本編
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実は朧くんが登校してる時間帯になるべく合わせて家に出るようになったのは秘密だ。それでも会えない日はあるけれど。最近は会う頻度が増えているのは確かだ。
「こんなコソコソするくらいなら直接待ち合わせして一緒に行けばいいのに。」
そう友達の妙ちゃんに言われたことを思い出す。
お昼休憩で女子同士机をくっつけてお弁当を各々食べる。そんな時に相談に乗ってみようと話してみたのだ。
「まぁ確かに時間合わせてもちょっとだけしか声かけれなかったりするけど…でもまだ友達と言い切れる関係かよくわかんないし、もしかしたら誰かと待ち合わせして一緒に登校するのはあんまり好きじゃないかも…」
「そんなこと言って。もし嫌だったら相手から登校する時間ずらして行くわよ」
「確かに…そうかも?」
「もうお互い名前を知って気軽に話できてるんだからもう立派な友達じゃない?」
「そうだといいなぁ」
歯切れの悪い返答の私にさっちゃんが口を開いた。
「そんなモダモダするくらいなら連絡先でも渡しなさいよ、積極性が大事なの!ハプニングバーに誘うくらいの勢いで行きなさい」
「さっちゃんみたいな積極性は無理かな…」
未成年だよ私たち…そう脱力しながら突っ込んでたら昼休みが終わり、ガールズトークも一緒に終了した。
そんなこんなで翌日の登校時
あ、今日は見かけないなとすこし落ち込みながら歩く。もともと会う回数や時間が少ないからか寂しいと思う気持ちがある…"友達"としてこんな気持ちになるのは普通なのか?まあ同じ学校じゃないから話す時間もないしなぁと悶々と考えていたら、期待していた低くて落ち着きのある声が聞こえた。
「おはよう。」
「え!おはよう朧くん!」
驚いて振り向いた。まさか声をかけてくれるとは!内心感動に打ちひしがれていると朧くんは横に並んで歩き出した。私だけ一方的に話しかけてて不安な気持ちがあったからなんだか嬉しい。
「何をそんなに笑っている」
「えへへ、毎日会えないし…あ!えっと違う!違わないけど!ほら違う高校で通学路も一緒なところ少ないしあんまり話せないから!一緒に登校できるのが嬉しい?みたいな……あーえっと…その…」
「…」
自分で墓穴を掘りまくっている自覚はあるが話の止め方がわからない。これじゃ毎日会いたいですと言ってるのと同じだ。恥ずかしくなって俯く。だんだん声が小さくなっていく。
もうこうなったら言うしかない。
「朧くん…良かったら…えっと、毎日じゃなくてもいいから一緒に登校できたらな〜なんて…」
「構わないが」
「へぁ」
すんなりと回答が返ってきてポカンと口を開けながら彼をみた。
「いいの?」
「共通の道は少ないが、名前の話も興味がある。それとお前と話すのは嫌いじゃない。そもそも今までとたいして変わらないだろう」
「わぁ…」
変に緊張していたせいか生返事くらいしかできない。
朧くんが声をかけてくれた近くの電柱を指差す。
「8時にこの通りのあそこの電柱で待ち合わせでいいか」
「う…うん!もしお互い遅れそうだったり用事があれば先行っとくとかしよう!」
「わかった」
ヤッタ〜!思わずバンザイして喜びのポーズをとる。人生の楽しみが増えたなぁと喜んでいると、すぐあの分かれ道が来てしまう。
「じゃあまた明日!」
「また明日」
朧くんに手を振り自分の通学路へ歩く。別れた後スキップしながら友達に近況報告しようと胸を躍らせた。