本編
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恋愛をすると他のことに身が入らなくなる
そう妙ちゃんが言っていたが、恋愛でないものに集中すれば良いのじゃないのかと考え、テスト勉強に取り組んでみたら案外その作戦は成功した。
というか勉強のことを考えていなかったら朧くんのあれそれを考えてしまいそうで集中せざるを得なかった。でも1人では対策できない場面も出てくるもので、お願いした手前一回切りは不自然だと自分に言い聞かせ何度か朧くんと図書館で勉強会をした。
「朧くん先生向いてそう。生徒に厳しそうだけど」
「何故そう思う」
「教えるの上手いから!」
そんな会話をそこそこに早速取り掛かる。横並びで勉強すると比較的視界に入らなくてドキドキせずに済むので並んで座るようにしていた。
「名前はここ数日精が出ているが、成績が良いと何か褒賞でもあるのか」
「ううん、無いけど…なんでだろ朧くんが教えてくれるからその分頑張りたいなって」
一心不乱で勉強しないと意識してしまうとは言えない…半分は事実なので許して欲しい。
朧くんの方を見やると目を細めて口角が少し上り、こっそりペンを片手で弄っていた。…少し嬉しそう?
「そこまで言われるとは、教えがいがある」
「本当?朧先生って呼ぼうかな」
そんな他愛のない会話をしながら問題を解き進める。あと少しでテストの日程だ。
テスト当日、いつも通り朧くんと待ち合わせて登校する。気を紛らわせるために単語帳も片手に持って視線を彼に合わせないように復習する素振りをする。
「なんだか緊張しちゃうな、朧くんはテストいつなの?」
「明日だ」
「1日違いなんだ!」
お互い頑張ろうね!そう話していると朧くんが私の背中を2回軽く叩いた。
「わっ」
「そう気張るな、大丈夫だ。お前の努力は知っている」
「うん…ありがとう」
そう励まされて少し照れる。私も朧くんの背中をペンペン叩いてお返しした後お互いの学校へ向かった。
テストはビックリするくらい問題を解くことができた。いつもは頭を悩ませて終了5分前に終わることが多かったが、見直しする余裕もあった。
テスト返却日が待ち遠しいくらいだ。勉強ができる朧くんもこんな気持ちになるのだろうか、そんなことを考えながら残りのテストの時間を過ごした。
返却日。早速テスト用紙を全て渡された日に早速一緒に帰れないかと朧くんに連絡した。
帰る頃には了承の返事と時間が送られていたのでそれに合わせて待ち合わせ場所に向かう。そこにはもう彼が待っていた。鞄の持ち手を握り駆け寄る。
「朧くんおまたせ」
「いや、そこまで待ってない…どうだった」
「見てこれ!」
取り出しやすいようにファイルにまとめていたテスト用紙を彼に見せる。
「全教科平均点以上!さらに…苦手な科目の二つが教科の中で高得点ワンツーフィニッシュ」
「それは…良かった」
笑顔でピースして見せると朧くんは眉毛を上げながら微笑んでいた。眉毛と目の距離が遠い!滅多に見れないぞ。
「朧くんがいなかったらこんな点数取ることなかったよ、きっと。お礼に何か奢らせてよ、何がいい?」
「いや、礼はいらない」
「いいからいいから!朧くん何が好き?ラーメンとか?」
「…なんでもいい」
「いつ空いてる?」
「早くなら次の週末は空いている」
「じゃあそれで!」
約束を取り付けて軽くスキップしながら歩く。お任せでいいなら何にしようかな、朧くん好き嫌いないんだなぁとかそんな話をして自宅へと別れた。
ウキウキしながら帰宅して用事を済ませ、布団を被ってネットでご飯を調べながらふと気づいた。
もしかしてこれってデートでは、と