ハイキュー夢小説になります
私じゃない
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今日は久しぶりに会える夜久くんを1人、靴箱で待つ。本当は教室で待ってようかと思ったけど今日はそんな気分だった。
だから、これは何か。
「え、」
どちらが出したのか分からない声が廊下に響く。目の前の光景に思考は追いついていないけど、冷静な自分がいる。何となくこうなると思っていた私が。
「い、や。違くて!ゆきな!」
下校道。いつも通り、一緒に帰れると思っていた。でも、そう思っていたのは私1人のようだった。
目の前には彼氏の夜久くんとその腕に抱き着くようにしている可愛い女の子。
夜久くんは何か弁明しているようだけど目に映るこの光景が全てだと、物語っている。
確かに、告白したのも私からだったし、電話も連絡も殆どが私から。初めて、夜久くんからお願いされたのは‘’一緒に帰りたい”だった。
だから、今日も一緒に帰れると思っていたのに。
なのに……。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
その後、私は早足にその場を立ち去って家の方向とは真逆にある公園に来ていた。
1人ブランコに揺られ空を見上げる。夕陽が沈む光景が綺麗だ。自然と涙は出なかった。
ボーッとしていれば視線を遮るように同じクラスの黒尾が覗き込んできた。
「な~にしてんの」
『黒尾だ。ちょっと黄昏てた』
「黄昏れるっておばあちゃんかよ」
『そうかもしれない』
いつも通りの会話なのに、今はこの会話がとてつもなく心地いい。案外、さっきの光景にショックを受けていたのだとこの時初めて知った。まぁ、好きなんだからしょうが無いんだろうけど。
だったら、さっきまでの私は案外冷たい人間だったのか。
「…で、どうしたの」
『ん~』
言い淀んでいれば、隣のブランコに座った黒尾がそれに跨るようにして座り直す。
「やっくん?」
黒尾のこういう所はほんとに鋭いなと思う。笑って頷けば、何故か黒尾が苦しそうな顔をする。黒尾は知ってたのかな。あの2人のこと。でもなんでそんな顔をするの?傷ついてるのは黒尾じゃなくて、私なんだよ。
『泣きそうな顔してる』
「ゆきなも同じ顔してる」
『え~ほんと?』
少しおちゃらけて見るけど上手く笑えているか分からない。黒尾の反応からして全然笑えていないんだろうな。
だって、黒尾の顔がさっきと変わらない。なんて言えばいいかわからないって感じにもなってる。
『最近はさ』
「うん?」
『好きなのは私だけなのかなって思う事がいっぱいあって、今日もほんとは一緒に帰るはずだった』
そう思ってたのは私だけ。全部、全部。私の好きの一方通行。
さっきだって、本当は言いたかった。なんでその子と一緒に居るの?なんで腕組んでるの?私と一緒に帰るんじゃなかったの?なんで……
『あの子に笑いかけての……って』
「……ゆきな」
『思う事は沢山あるけど、でもわかってた。もう夜久くんの中に私は居ないんだって』
「そんな事n」
『あるの。あるんだよ、黒尾』
ここ2ヶ月、殆ど一緒に居ない。ご飯も誘えば一緒に食べてくれるけど、殆どが黒尾達と食べるからって。帰りも他の人と帰るって。昨日やっと、今日一緒に帰ろって言ってOKを貰ったのに。でも実際は違った。だから、だからね黒尾。
『もういいんだ』
「いいって、良いわけないでしょうよ」
『いいの!私がいいって言ってるんだから!』
そう言えば、クロオは黙って俯いてしまった。いつも黒尾には、何かと夜久くんについて相談に乗ってもらってたり、手伝って貰っていたから申し訳なく思ってしまう。
『ごめんね、黒尾』
「……何がよ」
『いっぱい助けて貰ったのに、こんな事になっちゃって』
「こんな事も何も全部やっくんが悪い」
『私にも悪いとこあったよ』
「どこに」
少し低くなった声で黒尾が言う。私は薄く目を伏せて、ワガママ言い過ぎちゃった。そう口を動かすけど震えて上手くいかない。頬を暖かいものが伝う。視界は滲んでハッキリしなくて。何が悪かったんだろう。何が夜久くんを困らせたんだろう。もう好かれてない。私はもう……
『夜久くんの彼女じゃない』
「誰が、俺の彼女じゃないって?」
聞こえた声に顔をあげれば、目の前には夜久くんが居た。気付かなかった。いつ来たんだろう。肩で息してるのを見るからに走ってきてくれたのかな。でもなんで。どうして。そんな言葉が頭に浮かんで上手く整理できない。
『な、なんで居るの?』
「黒尾にッ、聞いて…走ってきた」
『夜久くん……もういいんだよ。あの子の所に居てあげて』
思ってもいない言葉がスラスラと出てくる。あ〜、最後ってこんな感じなんだ。
「何がいいんだよ。何も良くないだろ。なぁゆきな。俺の話聞いて」
話す事は無いよ、夜久くん。そう言えば酷く悲しそうな顔をする夜久くん。そんな顔をして欲しくて言ったんじゃない。けど、あの子に向けるような笑顔を私は見た事ないから。だから、もう良いんだよ。
『夜久くん、ごめんね』
「何が」
なんだかさっき黒尾にも言ったような気がするけど、ちゃんと言わないといけない。これが最後。これで終わりだから。
『夜久くんありがとう。こんな私と付き合ってくれて。好きだったよ』
「…は?ゆきな、?」
『別れよ』
夕焼けに染まる公園。2人からの視線を受ける私は、今日1番の笑顔だったと思う。
だから、これは何か。
「え、」
どちらが出したのか分からない声が廊下に響く。目の前の光景に思考は追いついていないけど、冷静な自分がいる。何となくこうなると思っていた私が。
「い、や。違くて!ゆきな!」
下校道。いつも通り、一緒に帰れると思っていた。でも、そう思っていたのは私1人のようだった。
目の前には彼氏の夜久くんとその腕に抱き着くようにしている可愛い女の子。
夜久くんは何か弁明しているようだけど目に映るこの光景が全てだと、物語っている。
確かに、告白したのも私からだったし、電話も連絡も殆どが私から。初めて、夜久くんからお願いされたのは‘’一緒に帰りたい”だった。
だから、今日も一緒に帰れると思っていたのに。
なのに……。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
その後、私は早足にその場を立ち去って家の方向とは真逆にある公園に来ていた。
1人ブランコに揺られ空を見上げる。夕陽が沈む光景が綺麗だ。自然と涙は出なかった。
ボーッとしていれば視線を遮るように同じクラスの黒尾が覗き込んできた。
「な~にしてんの」
『黒尾だ。ちょっと黄昏てた』
「黄昏れるっておばあちゃんかよ」
『そうかもしれない』
いつも通りの会話なのに、今はこの会話がとてつもなく心地いい。案外、さっきの光景にショックを受けていたのだとこの時初めて知った。まぁ、好きなんだからしょうが無いんだろうけど。
だったら、さっきまでの私は案外冷たい人間だったのか。
「…で、どうしたの」
『ん~』
言い淀んでいれば、隣のブランコに座った黒尾がそれに跨るようにして座り直す。
「やっくん?」
黒尾のこういう所はほんとに鋭いなと思う。笑って頷けば、何故か黒尾が苦しそうな顔をする。黒尾は知ってたのかな。あの2人のこと。でもなんでそんな顔をするの?傷ついてるのは黒尾じゃなくて、私なんだよ。
『泣きそうな顔してる』
「ゆきなも同じ顔してる」
『え~ほんと?』
少しおちゃらけて見るけど上手く笑えているか分からない。黒尾の反応からして全然笑えていないんだろうな。
だって、黒尾の顔がさっきと変わらない。なんて言えばいいかわからないって感じにもなってる。
『最近はさ』
「うん?」
『好きなのは私だけなのかなって思う事がいっぱいあって、今日もほんとは一緒に帰るはずだった』
そう思ってたのは私だけ。全部、全部。私の好きの一方通行。
さっきだって、本当は言いたかった。なんでその子と一緒に居るの?なんで腕組んでるの?私と一緒に帰るんじゃなかったの?なんで……
『あの子に笑いかけての……って』
「……ゆきな」
『思う事は沢山あるけど、でもわかってた。もう夜久くんの中に私は居ないんだって』
「そんな事n」
『あるの。あるんだよ、黒尾』
ここ2ヶ月、殆ど一緒に居ない。ご飯も誘えば一緒に食べてくれるけど、殆どが黒尾達と食べるからって。帰りも他の人と帰るって。昨日やっと、今日一緒に帰ろって言ってOKを貰ったのに。でも実際は違った。だから、だからね黒尾。
『もういいんだ』
「いいって、良いわけないでしょうよ」
『いいの!私がいいって言ってるんだから!』
そう言えば、クロオは黙って俯いてしまった。いつも黒尾には、何かと夜久くんについて相談に乗ってもらってたり、手伝って貰っていたから申し訳なく思ってしまう。
『ごめんね、黒尾』
「……何がよ」
『いっぱい助けて貰ったのに、こんな事になっちゃって』
「こんな事も何も全部やっくんが悪い」
『私にも悪いとこあったよ』
「どこに」
少し低くなった声で黒尾が言う。私は薄く目を伏せて、ワガママ言い過ぎちゃった。そう口を動かすけど震えて上手くいかない。頬を暖かいものが伝う。視界は滲んでハッキリしなくて。何が悪かったんだろう。何が夜久くんを困らせたんだろう。もう好かれてない。私はもう……
『夜久くんの彼女じゃない』
「誰が、俺の彼女じゃないって?」
聞こえた声に顔をあげれば、目の前には夜久くんが居た。気付かなかった。いつ来たんだろう。肩で息してるのを見るからに走ってきてくれたのかな。でもなんで。どうして。そんな言葉が頭に浮かんで上手く整理できない。
『な、なんで居るの?』
「黒尾にッ、聞いて…走ってきた」
『夜久くん……もういいんだよ。あの子の所に居てあげて』
思ってもいない言葉がスラスラと出てくる。あ〜、最後ってこんな感じなんだ。
「何がいいんだよ。何も良くないだろ。なぁゆきな。俺の話聞いて」
話す事は無いよ、夜久くん。そう言えば酷く悲しそうな顔をする夜久くん。そんな顔をして欲しくて言ったんじゃない。けど、あの子に向けるような笑顔を私は見た事ないから。だから、もう良いんだよ。
『夜久くん、ごめんね』
「何が」
なんだかさっき黒尾にも言ったような気がするけど、ちゃんと言わないといけない。これが最後。これで終わりだから。
『夜久くんありがとう。こんな私と付き合ってくれて。好きだったよ』
「…は?ゆきな、?」
『別れよ』
夕焼けに染まる公園。2人からの視線を受ける私は、今日1番の笑顔だったと思う。
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