本編
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登下校、白髪…いや灰色の髪色をした他校生を最近見かけるようになった。柔らかなゆるい癖っ毛を見るとどうも自分の担任の姿を彷彿とさせる。
思い切って話しかけてみようか…持ち前の好奇心が抑えきれず小走りになって横に並び声をかけた
「ねぇ、最近見かけるけど高校この辺なの?」
「貴様には関係ない」
灰色の髪の男の人はこちらを一瞥したあと不可解そうな顔でそう言い放った。
貴様て。
でも我ながら突然すぎる質問だなと思う。相手もビックリするかと反省していると、気づいたら行き先の方向が違うようでさっさと歩いて行ってしまった。1人取り残された私はあの人顔に傷があって痛くないのかなとか、声が渋かったなとか呆然と考えていたが、遅刻しそうだったのでホームルームに間に合うかの計算に思考をシフトチェンジさせ小走りに学校へ向かった。
これが彼と顔見知りになるきっかけとなる。
一度話しかけたらこっちのもので。
数日後登下校ですれ違う時に挨拶するようになった。私の中で赤の他人から顔見知りに昇格したのでもしかしたら仲良くなれるのかも、と思いながら話しかけてみる。
「おはよう!」
「今日結野アナが午後に雨降るって言ってたから気をつけたほうがいいよ」
「……」
灰色の髪の男の人(呼び方が長いので灰白質くんと最近呼ぶようにした) は驚いた表情を見せつつも何事もなかったように歩を進めた。照れてるのかな…なんて。思ってもないことを考えながらまた曲がり道で分かれて正門へ向かった。
さらに数日経ち、次は下校する時に彼に鉢合わせた。最近よく会うなぁと感心しつつまた話しかけてみる。
「他に人がいてる所に話しかける時困るから名前教えて欲しいな」
「貴様には知る必要はないと思うが」
バッサリ言われた確かに…と思わず漏らした。が、続ける。
「名前が分からないから心の中で灰白質くんって呼んでるんだよね」
「…何故中枢神経系の組織の名前で呼ぶんだ」
「最近生物で習って!あと色合い似てない?髪の毛…」
「…俺は朧だ」
「おぼろくん!」
どうやら脳の一部の名称呼びがすごくお気に召さなかったらしくすんなり教えてくれた。名前を知れた嬉しさで顔がニヤついてしまう。朧くんっていう名前なのか、苗字じゃなくて名前なのかな。
「名前を教えたんだ、貴様も教えるのが礼儀じゃないのか」
「確かに… 名前って言います。よろしくね、おぼろくん」
今日からよくすれ違う人から知り合いになった。その事実に嬉しくなる。そんな気持ちで彼を見るといつものように一瞥し、けれども少し歩くスペースを緩くしてくれた。
思い切って話しかけてみようか…持ち前の好奇心が抑えきれず小走りになって横に並び声をかけた
「ねぇ、最近見かけるけど高校この辺なの?」
「貴様には関係ない」
灰色の髪の男の人はこちらを一瞥したあと不可解そうな顔でそう言い放った。
貴様て。
でも我ながら突然すぎる質問だなと思う。相手もビックリするかと反省していると、気づいたら行き先の方向が違うようでさっさと歩いて行ってしまった。1人取り残された私はあの人顔に傷があって痛くないのかなとか、声が渋かったなとか呆然と考えていたが、遅刻しそうだったのでホームルームに間に合うかの計算に思考をシフトチェンジさせ小走りに学校へ向かった。
これが彼と顔見知りになるきっかけとなる。
一度話しかけたらこっちのもので。
数日後登下校ですれ違う時に挨拶するようになった。私の中で赤の他人から顔見知りに昇格したのでもしかしたら仲良くなれるのかも、と思いながら話しかけてみる。
「おはよう!」
「今日結野アナが午後に雨降るって言ってたから気をつけたほうがいいよ」
「……」
灰色の髪の男の人(呼び方が長いので灰白質くんと最近呼ぶようにした) は驚いた表情を見せつつも何事もなかったように歩を進めた。照れてるのかな…なんて。思ってもないことを考えながらまた曲がり道で分かれて正門へ向かった。
さらに数日経ち、次は下校する時に彼に鉢合わせた。最近よく会うなぁと感心しつつまた話しかけてみる。
「他に人がいてる所に話しかける時困るから名前教えて欲しいな」
「貴様には知る必要はないと思うが」
バッサリ言われた確かに…と思わず漏らした。が、続ける。
「名前が分からないから心の中で灰白質くんって呼んでるんだよね」
「…何故中枢神経系の組織の名前で呼ぶんだ」
「最近生物で習って!あと色合い似てない?髪の毛…」
「…俺は朧だ」
「おぼろくん!」
どうやら脳の一部の名称呼びがすごくお気に召さなかったらしくすんなり教えてくれた。名前を知れた嬉しさで顔がニヤついてしまう。朧くんっていう名前なのか、苗字じゃなくて名前なのかな。
「名前を教えたんだ、貴様も教えるのが礼儀じゃないのか」
「確かに… 名前って言います。よろしくね、おぼろくん」
今日からよくすれ違う人から知り合いになった。その事実に嬉しくなる。そんな気持ちで彼を見るといつものように一瞥し、けれども少し歩くスペースを緩くしてくれた。