短編
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朧くんの髪の毛…触ってみたい、なんて考え出してしまうこの頃。他校だけど登下校はたまに一緒に帰る関係性である彼の髪は、灰白色で緩めの天然パーマ風で柔らかそうだと最近ずっと考えてしまっている。
「はぁ〜撫でてみたい…」
「もう撫でてるだろ」
国語準備室にて、代わりに銀八先生の髪の毛をワシワシ触りながらため息をつくと先生は椅子の背もたれに寄りかかりながら嫌そうな顔をした。
「いや先生はちょっとだけ朧くんに髪質似てそうだから擬似体験しようかなってだけで」
「じゃあそいつに直接頼めば良いだろうが」
「なんか髪触らせてもらうの失礼かなって」
「…」
俺は?と言いたげな先生を見下ろしながら改めてため息をついた。
数日後の朝、今日も待ち合わせして朧くんと通学路を一緒に歩く。やっぱり触りたいな、そんな気持ちで彼の頭を見つめていると目があった。
「?何かついてるか」
「い、いや別に!」
慌てて顔を逸らす。めちゃくちゃみてしまった恥ずかしい…!余計彼が訝しげな目を向けているのに気づく。
「何かあるなら言って欲しい」
「いや〜ハハ…なんというか、その…朧くんの髪の毛柔らかそうで触ってみたいな…って」
しどろもどろになりながら伝えてしまった。言ってしまった!と一人狼狽していると、
「そう…だろうか、触ってみるか」
「へ」
そう彼が言って少し身をかがめてくれる。おずおずと髪の毛に優しく触れた。ゆっくりと頭頂部から毛先に向かって指をなぞらせる。ふわふわだけど先生よりはしっとりしている…
フム…と思考を巡らせていると気づいたら夢中になって両手で撫でていた。彼は困惑した顔でもう良いか、と小さく呟いていたので慌てて手を離した。
「ご、ごめんね!嫌だったよね!」
「いや違う…触れているだけだと分かっているが、人に撫でられる様で些か不思議な感覚だな」
嫌ではなかった、ということだろうか。良かった…と安心して息をついたその時、朧くんの指が私の横髪を掬った。
えっと思う中その髪を耳に掛けられた。
「寝癖がついてた」
「あ、ああ!なるほど!ありがとう…」
前を向いてさっさと歩き出した朧くんに間に合うように小走りになってついて行く。
気づけば耳が熱い。髪の毛触られるってこんな照れることだったんだ…