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ああ、多分この人はふざけているんだ。
でなきゃ、私がこんな状況に陥る筈が無い。何も悪い事してないもん。
「あの、サソリさん」
「何だ?」
「いえ、何だではなく」
手足が思う様に動かないため、私は視線だけ動かしてサソリさんに抗議する。
只今、サソリさんの自室。
「何で私がいきなり、チャクラ糸で手足を拘束されなければいけないんでしょうか」
「良い質問だな名前」
サソリさんは極上の笑顔で、ごちゃごちゃした棚の引き出しから、何やら小さな瓶を取り出した。
「面白い薬が出来てな」
「それはおめでとうございます」
「誰かで試したい」
「わーいふざけんな」
瓶の栓を開け、サソリさんがじりじりと迫ってくる。
私もじりじりと後退るが、如何せん体の自由が利かない。
「心配すんな。解毒薬は用意してある」
「いやいやいやそういう問題じゃないデスからねサソリさん」
必死の抵抗も虚しく、遂に私の唇に、冷たい瓶の縁が触れた。
「ぎゃぁぁぁぁ!やだやだサソリさん、マジでやめ……っ」
ごくり。
鼻を摘まれて顎を持ち上げられれば、口の中の液体はあっさりと体内へ。
呑み込んだ後、新作の薬とやらはすぐに体に異変をもたらした。
全身が、痛い。
「いたたた何これ!?痛い痛い!」
「すぐ終わる。我慢しろ」
「うー……いてて……」
全身の骨や筋肉が、ぎしぎしと軋む様な痛み。我慢出来ない程ではない。
でも、この痛みの大元凶にそんな事言われても、励まされてる感じなんてみじんもしないぞこんちくしょーめ。
痛みが収まってきた頃、私は体に第二の異変を感じた。
何か………何だろう。こう………例えるならば、
「……成功だな」
「え、私もしかして、」
「見た所、5歳児といった感じか」
縮んだようです。
「サソリさん!アンタ大概にして下さいよ!いくら何でもやって良い事と悪い事ってのが…」
「餓鬼にわめかれても怖く無ェ」
「わっ!?」
5歳児のこの体は、いとも容易くサソリさんに抱き上げられる。
「成程……縮むのは体だけで、精神は名前そのままか」
「ふざけんなー!降ろせ馬鹿ー!」
「うるっせえな。飛段に見せに行くぞ」
「すみませんそれだけはやめて下サイ」
こんな姿、飛段君に見られたら何される事やら……。考えただけでもおぞましい。
多分、抱き締められて潰れるぞ。今の私だったら。
「はァ……じゃあ、早く解毒薬下さい」
「………………薬が効く時間が知りたい」
「え、じゃあ」
「自然に元に戻るまでそのまま」
「無理!今すぐ!」
「飛段のトコ行くか」
「ちくしょうすみませんちくしょう……!」
私、悪くないよね?ね?
でもサソリさん曰く、薬の効能は長くは続かないらしい。精々1時間ちょっとだとか。
まあ、それくらいなら待ってやっても良いかな、なんて。
ただ……服は縮んでないから、ぶかぶかの上着をはおっているだけの現状が気持ち悪い。
「あー……早く戻んないかなー」
「何でだよ。そっちの体の方が面白いだろ」
「こちとら全く面白く無いデスよ。あーあ。気晴らしに、デイダラ君にでも見せに行こうかなー」
デイダラ君なら、かなり面白い反応してくれそうだ。
ただ、その呟きを聞かれてしまったのか、サソリさんの手が私に伸びた。
ひょいと持ち上げられて着地したのは、あぐらをかいたサソリさんの膝の上。
「良いから、戻るまでここに居ろ」
「………飛段君以外の膝の上は初めてです」
「ふん、元に戻る前に降りろよ」
「自分からのせたくせに」
「うるせえ」
ぱこ、と私の頭を叩いた手は、5歳児用に手加減したのか、少しも力が入っていなかった。
ちなみに、上手いタイミングで降りられませんでした。
(………重い)
(女の子に対してそれは禁句デスよサソリさん!)
→御礼
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