このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

探偵ワトソンは眠らない

後日談




後日、僕はワトソンから聞いた推理を(あたかも僕が推理したかのように)桜先輩と実花ちゃんに話した

犯人も動機も方法も全てがワトソンの推理通りだった

実花ちゃんは泣いて謝っていたけど、桜先輩は「な〜んだ!じゃあしょうが無いね!」とか言って笑って許してしまった

まぁ、この事件は実花ちゃんが桜先輩の為を思ったために起きたわけだし、実花ちゃんがまだ居たことに気づかなかった桜先輩も原因の一つでもあったからね


このあと2人は協力してダニエルくんの首を直したらしい

これがきっかけで2人の仲が深まったとか、
首の亀裂を隠すために洋服を着せたらそれが面白くて美術部の部員が増えたとか増えてないとか…

えっ探偵部は…って?
それは聞かないでおくれよ…




「そういえば、セトカちゃんってちゃんと探偵だったんだね」


『桜先輩、それ一体どういう意味ですか?』


「いやーてっきり"迷"探偵なのかと思ってたからさ!迷う方のね!ちゃんと謎解いてくれるとは思ってなくて!」


『失礼ですね!僕はちゃんと"名"探偵です!!探偵部、ちゃんと宣伝してくれました?』


「……し、したよ〜〜!!」


『なんですか、今の間……まさか忘れてたなんて言いませんよね……??』


「そ、ソンナコトナイヨ…」


先輩が目を逸らしながら言う。先輩忘れてましたね、と僕は先輩を睨んだ。


「そうだ。はい、これ。色々ありがとうってことで」


そう言って先輩は一枚の絵を僕に渡してきた。

それはまるでホラー映画の一場面を切り取ったかのような恐ろしく、奇妙な絵…

なにこれ呪われそう


『なんですか、これ?世界の崩壊ですか?』

「世界の崩壊?なにそれ?…セトカちゃんをモデルにした絵に決まってるじゃない」


『えっ…』


嘘だろ?!こんな可憐な僕が?!
先輩にはこんなふうに見えてるのか?
嫌だ!!!


「あっ、ごめん!もう行かなきゃ!それじゃ、ありがとうね!その絵はお家にでも飾ってね!!」


そう言うと先輩は走って行ってしまった


『ま、待ってください!!こんな絵貰っても呪われそうっていうか……超怖いんですけど!!夜中動きそう!!てかマジで僕なんですかー!!』


あっと言う間に見えなくなってしまった先輩に向かって叫んだ。先輩に僕の叫びは届いたのだろうか


そうだ、図書室に飾ろう。そう思いの僕は踵を返して歩き始めた。




4/7ページ
スキ