので、まるで捕獲されたような気分だった。
「おーろーせー!」
「黙ってろバカ一号。面倒かけるなら戦場でやりやがれってんだ」
「えー、あぶにぃのがにーちゃんだから、バカ一号はあぶにぃだと思う!」
「…………あ゛?」
たっぷり含めたあと、初めてさきをしっかり見る。
足を掴んで逆さまに宙ぶらりんなのに、言ってやった、という雰囲気を醸し出している。
「あはは、さきは賢いねェ。たしかに兄の方が一号だ、ね?バカ一号?」
「あんたも兄貴だろうが大バカ一号」
収集がつかないバカの応酬に、さきが再び暴れる。
「おろせよーあぶにぃ!」
「チッ……おい団長、そろそろ定期報告だ。今回はやれる気がしねぇから、あんたの方でやってくれ」
「えー阿伏兎がやればいいじゃん、そんなの」
「……節穴に話しかけてんのかオレはァ?」
何やかやと、神威はどこぞへ消えてしまった。
残されたさきは、不満げにぴたりと落ち着く。
「頭に血が登って死んだか?」
「そんなんじゃ死なないし!おろせよーそろそろ!」
はいはい、とそのまま手を放す。
とん、と受け身を取り、阿伏兎に向き直る。
「止めなくてもよかったのに」
「腕や足を無くした後じゃ遅ェんだよ」
「無くさないよー加減できるもん」
「おめーの心配をしてるんだよこのバカ」
む、と口を尖らせて、さきは大股で先を歩く阿伏兎に小走りでついていく。
「心配なんてしないだろーあぶにぃは。ふわふわ?とかそういうのを気にしてるんだ」
「不和な。惜しいようで惜しくねぇ」
不和なんて気にしてはいない。
夜兎の同胞が減ることを多少残念には思うが、誰が死のうが知ったことではない。
ただ、目の前で見てられるほど、冷静ではなかっただけで。
「何を考えて言ったのかは知らねぇが、戦える相手くらい見極めろィ」
「んー……たぶん、大丈夫だと思ったんだよね」
途端に冷静な返事をする。
年に似合わず、さきはこういうところがあった。
「あのまま歩いてたら、あの先は管制室だよ。今そんなに人はいないけど、あった人殴るか、最悪殺すかくらいはしそうだったからさぁ」
「…………」
「あぶにぃはどうせ、殴ろうとしてから止める気だったんだろうけど、そうなったら神威止めるのは大変だしさぁ」
そこまでいくと、阿伏兎と他の大人の夜兎が複数人でしか止められない。
少なくとも、さきにはどうにもできない。
「仕事を肩代わりしてやった、と」
「そういうわけじゃないけどさー。ふわふわはしないかなって」
「不和な」
ひょいと勢いをつけて、阿伏兎によじ登る。
肩ぐるまの体制で落ち着くと、ペシペシと阿伏兎の頭をたたく。
「なぁなぁ、プリンっての、食べてみたい!」
「……次、地球に行ったらな」
「えー、でっかいやつ?」
「特大のを探してやるよ」
やれやれ、とため息をつく。
「あぶにぃも好きだけど、私、神威も好きなんだ」
「……そうだな」
切っても切れないから、好き。
どうしようもなく焦がれる存在だから、大好き。
あとがき+夢主設定→
物々しい艦内で、小さな影が駆け回る。
「鬱陶しいよさき」
「えー、そんなことないよー」
構えと言わんばかりに小さな兎はついてくるが、それを素直に聞いてやるほど、神威は退屈していない。
ただ広いだけの宇宙に、色んな強い奴がいる。そんなのを思い知った後だし、何より師鳳仙が死んだ後だ。
夜兎の中でもパワーバランスが崩れる頃で、第7師団の中でも噂になっている。
まぁ、そんなことを気にする男でもないのだが。
単純に、気が立っていた。いい闘いを目にしたばかりで、興奮していたのだ。
「……なぁ神威ー。たまには私と、どうだー?」
小さな兎が言う。
いつものにこにこした顔ではなく、目を見開いて、さきを見た。
笑っている。
少女のような笑顔ではなく、獣が遊び相手を見つけたような、愉しそうな笑顔。
「それ、どういう意味か、わかってる?」
「わかってるよー」
口を開けて、笑う。
「殺し合うんだ!」
空を切る音がして、距離を取る。
一撃目は躱した。
二撃目がすぐにくる、貰わない。避けて、小さな身体をひねって、ねじ込む、一撃……ーー
「ストォーップ!」
ドッ、と鈍い音がして、ねじ込んだ足が掴まれる。
「あー!あぶにぃ!」
間一髪、ふたりの間に阿伏兎が入り、止めた。
「やぁ阿伏兎、なんの用?」
「用事って程でもないがねェ、バカふたりをほっといて艦が沈んじゃあいけねぇんで」
「えー、いい雰囲気だったのに」
誰でもよかった、と、通り魔のような事を言う。
放っておけば、次に目をつけられるのは阿伏兎自身かもしれない。
心底面倒くさい。
「どうせ近々、また面白ェもんが見られる。それまでその拳は取っておけよ、このすっとこどっこい」
「そう言って面白かったこと、あったっけなぁ」
「あーぶーにー!おろせ!なんで神威は放したのに!」
ジタバタとさきが暴れる。
足を掴まれて宙ぶらりんな状態で、神威と阿伏兎だけが喋っているので、まるで捕獲されたような気分だった。
「おーろーせー!」
「黙ってろバカ一号。面倒かけるなら戦場でやりやがれってんだ」
「えー、あぶにぃのがにーちゃんだから、バカ一号はあぶにぃだと思う!」
「…………あ゛?」
たっぷり含めたあと、初めてさきをしっかり見る。
足を掴んで逆さまに宙ぶらりんなのに、言ってやった、という雰囲気を醸し出している。
「あはは、さきは賢いねェ。たしかに兄の方が一号だ、ね?バカ一号?」
「あんたも兄貴だろうが大バカ一号」
収集がつかないバカの応酬に、さきが再び暴れる。
「おろせよーあぶにぃ!」
「チッ……おい団長、そろそろ定期報告だ。今回はやれる気がしねぇから、あんたの方でやってくれ」
「えー阿伏兎がやればいいじゃん、そんなの」
「……節穴に話しかけてんのかオレはァ?」
何やかやと、神威はどこぞへ消えてしまった。
残されたさきは、不満げにぴたりと落ち着く。
「頭に血が登って死んだか?」
「そんなんじゃ死なないし!おろせよーそろそろ!」
はいはい、とそのまま手を放す。
とん、と受け身を取り、阿伏兎に向き直る。
「止めなくてもよかったのに」
「腕や足を無くした後じゃ遅ェんだよ」
「無くさないよー加減できるもん」
「おめーの心配をしてるんだよこのバカ」
む、と口を尖らせて、さきは大股で先を歩く阿伏兎に小走りでついていく。
「心配なんてしないだろーあぶにぃは。ふわふわ?とかそういうのを気にしてるんだ」
「不和な。惜しいようで惜しくねぇ」
不和なんて気にしてはいない。
夜兎の同胞が減ることを多少残念には思うが、誰が死のうが知ったことではない。
ただ、目の前で見てられるほど、冷静ではなかっただけで。
「何を考えて言ったのかは知らねぇが、戦える相手くらい見極めろィ」
「んー……たぶん、大丈夫だと思ったんだよね」
途端に冷静な返事をする。
年に似合わず、さきはこういうところがあった。
「あのまま歩いてたら、あの先は管制室だよ。今そんなに人はいないけど、あった人殴るか、最悪殺すかくらいはしそうだったからさぁ」
「…………」
「あぶにぃはどうせ、殴ろうとしてから止める気だったんだろうけど、そうなったら神威止めるのは大変だしさぁ」
そこまでいくと、阿伏兎と他の大人の夜兎が複数人でしか止められない。
少なくとも、さきにはどうにもできない。
「仕事を肩代わりしてやった、と」
「そういうわけじゃないけどさー。ふわふわはしないかなって」
「不和な」
ひょいと勢いをつけて、阿伏兎によじ登る。
肩ぐるまの体制で落ち着くと、ペシペシと阿伏兎の頭をたたく。
「なぁなぁ、プリンっての、食べてみたい!」
「……次、地球に行ったらな」
「えー、でっかいやつ?」
「特大のを探してやるよ」
やれやれ、とため息をつく。
「あぶにぃも好きだけど、私、神威も好きなんだ」
「……そうだな」
切っても切れないから、好き。
どうしようもなく焦がれる存在だから、大好き。
あとがき+夢主設定→